不動産売却の税金は5年を境に変わる。税率と特例について徹底解説

「不動産を売却したいけど、タイミングとかあるの?」「損をしない不動産の売却時期ってあるの?」など売却するタイミングは初心者の方にはわかりません。

しかし売却のタイミングによって手元に残るお金が少なくなることもあります。いかに多くのお金を手元に残せるか、売却時期によって変わってくる税金や特例について説明します。

譲渡所得税率は5年を境に低くなる

不動産を売却し、売却益が出たら、譲渡所得に所得税と住民税がかかってきます。また、平成23年12月2日からは復興特別所得税も支払うことになりました。

復興特別所得税は「所得税×2.1%」という計算になります。所有期間で「長期譲渡所得」「短期譲渡所得」に分けられ、税率は長期譲渡所得と短期譲渡所得によって違います。

税率が違う理由は、土地を購入してすぐに転売を繰り返し値を吊り上げ、不当に利益を上げるのを防ぐためです。不動産の所有期間が5年超えが長期譲渡所得になり、5年以下の場合は短期譲渡所得になります。

長期譲渡所得と短期譲渡所得の税率について

長期譲渡所得と短期譲渡所得とでは税率が違います。5年を境にどのくらいちがうのかを説明します。

長期譲渡所得の税率は20.315%

売却した年の1月1日で所有期間が5年超の場合は、長期譲渡所得となります

長期譲渡所得の税率

所有期間 所得税 住民税 合計
5年超え 15.315% 5% 20.315%

短期譲渡所得の税率は39.63%

売却した年の1月1日で所有期間が5年以下の場合は、短期譲渡所得となります

短期譲渡所得の税率

所有期間 所得税 住民税 合計
5年以下 30.63% 9% 36.63%

所得税の税率には、復興特別所得税「所得税×2.1%」が上乗せしてあります。

所有期間が10年を超えると税率がさらに低くなる

不動産の所有期間が5年超えると長期譲渡所得になるので、税率が低くなりますが、さらに税率が低くなる特例があります。

居住用の不動産の所有期間が10年以上で売却した場合に「10年超所有軽減税率の特例」を受けることができます。税率は以下のようになります。

譲渡所得6,000万円以下の場合

所得税 住民税 復興特別所得税
10.21% 4% 2.1%

課税譲渡所得6,000万円超の場合

所得税 住民税 復興特別所得税
15.315% 5% 2.1%

10年超所有軽減税率の特例を受ける場合、いくつか条件があります。

  • 売却した年の1月1日で不動産の所有期間が10年を超えていること
  • 売却した年の前年または前々年にこの特例を受けていないこと
  • 売却した不動産がほかの特例を受けていないこと
  • 買主が親子、夫婦などの特別な間柄ではないこと

10年超所有軽減税率の特例は確定申告を行う必要があります。

実際に譲渡所得税を計算する方法

譲渡所得税の計算方法は譲渡所得を出すには、まず取得費や売却費用を計算をしなければいけません。

まずは取得費を計算する

取得費は不動産を取得したときにかかった費用のことです

【取得費】

①土地や建物の不動産購入代金
②建築費
③購入時にかかった「登録免許税、不動産取得税、印紙税」などの税金
④不動産会社へ支払った仲介手数料
⑤測量費
⑥整地費・建物の取り壊し費用など
⑦設備費
⑧改良費

建物の取得費は減価償却後の価格になるので、購入したときと価格がちがいます。土地は減価償却を行わないため、購入代金が取得費になります。

次に売却費用を算出する

売却費用は売却のときにかかる費用のことです

【売却費用】

①不動産会社に支払った仲介手数料
②不動産売買契約書に貼る印紙税
③賃貸目的の不動産を売るため、貸している人に物件を明け渡してもらうために支払った立退料
④土地などを売るための建物の取壊し費用とその建物の損失額
⑤借地権を売るときに地主の承諾をもらうために支払った承諾料など
維持費や管理費など不動産の所有期間中にかかった費用は、売却に直接かかった費用ではないので、売却費用に含まれません。

譲渡所得を算出する

取得費と売却費用が出たら、譲渡所得を算出します。計算方法は以下のものです。
譲渡所得=譲渡収入-(取得費+売却費用)

建物は減価償却を行う必要があるので、計算をしなければいけません。その計算方法は

建物の取得費=建物の購入代金-減価償却費です。

建物の取得費を求める前に、減価償却費を求めなければいけません。減価償却費の計算方法

減価償却費=建物の購入代金×0.9×償却率×経過年数

償却率

構造 償却率
木造 0.031
軽量鉄筋 0.025
鉄筋コンクリート造 0.015

 

不動産売却益を算出し税率をかける

算出した譲渡所得の金額を用いて不動産売却益を出します。

・不動産売却益=譲渡所得-特別控除

不動産を売却する前に、売却益を知りたい場合は、無料査定サイトを使うと大体の譲渡価格がわかるので事前に売却益の概算ができます。

不動産売却益がわかったら、長期譲渡所得や短期譲渡所得など所有期間に応じた税率をかけます。

不動産の売却時期の考え方

不動産を売却する時期はとても大切です。所有している期間が長いと特別控除を受けられることもあります。しかし所有期間が長いと不動産の価値が下がってしまうこともあります。

特別控除額を考慮して考える

不動産譲渡益から一定額を差し引くことができる特別控除という制度があります

例えば、マイホームを売った場合3000万円の特別控除を受けられます。特別控除を受けて売却益がマイナスになれば、税率が下がる5年を待つ必要はありません。しかし3000万円の特別控除を受けるには、いくつかの要件があります。

  • 居住用として所有していた不動産であること
  • 居住しなくなった日から3年後の12月末までに売却すること
  • 単身赴任の場合は、家族が所有している不動産に住んでいること

そのほかにも特別控除はあります。それは「10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例」「特定の居住用財産の買換え特例」です。

【10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例】

所有している居住用の不動産が、10年超えの場合に受けられる特例です。要件は土地も建物の所有期間がともに10年超えであることです。

特定の居住用財産の買換え特例…新しくマイホームを購入したら受けられる特例です。所有していた不動産の期間が、売却した年の1月1日で10年超えている必要があります。さらに新しい不動産の建物が50平米以上、土地500平米以下であることが要件です。

不動産価格で考える

不動産を売却するとき、長期保有すれば税率は低くなりますが、不動産価格が下落してから売却しても手元に残るお金が減っては意味がありません。

長期譲渡にこだわり過ぎて高く売れる時期を逃さないように不動産価格も考慮して売却するタイミングを決めましょう

短期所有も長期所有も売却のときに損失が出れば、所得税も住民税もかかってきません。手元に少しでも多くのお金を残したいのであれば、税金のことを考えるのではなく、所有している不動産の価値を知ることが大切です。

また、所有している不動産の売却価格相場を知るには、一括査定サービスを利用すると便利です。一括査定サイトを利用して、複数社の不動産会社から査定額を提示してもらえることで、より詳しく相場がわかり、売却時の価格設定もスムーズになります。

売却成功の近道として一括査定サイトはとても便利なため、売却活動の準備の際には必ず利用することがおすすめです。

5年を超えると税率は下がるがこだわらないことも大事

不動産の売却のときに必ず税金はかかってきます。さらに売却利益が出た場合、譲渡所得税がかかります。

そのことをあらかじめ知っておくのは大切なことですが、所有期間が5年を超えると税率が下がることにこだわりすぎて、高く売れる時期を逃さないようにしましょう。

不動産売却で一番大切なことは、多くのお金を手元に残せるかどうかです。それには所有している不動産の価値を査定して把握し、売却益がいくらなのかを知ることが一番大切なことです。スムーズに売却活動を進めるために、一括査定サイト利用しましょう。