土地売却

土地を売る前に知りたい注意点20個!初めてでも損をしないために

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注意点を知らないで土地を売るのは損

「土地を売りたいけど不動産売買の経験がなくて不安」と言う人は少なくありません。不動産売買は売り手の知識やタイミング、売り方によって値段が変わるため、初めての人が注意点を知らないままで売ると、金額面を含めて損をしてしまうかもしれません。

ここでは、土地を売ってから税金を支払うまでの流れを4つのステップに分け、それぞれの段階で注意したいポイントを解説します。失敗しないための注意点はもちろん、税金面で損をしないための注意点についてもおさえて、土地売却を成功させましょう。

土地を売って税金を払うまでの流れ

土地を売る一連の流れは、大きく4つです。

  • 売る前の準備
  • 不動産会社を決めて売り始める
  • 買主と合意し引き渡し
  • 売った翌年の確定申告

まず「売る前の準備」では、土地をどうして売却するのか目的と理由を整理し、価格の相場を把握します。目的や理由がはっきりしていると、不動産会社の決定に惑わされず、自分の意思で物事を決めやすいのです。特に土地の所有者が複数いるときは、全員が納得する内容を決めておきます。

「不動産会社を決めて売り始める」段階までくると、より具体的にどんな売り方をして、いくらまでなら値引きをしても良いのかなど、詳しい契約を詰めていきます。

また購入者が実際に土地を見学にくるため、事前に草の手入れやゴミの除去など、手入れをしておくのもこの段階です。

「買主と合意し引き渡し」で最も重要なのは、購入希望者(買主)と売主であるあなたの間に、認識のずれがないよう条件をよく話し合うことです。その条件にお互いが納得出来たら、売買契約を結びます。そして引き渡しを追え、最終的に翌年に確定申告を行って、必要に応じ税金を納めます。

土地を売る準備段階での5つの注意点

土地を売る準備は、最終的に買主と上手に合意に至るために必要なものばかりです。準備不足で土地を売ると、損をする可能性も高まります。

土地を短期間で売ろうとしない

土地を売る際は、準備期間を含め少なくとも1年は余裕を持ちましょう。何故なら短期間だと、買手が見つからず、焦って不本意な値下げに繋がりやすいからです。流れに沿って期間の目安を上げると、次のようになります。

  • 売る前の準備:1~3ヵ月
  • 不動産会社を決めて売り始める:1~6ヵ月
  • 買主と合意し引き渡し:1~3ヵ月
  • 売った翌年の確定申告:1ヵ月

土地のローンが残っていないか確認

もし、土地を購入する際にローンを利用していた場合、完済を目指すことから始めましょう。何故ならローンが完済しない限り、土地の抵当権が外せないからです。抵当権とはローンを借りている金融機関が、万が一ローンが返せなくなった時にその土地を売って残高を回収できるという権利です。

注意点として、ローン返済が終わっていても、抵当権は自動的に外れません。家の持ち主が抵当権抹消登記を行います。完済後も抵当権が残っていると土地が売れないため、早めに確認しておきましょう。

土地の名義を自分のものにしているか

相続した土地の持ち主を変えるには、相続登記という手続きが必要です。これを行っていない場合、持ち主が相続したあなたではなく、元の持ち主のままになっていることがあります。必要な書類を揃えて自分で法務局に申請するか、司法書士に依頼しましょう。

測量をして正しい土地情報を登記に記載

土地の広さや地下に埋められた設備など、現在の状況については登記簿謄本に記載されています。しかし現状と異なる場合がよくあり、隣の土地との境界が曖昧なままだと、どんな建物が建てられるか分からなかったり、売却金額に大きな差が出たり、トラブルの元になりがちです。

こうしたトラブルを防ぐために、現在の状況が登記簿謄本上と異なる場合は、業者に「境界確定測量」を依頼し、土地の情報を確定しておく必要があります。費用の目安は35~45万円程度、期間も2ヵ月近くかかるため、測量が必要な場合は早めに取り掛かりましょう。

売る土地の相場を調べておく

土地の相場を知らないままだと、不動産会社の出す査定額の良し悪しも分からず、買主が欲しくなる様な売り出し価格をつけるのも難しくなります。

また交渉時に「いくらまでなら下げても良い」のか判断できず、安く買い叩かれる可能性があるのです。相場を調べる方法は、大きく分けて2つです。

  • 国が公表している実勢価格や公示価格を使う
  • 複数の不動産会社に一括査定を出す

実勢価格とは、実際に売買された似たような土地の取引事例を使って出した平均値です。一方、公示価格は国土交通省が提示する、全国の基準となる地点における地価であり、この2つは参考価格として国土交通省が提供する情報を自分で調べることができます。

不動産会社の査定額を利用する注意点として、高額すぎる場合は営業のための見せかけの査定額の可能性があります。公平性がある実勢価格や公示価格も合わせて調べておくと、安心です。

不動産会社を決めて売りに出すまでの5つの注意点

どの会社に依頼するか、どんな契約を結ぶかで、最終的な売却額や満足度に大きく差が付きます。失敗しないためにも、特に注意したいポイントです。

不動産会社は査定価格だけで選ばない

査定価格が高い会社が良い、とは限りません。不動産会社を探すには一括査定サイトを利用し、会社をある程度絞ることが大切です。

一括査定サイトを利用することで、所有している土地の売却相場を把握することができるだけでなく、近隣の不動産会社や大手など幅広い会社の実際の情報比較ができます。

印象の良かった会社に対し、さらに土地を実際に担当者の目で見てもらう訪問査定を依頼しましょう。周辺環境や土地の使い道など、査定額にプラスになるポイントもチェックしてもらえます。以下3点は、特に訪問査定の際に確認してほしいポイントです。

  • 土地を売るのを得意としているか
  • 納得できるまで説明をしてくれるか
  • 営業担当に実際に会った時に「信頼できそう」と感じられたか

まずは、一括査定を利用して自分の目的にあった不動産会社を選ぶことが、売却成功に近道です。

納得できる売り方の契約を選ぶ

不動産会社を絞ったら、媒介契約という不動産売買を仲介してもらう契約を結びます。しかし一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約の3種類があり、それぞれ特徴が異なります。

一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
有効契約期間 行政指導上は3ヵ月 3ヵ月 3ヵ月
自分で取引相手を見つける 問題なし、契約可能 問題なし、契約可能 してはいけない、契約できない
他の会社と契約する 契約可能 契約できない 契約できない
依頼主への報告義務 なし(依頼すれば可) 2週間に1回 1週間に1回
レインズへの登録義務 なし(依頼すれば可) 媒介契約締結日より7日以内 媒介契約締結日より5日以内

たとえば専任媒介契約や専属専任媒介契約なら、営業から活動報告をもらえるため売れ行きを把握でき、会社側も営業活動を積極的にしてくれる可能性が高いです。一般媒介契約だと報告義務などはありませんが、一方で様々な会社に依頼できるため多彩な売り方が期待できるでしょう。

提示された仲介手数料のまま契約しない

不動産会社へ支払う仲介手数料は、法律で上限が決められています。売却にかかる費用としては最も大きな金額であり、次の表にある計算式を使って算出します。

税込の売却価格 仲介手数料の上限の計算式
200万円以下 売却額×5%+消費税
200万円を超え400万円以下の金額 売却額×4%+消費税
400万円を超える金額 売却額×3%+消費税
3,000万円で売れた場合 3,000万円×3%+240万円=330万円

不動産会社の多くは上限で提示してくることが多いため、そのまま契約すると損をするかもしれません。値下げできないか交渉をしてみると、契約のために下げてくれるとこともあります。他の会社から提案された内容を提示しつつ、何故高いのか理由を聞いてみるのがおすすめです。

売りに出す価格は不動産会社と相談

売出価格は自分で自由につけることができますが、それだと高すぎたり、あるいは低すぎると警戒されたりして、売れない可能性があることは十分注意しておきましょう。調べた相場を基準に、値下げの可能性も考慮して、不動産会社としながら決めることが大切です。

広告の出し方を任せきりにしない

不動産会社は一定の広告を出してくれますが、不動産会社側からすれば土地を売る広告にできるだけ費用をかけずに顧客を探すと、仲介手数料の取り分が大きくなります。追加費用が発生しない範囲でさらに広告を出せる場合があるため、可能な範囲で広告を出してもらいましょう。

また自分の売る土地を欲しそうな人に届くように、どんな広告を出すのか見せてもらうことも大切です。

土地を引き渡すまでの7つの注意点

不動産会社と契約を結び、売り出し方の方向性が決まったら、実際の売却活動が始まります。買主の目線に立ちながら、引き渡すまでに取り組みたい注意点を知っておきましょう。

買主に見せるときは土地をキレイにしておく

売却活動が開始された後、買主が土地の状況を見にくることがあります。買主が現場を見に来ることは1回しかないことがほとんどです。しかしゴミが放置されていたり、雑草が生えていたり、見た目の印象が悪いと相手の減額交渉の理由になるため、注意しましょう。

価格交渉は値下げする幅を決めておく

買主には「できるだけ土地を安く買いたい」と考え、価格交渉を持ち掛けてくることがほとんどです。しかし減額交渉に応じすぎると損をしてしまいます。

値下げ幅の決め方は、たとえば「ローン返済のためこの価格以下は避けたい」など具体的な数値にしておくことで、交渉も進みやすくなります。

ローン特約で売買契約がなくなる

買主と売買契約を結べたとしても、時には契約が白紙になることがあります。たとえば買主が土地を買う時にローンを組む場合、審査に落ちると融資が受けられません。その場合、自己資金での支払いを迫ることになりますが、ローンを組む必要がある買主に要求するのは現実的ではありません。

そのため売買契約を結ぶ際は、ローン審査に落ちた場合は白紙解除する特約をつけます。つけないで契約を結ぶことも可能ですが、買主側のデメリットが大きくなるため契約が難しくなることは覚えておきましょう。

手付金をもらってからの契約解除は損

手付金は買主と売主双方が、キャンセルをするのを防いだり、売主側の費用負担を軽くする目的で買主側から支払われます。双方が同意した契約条件にもよりますが売主から契約解除するなら、手付金を2倍にして返さなければならないという契約を結ぶことが多いです。

手付金はなるべく支払える範囲になるよう安くしておき、より高く買ってくれる買主が万が一現れた際には契約できるようにしておくと良いでしょう。

瑕疵担保責任の期間を決めておく

瑕疵担保責任とは、地盤沈下など知らなかった土地の欠陥が売った後に見つかった際、売主側に求められる責任を言います。しかし責任追及できる期日を定めることができ、それ以降は責任を問われません。数か月から1年程度が目安となるため、不動産会社と相談したうえで買主に提案しましょう。

古い家付の土地なら保険を切っておく

解約を忘れていると、そのまま保険料を支払うことになります。反対に契約期間の途中で解除すれば、支払っていた保険金の一部が戻ってきます。特に相続した土地で、なおかつ古い家を建てたまま売却するようであれば、火災保険などを引き渡し日で解約できるようにしておくとよいでしょう。

土地が売れないなら不動産会社以外を利用

不動産会社に仲介してもらっても、売れない土地があるのは事実です。また仲介で売ると、売却目的によっては時間がかかりすぎることもあります。目的に応じた売り方にすることも、土地を売る際の失敗を回避するには重要です。仲介以外の売り方の内容やメリット、デメリットをまとめました。

売却先 内容 メリット デメリット
業者買取 買取専門の不動産会社に依頼する ・早いと3ヵ月程度ですべての手続きが終わる
・土地をすぐに現金化できる
仲介に比べると2~3割売却額が安い
オークション 不動産を扱うオークションへ出品する ・欲しい人同士で金額がつり上がる可能性がある
・仲介や買取では出会えない買主と巡り合える
・誰に売るのか選べない
・最低価格でしか売れない可能性がある
・確実に売れるとは限らない
個人 近しい人など、紹介で個人間で土地を売買する ・仲介手数料不要
・条件についてじっくり話せる
・誰に売るか信頼感がある
・専門家を挟まないため、知らないうちに違法な手続きをしてしまう可能性がある
・契約内容に関するトラブルが起きやすい

土地を売った後の確定申告の注意点は3つ

確定申告は「収入に応じた適切な税額を納める」ために行うものであり、利益が出た場合だけに限りません。土地をふくめ、不動産を売却した際に発生する所得を譲渡所得と言います。会社などに勤務して給与をもらっている人の場合、それら他の所得とは分離した上で税金が課税されます。

使える特別控除がないかをチェックする

不動産売却における特別控除は、節税や税負担軽減のために活用できます。ただしどんな土地売却でも使えるわけではないため、適応できる控除のみに限られます。間違った控除のための用意を進めないように、分からなかった場合は依頼した不動産会社や税務署に相談してみましょう。

適応できる状況 特別控除額
収用等(例:自治体などの公的な建設のために土地を提供した)により土地建物を譲渡した場合 5,000万円
マイホームごと、もしくはマイホームを取り壊したうえで使用していた土地を譲渡した場合 3,000万円
特定土地区画整理事業等のために土地を譲渡した場合 2,000万円
特定住宅地造成事業等のために土地を譲渡した場合 1,500万円
平成21年及び平成22年に取得した土地等を譲渡した場合 1,000万円
農地保有の合理化等のために農地等を譲渡した場合 800万円

土地を売って利益がでるなら支払う税金を確保

高く売れる可能性が高まったら、どのくらいの税額を負担することになるか、あらかじめ計算しておきましょう。計算する際には、実際に売却した金額からその土地を購入した時の費用や、仲介手数料など売る際にかかった手数料を差し引きます。

未納のまま経過すると追加徴税が発生するため、確定申告の際にきちんと計算して、適切な税額を納めることが得に繋がります。用いられる計算式は、次の通りです。

課税譲渡所得の計算 譲渡収入金額(売却額)-(取得費+譲渡費用)
税額計算 課税譲渡所得×税率(所得税・住民税)

税率は「土地を何年所有していたのか」によって異なります。基本は、長く所有している土地ほど税率が下がります

区分 短期譲渡所得 長期譲渡所得
所有期間 売った年の1月1日時点で5年未満 売った年の1月1日時点で5年経過 売った年の1月1日時点で10年経過
所得税 30.63% 15.315% 10.21%(課税譲渡所得6,000万円以下に対し) 15.315%
住民税 9% 5% 4%(課税譲渡所得6,000万円以下に対し) 5%
合計 39.63% 20.315% 14.21% 20.315%

利益が出なくても確定申告で税金を減らす

土地を売った金額が、買った時の金額より低く課税譲渡所得がない場合、法律上税金はかかりません。しかし確定申告をすることで、支払う税金を減らせる特例を使うことができます。それぞれの特例の概要について、簡単に知っておきましょう。

  • 取得費加算:相続した土地を売った時に相続税分を譲渡した費用から控除できる
  • 損益通算:赤字になった額を他の所得から差し引いて相殺できる
  • 繰越控除:赤字になった額を他の所得から差し引いてもまだ赤字だった場合、翌年の所得からも差し引いて相殺できる

制度名で見ると「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」、「居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」もしくは「特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」です。注意したいのは、これらの特例は確定申告が必須であるということです。

たとえばマイホームの土地を売却した際に500万円の赤字が発生し、給与収入が400万円だと全額相殺となり、確定申告をした年の前年度の源泉徴収額が還付されます。残り100万円の赤字は翌年に繰り越せます。

おすすめの一括査定サイト3選

サイト名 利用者数 対象エリア 提携会社数 同時依頼数
イエウール 1,000万人 全国 1,700社 6件
イエイ 400万人以上 全国 1,700社以上 6件
リビンマッチ 440万人 全国 1,400社 6件

イエウール:全国1,700社以上に対応

地方・地域密着型の中小規模不動産業者にも対応しているので、都市部以外に所在しているマンションや一戸建てなどの不動産を売却したい人におすすめです。

利用者数 1,000万人
対象エリア 全国
提携会社数 1,700社
同時依頼数 6社
取引件数 非公開
顧客満足度 98%
運営会社 株式会社Speee (Speee, Inc.)

サイト内では一戸建てや土地など、物件の種類別に売却手順の説明も掲載されています。しつこい勧誘があったなど、評判の悪い不動産会社は登録から外されているので安心です。

イエイ:お断り代行サービスを提供

大手不動産会社だけでなく、地域に密着した地方に強い不動産会社への査定も一括で依頼できます。

利用者数 400万人以上
対象エリア 全国
提携会社数 1,700社
同時依頼数 6件
取引件数 1,000件以上
顧客満足度 97%
運営会社 セカイエ株式会社

都心部だけでなく、地方の物件を売却したい人にもおすすめです。また、査定を依頼した不動産会社からの営業連絡を断りたい際に、代わりに断ってくれる「お断り代行」サービスがあるため、営業電話を断りにくい人におすすめです。

なお、依頼先の不動産会社は自分で選べる仕組みとなっています。

リビンマッチ:利用したいサイト第1位

都道府県別に、このサイトに登録している不動産会社の情報をあらかじめ調べることができ、その中から売却査定実績の多い不動産会社を選べることが特徴です。

利用者数 440万人
対象エリア 全国
提携会社数 1,400社
同時依頼数 6件
取引件数 14万件(年間)
顧客満足度 98%
運営会社 リビン・テクノロジーズ株式会社

全国展開しているような大手の不動産業者ではなく、どちらかと言えば地域に密着した中小規模の不動産会社の登録が多いので、相続などによる地方の不動産の売却を考えている人におすすめです。

土地を売る段階に合わせて注意点をチェック

土地を売る場合、手続きを順番にこなしつつ、その都度注意点をチェックすることが成功への近道です。しかし一人だけで頑張っても、手続きに見落としが発生するかもしれません。不動産会社に仲介を依頼する際に、信頼できる相手を選ぶことは、こうした見落としを事前に防ぐことにもつながるのです。

土地を売る段階の最初のステップは、複数の不動産会社へ一括査定を依頼し、価格やサービスをよく比較することです。一括査定サイトなら無料で、いつでも相談でき、さらにメールだけでのやり取りも可能です。特例の知識などを身につけながら、一括査定サイトを使って土地の売却への一歩を踏み出していきましょう。

また、一括査定サイトについて詳しく知りたい・比較したいという場合は下記の記事を参考にしてください。

参考:【2019年最新】不動産一括査定50サイトをジャンル別に比較!