中古住宅を査定する10のポイントとは?高く売る方法まで徹底解説

中古住宅の査定には築年数が大きく影響し、築年数が古いほど価値が下がる傾向にあります。特に木造住宅の場合、築20年で価値がほとんど無くなると言われているため、査定額が高いタイミングで売却することが重要です。

また、近年はリフォームを前提として、お得に中古住宅を購入する人が増えているため、間取りや立地条件が良ければ高値での売却も目指せます。ここでは、中古住宅の査定ポイントやより高く査定してもらうためのコツについて解説していきます。

中古住宅は2つの方法で査定をする

中古住宅の売却を検討した際には、不動産会社に査定を依頼するのが一般的です。主に机上査定と訪問査定の2種類の方法が用いられ、訪問査定ではより正確な査定額が算出されます。

すぐに結果がわかる机上査定

土地や住宅などの不動産を売却する際に、不動産会社では最初に「机上査定」が行われます。机上査定とは、一定の情報を基に算出するおおまかな査定のことで、以下の項目を基準として査定額を算出します。

  • 過去の取引価格
  • 周辺の類似物件の価格
  • 不動産市場の状況

過去に、間取りや立地条件などが類似する物件が取引された事例を目安として査定額を算出します。戸数の多いマンションほど取引事例も多く、取引事例が新しいほど正確な査定額に導きやすい傾向にあります。

戸建ての場合、マンションのように間取りが同等の物件が少ないため、周辺の類似物件を基に査定額を算出します。ただし、マンション内で取引事例が無い場合、戸建てのように周辺の類似物件を基に査定額を算出するため、不動産会社によって査定額に差が生じやすいのが難点です。

現在、東京都中央区の晴海地区では2020年に開催される東京オリンピックに向けて不動産の価値が上昇し、新築マンションが続々と建設されています。

このようなイベントが不動産の価値に与える影響は大きい一方で、地震や豪雨災害などの自然災害があった地域では以前よりも不動産の価値が下がるなど、不動産市場の状況が査定額に影響しやすいのが現状です。

売り出す価格決定のため訪問査定

机上査定でおおまかな査定額を算出した後は、より詳しい査定となる「訪問査定」が行われます。訪問査定は、不動産会社の担当者が実際の物件に出向いて行われ、机上査定に用いたデータに加えて目視による住宅の状態確認をして査定額を決めます。

従って、訪問査定では机上査定よりも正確な査定額が算出され、物件を売り出すにあたって「売り出し価格」を決める際に有効です。

中古住宅の10の査定ポイントとは

中古住宅の購入を検討している人は、新築よりもお得に購入できる価格であることに加え、当然ながら物件自体が良い状態であることを求める傾向にあります。中古住宅の売却を検討しているのなら、以下に示す10の査定ポイントを押さえておきましょう。

資産価値の基本となる築年数

戸建てやマンションなどの住宅は築年数に応じて資産価値が下がり、築年数が浅いほど物件の状態が良いため、需要が高い傾向にあります。また、木造の戸建てやマンションなど、物件種別によって資産価値の下がり方は異なります。

その理由は、物件種別によって耐用年数が異なることにあります。木造の戸建ての耐用年数は22年、マンションのような鉄筋コンクリート造りの建物の耐用年数は47年となっています。

このようなことから、木造の戸建ては築10年で資産価値がおよそ半分に、築25年を超えると価値が無くなると考えられています。一方のマンションの場合、築10年でも7~8割程度の価値を維持できると考えており、資産価値がおよそ半分になるのは築25年と考えられています。

いつの耐震基準を満たしているか

1995年に発生した阪神・淡路大震災や2011年に発生した東日本大震災など、日本では大規模な地震が頻発しています。

また、2018年7月に中国地方を襲った西日本豪雨などの自然災害も多方面で発生しており、非常に多くの家屋や建物が被害に見舞われました。

現在は、このような自然災害に対する家屋の耐性が問われており、1981年6月1日には大規模な地震に対する耐震性を強化するために耐震基準が見直されました。

新耐震基準は建築基準法で定められており、震度6強から7に及ぶ地震が起こった際にも倒壊や崩壊しないことが基準として設けられています。2016年4月に発生した熊本地震で倒壊した建物は、旧耐震基準では32.1%、新耐震基準では7.6%という結果が明らかになっています。

さらに、2000年6月1日には、木造建築物の耐震基準を見直す改正が行われており、耐震性に優れた建物の強化が推進されています。中古住宅の購入を検討する人も耐震性を重視しているため、住宅の査定には新耐震基準を満たしていることが大きく影響します。

そのため、1981年6月1日以前に建築された住宅は新耐震基準を満たしていない可能性があり、この場合には耐震診断や耐震補強工事が求められます。

日当たりや風通しがよい立地

住宅へのニーズは、築年数や耐震基準に加えて方角や風通しにもあり、同じマンションでも査定額に影響すると言われています。方角の場合、日当たりの良い南向きはポイントが高く、日当たりの悪い北向きは好まれない傾向にあります。

また、風通しが良いと湿気が籠りにくいため、カビの繁殖を防ぐ効果が期待できます。日当たりが悪く風通しの悪い住宅の場合、カビの発生によってアレルギーを発症するリスクがあると言えるでしょう。

一方で日当たりが良く風通しが良い住宅の場合、洗濯物も乾きやすいだけでなく、湿気が籠りやすい梅雨や夏も快適に過ごせ、冬場の底冷えも回避できるなど、より良い住環境が見込めます。

どんな間取りをしているか

ファミリー層からのニーズが高い間取りは、3LDKや4LDKが一般的です。ただし、リフォームやリノベーションで特異な間取りは嫌煙されがちなため、生活しやすい間取りであることがポイントです。

両親と同居するための二世帯住宅に対するニーズは低い傾向にあり、どのような家族構成が求める間取りであるかが基準として査定されます。例えば段差が少ないなど、小さい子供やシニアが生活しやすい間取りへのニーズは高い傾向にあります。

どれだけ劣化してしまっているか

戸建てやマンションなどの物件種別に関わらず、築年数が古い物件は査定額が低い傾向にあります。

例えば、天井からの雨漏りやシロアリ被害、壁や天井のシミ、湿気によるカビなどがある場合はマイナスポイントと捉えられがちです。また、外壁のヒビや設備の劣化などは、今後の生活に支障が出る可能性があるため注意が必要です。

これまでにしてきた維持管理のための修理

メンテナンスがきちんとされた住宅は状態が良く、査定額をアップするポイントになります。きちんとしたメンテナンスは、雨漏りやシロアリ被害などを防ぐことができるため、メンテナンス状況が考慮されます。

また、生活感の出やすい水回りのメンテナンスが適切に行われていないと、水漏れなどのトラブルに繋がりやすくなるので注意が必要です。良い状態を維持するためにはそれ相当のコストがかかりますが、コストをかけた分が売却時の査定額に直結すると言えるでしょう。

どんな設備があるか

近年は、ヒートポンプ技術を利用した電気給湯器「エコキュート」やIHクッキングヒーターなどを摂り入れた「オール電化住宅」へのニーズが高まっています。

また、耐震性や耐久性能に優れた「長期優良住宅」は、地球環境に優しく、住宅を良い状態で長期間使用できるとして注目を集めています。

このように時代と共に私たちが求める住宅は変化し、住宅購入する際の基準として生活しやすい設備が重視されています。

特にマンションでは設備が査定に影響しやすく、セキュリティ面や清掃が行き届いた共有部分、エレベーターなどがポイントになります。

さらに、眺望の良い高層階や角部屋への人気は高い傾向にあり、低層階でもバルコニーが広いと査定アップのポイントになります。

トラブルを抱えている物件かどうか

築年数が浅く状態の良い住宅であっても、住環境にトラブルのある物件は査定においてマイナスポイントになる可能性があります。

例えば、事件や事故が起こった物件や隣近所にクレーマーがいる場合がマイナスポイントとして挙げられます。

また、古い戸建ての場合、隣接する土地との境界が曖昧なケースがあるため、売却後にリフォームやリノベーションを行う際に越境するリスクがあります。

売却後にトラブルとなった場合には、売主が瑕疵(かし)担保責任に問われる可能性があるため、売却前に境界確定図を作成しておくと安心です。

周辺施設までの距離

築年数が古い物件でも、主要駅までの距離が近いなど利便性が良い立地条件であれば、高値で取り引きされるケースも多いのが現状です。そのため駅やバス停が近く、スーパーやコンビニ、役所などの生活に必要な施設が周辺に揃っていることが査定におけるプラスポイントになります。

特に駅からの距離が徒歩10分以内の物件への評価は高く、10分を超えるとマイナスポイントになると言われています。

将来周辺の開発予定があるのか

2020年に開催される東京オリンピックの開催地周辺では、主要道路や鉄道などが整備されるため、不動産価格が上昇傾向にあります。また、2025年に開催予定の大阪万博の開催地周辺でも、これから整備が行われるため、地価の上昇に伴って不動産価値が上昇すると予測されています。

このように周辺環境の整備や開発が不動産価格に与える影響は大きいため、査定においてプラスポイントとなる一方で、過疎が進むようなケースではマイナスポイントになります。

従って、周辺に駅や病院、ショッピングモールなど、利便性が高まる施設の開発予定がある場合は、古い中古住宅でも高い査定が期待できます。

中古住宅を高く査定してもらうためのコツ

中古住宅の査定においては、築年数や立地条件などが影響します。しかし、訪問査定でより良く見せるために事前にリフォームを検討している場合は、不動産会社に相談してからのリフォームをおすすめします。

不動産会社を見極める

不動産会社は、誰もが知っているような大手から地域密着型の業者まで幅広く、どの不動産会社を選ぶかで査定額に影響を及ぼします。また、不動産会社によって査定額が異なるため、優良な不動産会社を見極めることが大切です。

一括査定を利用することがおすすめ

多くの不動産会社は、不動産流通機構が提供する「不動産価格マニュアル」に沿って査定額を算出します。しかし、立地条件や物件への人気度に対するポイントは不動産会社によって異なります。

査定額の差は百万円単位に及ぶケースもあるため、最初から一社に絞って査定を依頼するのではなく、複数社に査定を依頼し、査定額を比較することが高値での売却に繋げる第一歩です。

また、査定額を比較しないと妥当な金額であるかを判断できないだけでなく、机上査定の時点で提示された査定額が高ければ、訪問査定でも高くなりやすい傾向にあるため、査定額を比較することが大切です。

しかし、不動産会社に一件ずつ査定を依頼するのは時間がかかります。そこで、複数社に一括で査定を依頼できる一括査定サイトの利用がおすすめです。

複数社に査定を依頼するメリットは査定額を比較するだけでなく、物件種別の売買に得意な業者を見極められる点も挙げられます。査定の依頼後は以下のような点に注視し、目星をつけた業者の担当者がどれくらいのスキルを持っているか把握しましょう。

  • 不動産に関する知識
  • コミュニケーション能力
  • 計画的な段取り
  • 誠実さ

業者とのやり取りの上でスキルの高い担当者と出会い、優良な業者を見つけることが、高額査定と売却成功に繋がると言えるでしょう。

掃除や整理整頓で見た目をキレイにする

机上査定で高値の査定額を提示されても、より正確な背定額が提示される訪問査定では、高値で査定してもらうための準備をして迎えることが大切です。

室内に漂う湿気や臭いは印象を悪くするため、事前に喚起をして湿気や臭いを残さないようにしておきましょう。また、掃除や整頓されていないまま査定を受けるのではなく、きちんと清掃や整理整頓しておくと快適な空間を印象づけることができます。

訪問査定では日当たりの状態や風通しの良さも見られるため、昼間に査定を受ける場合でも間接照明を使用し、明るい住環境であることをアピールしましょう。

問題点と改善策を隠さず伝える

査定を受ける際にはより高値での査定を期待するあまり、設備の不具合などの欠陥部分を隠したいという心理が働きがちです。

しかし、後から不備がわかると不動産会社の損失となってしまい、売却後に欠陥が発覚した場合は瑕疵(かし)担保責任に問われ、損害賠償を請求される可能性があるので注意が必要です。

従って、隠したい欠陥や修理した箇所などは包み隠さず全て伝えることが大切です。なお、売却のための大幅なリフォームは、売却価格で回収しきれない可能性があるため、不動産会社の担当者に相談するようにしましょう。

一括査定前に中古住宅の相場を知る方法

不動産会社に査定を依頼する前に、提示された査定額を比較するためにも、売却を検討している住宅の相場を知っておくことが大切です。相場を知るためには、以下のような方法で調べると良いでしょう。

全国の不動産会社も参考にするレインズ

レインズとは公益財団法人不動産流通機構が運営するネットワークシステムで、正式名称を「Real Estate Information Network System」といいます。

これらの頭文字をとって「REINS(レインズ)」と呼ばれており、国土交通大臣から指定を受けているので安心です。レインズは、以下のように地域によって4つに区分されています。

  • 東日本不動産流通機構
  • 中部圏不動産流通機構
  • 近畿圏不動産流通機構
  • 西日本不動産流通機構

不動産会社に仲介を依頼する際には、「媒介契約」を締結して売却を進めていきます。この媒介契約は3種類あり、契約内容によってはレインズへの登録が義務づけられています。

レインズに登録されると、会員として登録した不動産会社が情報を共有できるため、売り出し情報をより広めることができます。また、マーケットデータから直近の売却価格の動向がわかるため、周辺の類似物件の取引価格を参考にすると相場が見えてきます。

参考:REINS(レインズ)

地域別で調べやすい土地総合情報システム

土地総合情報システムは、国土交通省が運営する不動産の取引価格の情報サイトです。サイトに掲載されている情報は、過去に不動産の取り引きした人を対象にしたアンケート調査に基づいており、情報提供件数はおよそ345万件に及びます。

また、四半期ごとに市町村の地区まで絞って、近隣の物件の売却価格を調べられますが、不動産の取り引きをした全ての人がアンケート調査に回答している訳ではないため、場合によっては情報量が少ないケースもあります。

参考:土地総合情報システム

対策を立てて中古住宅を高く査定

住宅の価値は築年数に応じて下がるのが一般的ですが、立地条件や設備に魅力があれば高値での売却も目指せます。また、売却を検討した際には、レインズや土地総合情報システムを活用して相場を調査し、不動産会社から提示された査定額が妥当性を判断できるようにしておきましょう。

訪問査定では印象アップに繋がる工夫をし、きちんと対策を立てた上で査定に臨みましょう。