マンション売却

中古マンションの売却の流れとできるだけ高く売るためのポイント

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人気の高い中古マンションを好条件で売却する

新築よりも価格が安く、リフォームすることで自分の好みの住まいに改装できる中古マンションは、若い世代を中心に人気が高まっています。そのため、新築のような築浅の中古マンションでなくても、売却するタイミングを見極め、高く売るためのポイントを押さえておけば、好条件で売却することも可能です。

この記事では、初めて中古マンションを売却する人のために、中古マンションの売却する流れから、売却する時期の見極め方、上手に売却するためのポイントまで詳しく説明します。

中古マンションが人気な理由

近年、都心にある新築マンションは価格が高騰していることもあり、かつては大人気だった新築マンションの売れ行きは急速に悪化し、その一方で、中古マンションは確実に販売戸数を増やしています。ここでは、中古マンションがなぜ人気がでてきたのか、その理由を紹介します。

価格の安さ

中古マンションの魅力は何と言っても価格の安さです。 確かに全て新しい新築のマンションは憧れですが、 住居は住めば必ず古くなっていくもの。新築というこだわりを捨てれば、同じような間取りのマンションでもかなり安く購入できます

また、中古マンションでもリフォームをすれば、新築マンションのようにすることができるので、あえてリフォームを前提に中古マンションを購入する人も増えてきています。中古マンションの価格については、首都圏の新築と築10年のマンションで平均価格を比較すると、新築マンション価格の約6割から9割弱の価格になっていて、その価格の差は都心や人気のエリアほど縮まり、郊外に行けば行くほど大きくなります。

選択肢が多く資産価値が下がりにくい

新築マンションと 中古マンションとでは、売りに出されている物件数も大きく異なります。例えば2016年度の新築の供給戸数は年間約4万戸程度だったのに対し、中古マンションの戸数は270万戸と6倍以上もありました。

中古マンションも視野にいれば、選択肢が広がり数多くの物件から自分の好みに合ったマンションを選ぶことできます。

また、供給戸数が多い分、好立地物件も見つけやすいので、生活と交通の利便性が高いエリアにマンションを購入すれば、資産価値も下がりにくくなります。一方、新築マンションは一定の利益を上乗せして販売するため、 購入した途端に資産価値は下がります。

中古マンションを売却する流れ

それでは、中古マンションを売却するときどのような流れで進められていくか確認していきましょう。事前に流れを把握しておけば、急な手続きに慌てることもありません。

まずスケジュールと売却目標金額を立てる

不動産は売れ残ればどんどん価格が下がり、最終的には市場の価格より安い価格で売却しなくてはならなくなることもあり得ます。

そのような状況にならないように、いつまでにどれくらいの価格で売却するか売却期限と売却目標金額を立てておきましょう。売却目標金額を決める方法については、一括査定サイトで相場や近隣の販売状況を調べるのがもっとも簡単な方法です。

不動産の売却方法を決める

不動産の売却方法には、「買取」「仲介」のふたつがあります。「買取」は不動産会社に直接買取ってもらうので、マンションをすぐに現金化できますが、仲介で売却するより価格が安くなり、だいたい市場価格の7割ほどの価格になります。

「仲介」で売却すれば、自分で価格を決められるので買取より高く売却できます。しかし、売却するまでに平均3ヶ月から6ヶ月かかり、最終的の売却できなこともあります。

簡単にまとめると、できるだけ早くマンションを売却して現金化したい人は「買取」できるだけ高い価格で売却したい人は「仲介」が おすすめです。

最終的にどちらの売却方法にするか決めるためには、それぞれの特徴をきちんと理解しておくことが必要です。「買取」と「仲介」の違いを表にまとめましたので、表を参考に自分合う売却方法を選びましょう。

買取 仲介
不動産の買い手 不動産会社 個人
売却完了までの目安の期間 1ヵ月程度 3~6カ月程度(売れない場合もある)
仲介手数料 なし あり(金額の目安:売却価格×3%+6万円+消費税)
瑕疵担保責任 なし あり
チラシやインターネット広告 不要 必要
内覧 必要ないので、近所の人に気づかれなくて済む あり
売却価格 仲介の場合より安い(仲介での売却価格の7割程度) 自分で設定できるので、買取より高くできる
売却までのスケジュール 立てやすい 立てにくい
資金計画 立てやすい 立てにくい

不動産の査定を依頼する

売却方法が決まったら不動産の査定を依頼します。査定額を出してもらえば、どのぐらいの価格でマンションが売れるか分かるだけでなく、売却益が出た場合に支払う譲渡所得税がどのぐらいになるかも知ることができます。(譲渡所得税はマンションの売却価格をもとに計算します。)

不動産の査定は、「不動産会社」「不動産鑑定士」に依頼します。不動産会社の査定方法は卓上査定もしくは訪問査定になり料金はかかりません

不動産鑑定士に依頼すればもっと正確な査定額を知ることができますが有料となり、その費用はマンションの場合、最低でも30万円くらいはかかるのでかなり高額です。

卓上査定 実際に不動産を見ずに、概要とデータをもとに簡易的に査定する
訪問査定 机上査定で使用した書類やデータを使用するのに加え、現地の状況も踏まえた上で査定価格を算出する
不動産鑑定士による査定 詳細な調査と高度な要因分析を行って査定する

一括査定サイトを利用すれば、もっと簡単に査定額が分かります。一括査定サイトは自宅にいながら一度の入力で複数の査定額を得られるサービスなので、面倒な手間が省け査定の相場も把握でき、マンションを高額で売却するための近道と言えます。

一括査定サイトの対応する不動産のタイプや地域はそれぞれ異なるため、自分に合う一括査定サイトを選ぶ必要があります。特に、地方や郊外のマンションを売却するのであれば、登録している不動産会社の数の多いサイトを選びましょう。

一括査定サイトは複数の不動産会社を比較できるので、不動産会社選びに大変便利ですが、査定額が必ずしも売却額になるとは限らないので注意しましょう。

まず、売却成功のために一括査定サイトを利用して、自分の目的にあった不動産会社を選びましょう。

売却に必要な書類を揃える

マンションを売却するためには、さまざまな書類が必要です。必要書類については、不動産会社の方が詳しく教えてくれるはずですが、揃えるのは自分なので必要となったときに慌てないように、事前に確認をし余裕を持って準備しておきましょう。マンションと戸建てでは必要書類が異なりまた、書類によっては有効期限があるので把握しておきましょう。

【不動産売却に必要な書類】
・本人確認の身分証明書
・住民票(発行から3カ月以内)
・実印 と印鑑証明書(発行から3カ月以内)
・土地建物登記済証 権利証または登記識別情報
・固定資産税・都市計画税納税通知書
・物件状況等報告書

【マンションの売却に必要な書類】
・マンションの管理規約や使用細則
・維持費関連書類

媒介契約を選ぶ

不動産会社に正式に売買の仲介を依頼することが決まったら、不動産業者と「媒介契約」を結びます。媒介契約を結ぶことで、仲介のサービス内容や仲介手数料などを明確にすることができます。

「媒介契約」の種類は「専属専任媒介」「専任媒介」「一般媒介」の3種類です。それぞれの違いについては表にまとめましたので、「今後どのように売却活動を進めていくか」などをしっかりと考慮して、自分にあった媒介契約を選びましょう

専属専任媒介契約 専任媒介契約 一般媒介契約
他社への重ねての仲介依頼 × ×
自ら探索した相手方との直接契約 ×
契約の有効期間 3カ月以内 3カ月以内 法令上の制限はない(行政の指導は3カ月以内)
指定流通機構への登録 媒介契約締結の日から5日以内 媒介契約締結の日から7日以内  法令上の義務はない(任意での登録可能)
業務処理状況の報告義務 1週間に1回以上 2週間に1回以上 法令上の義務はない(任意で報告を求めることは可能)

査定額から売り出し価格を決める

査定額はあくまでも「この価格なら売れる」という参考価格なので、最終的に売り出し価格を決めるのは売り主になります。できるだけ高く売りたいと思うのは当然ですが、あまりにも高い価格にすれば買い手が見つからない可能性もあるので、査定価格プラス5~15%ぐらいまでが適当でしょう。

また、不動産の売り出し価格を決める際にはいくつかポイントがありますので、それを参考に売り出し価格を考えてみてください。

【売り出し価格を決める時のポイント】

・値下げ交渉分も計算に入れる
マンションを売却する際に価格交渉は必ずあるものと考えておきましょう。売り出し価格を決める時は、交渉分を考慮して多少高めにしておきます。

・価格の数字を選ぶ 
安く見せるためには8や9を用いますが、売り出し価格の場合は逆に高く見える5000万円や3000万円にしておくと、価格交渉のときに値引きすることでお得感を出すことができます。

・経済の動向も考慮する 
不動産価格は経済と連動して変動します。景気の良いときは、不動産価格も値上がりするので、高めに設定しても売却できる可能性があります。

購入希望者の内覧

マンションは高額なので、チラシや広告だけを見て購入を決める人は殆どいません。マンションを売りに出したら、大抵は内覧者を迎え入れることになります。内覧件数はケースバイケースですが、5〜10件程度で成約できることが多いようです。

購入するか迷っている場合は、マンションの良さを知ってもらう絶好のチャンスですが、逆に印象が悪くて購入を考え直すケースもあります。ですから、内覧者の方にできるだけ良い印象を持ってもらうために、事前に準備は万全にしておきましょう。

【事前に行っておこくと】
・余計なものを片付け、部屋を清潔に保つ。
・玄関、水回りは特に臭いがこもりやすいので、消臭剤を置いたり観葉植物を置いたりしてニオイ対策をしておく。
・部屋が暗いと印象が良くないので、明るめの照明に変えておく。

契約しマンションを引き渡す

買主が見つかったら価格交渉をして売買契約を締結しますが、手続きはこれで終わりではありません。契約締結から決済までは1ヶ月半程ありますが、それまでに済ませておくことがあります。

・所有権移転登記 所有権移転登記申請手続は、売主と買主が共同で登記所(法務局等)に申請します。
・抵当権抹消手続き 住宅ローンなどで、物件に抵当権等が設定されている場合は、引き渡し前に金融機関に残りの債務をすべて完済することを伝え、法務局で抵当権抹消登記を申請を行います。
・公共料金の精算 電気、ガス、水道料金等公共料金の精算は物件の引き渡しまでに済ませておきます。

中古マンションを高額売却できるタイミングとは

マンションの価格が変動する要因はひとつではありません。そのため、マンションを高く売却するためには、さまざまな要因を考慮してタイミングを見極めることが重要です。ここでは、売却に適した時期をいくつか紹介します。

景気が良いとき

不動産価格は株価と連動するので、景気が良くなると株価が上がり不動産価格も上昇します。逆に不景気になると、不動産を手放す人が増えるのに買う人がいないので不動産価格は下落します。

住宅ローン金利が低いとき

不動産は高額なので、金利が1%違うだけでも支払う利息はかなり違ってきます。住宅ローンの金利が低ければ、人々の不動産を購入する意欲が高まるので、マンションの需要が増え買い手を見つけやすくなります

オリンピック開催する直前

2020年はオリンピックが開催されるので、オリンピック開催直前まで不動産価格は上昇することが予想されています。例えば、東京の湾岸エリアに建設された数多く大型タワーマンションは、オリンピック開催が決まってから不動産価格が約10%上がりました。しかし、この傾向は東京全体ではなく、駅近くやホテルのある繁華街など、観光客に需要があるエリアに限ります

マンションは築年数が6〜15年が売り時

新築マンションの値下がりは激しいですが、築6〜15年になると価格の下落が一旦落ち着き、さらに税率も「長期譲渡所得」で半分近く下がるので、この時期が最も売却に適している言えます。この時期を逃すと、マンション価格は急激に下がるのでご注意ください。

新生活が始まる前の2-3月

不動産価格は、経済の動向だけでなく季節でも変動します。日本の場合4月に新生活を始める人が多いので、その少し前の2-3月にかけて需要が高くなるので価格も高く設定できます。通常マンションの売却には3ヶ月から半年かかるので、この時期を狙ってマンションを売却したい場合は、逆算して夏には売却活動を始めると良いでしょう。

査定額が購入した価格より高いとき

マンション価格は年々下がりますが、市場の動向によっては購入した価格より高く売却できることもあります。つまり、査定金額が購入した価格より高ければ、マンションの売り時です。

中古マンションを売却しやすくするためのポイント

マンションの売却は、売却期間が長くなれば長くなるほど状況が難しくなるといわれています。そんな状況にならないように、ここでは、マンションをスムーズに売却するためのポイントを紹介します。

リフォームは基本的にやらない

中古マンションを「リフォーム前提」で購入する人が増えています。中には、リノベーションで内装のほとんど変えることを考えている人もいるので、マンションの1部をリフォームしたところであまり意味がありません。また、リフォーム費用は買主の意向に沿ったものでない限り、売り出し価格に上乗せできないケースがほとんどです。

築25年以上の場合は配管工事を行う

築25年を超えるマンションは、税制上の軽減措置や特別控除を受けられないので、買い手にとってかなり不利な物件です。できるだけ安心して購入してもらうためには、20年で寿命になる配管の工事は最低限行っておきましょう。

売れない場合は値下げも検討

ある程度の時期を過ぎても買い手が見つからない場合は、マンション価格が相場より高い可能性があるので、値下げも検討しましょう。

値下げの目安は、販売を開始してから3カ月で、値下げは少しずつするより、3カ月か半年に一度に大幅な値下げをしたほうが効果的です。

おすすめの一括査定サイト3選

サイト名 利用者数 対象エリア 提携会社数 同時依頼数
イエウール 1,000万人 全国 1,700社 6件
イエイ 400万人以上 全国 1,700社以上 6件
リビンマッチ 440万人 全国 1,400社 6件

イエウール:全国1,700社以上に対応

地方・地域密着型の中小規模不動産業者にも対応しているので、都市部以外に所在しているマンションや一戸建てなどの不動産を売却したい人におすすめです。

利用者数 1,000万人
対象エリア 全国
提携会社数 1,700社
同時依頼数 6社
取引件数 非公開
顧客満足度 98%
運営会社 株式会社Speee (Speee, Inc.)

サイト内では一戸建てや土地など、物件の種類別に売却手順の説明も掲載されています。しつこい勧誘があったなど、評判の悪い不動産会社は登録から外されているので安心です。

イエイ:お断り代行サービスを提供

大手不動産会社だけでなく、地域に密着した地方に強い不動産会社への査定も一括で依頼できます。

利用者数 400万人以上
対象エリア 全国
提携会社数 1,700社
同時依頼数 6件
取引件数 1,000件以上
顧客満足度 97%
運営会社 セカイエ株式会社

都心部だけでなく、地方の物件を売却したい人にもおすすめです。また、査定を依頼した不動産会社からの営業連絡を断りたい際に、代わりに断ってくれる「お断り代行」サービスがあるため、営業電話を断りにくい人におすすめです。

なお、依頼先の不動産会社は自分で選べる仕組みとなっています。

リビンマッチ:利用したいサイト第1位

都道府県別に、このサイトに登録している不動産会社の情報をあらかじめ調べることができ、その中から売却査定実績の多い不動産会社を選べることが特徴です。

利用者数 440万人
対象エリア 全国
提携会社数 1,400社
同時依頼数 6件
取引件数 14万件(年間)
顧客満足度 98%
運営会社 リビン・テクノロジーズ株式会社

全国展開しているような大手の不動産業者ではなく、どちらかと言えば地域に密着した中小規模の不動産会社の登録が多いので、相続などによる地方の不動産の売却を考えている人におすすめです。

中古マンションは人気があるが売却には工夫も必要

「中古マンションが人気」といっても売りに出される戸数も多いので、できるだけ好条件で速やかに売却するためには工夫も必要です。中古マンションの売却を考えているのであれば、ぜひこの記事で紹介したポイントを参考にしてください。

また、マンションの売却では不動産業者選びも重要になります。特に、初めて不動産を売却する場合は、信頼できる担当者がそばにいてくれれば心強いものです。不動産業者選びには、一度の情報入力で厳選された不動産業者が見つけられる「一括査定サイト」がおすすめです。

また、一括査定サイトについて詳しく知りたい・比較したいという場合は下記の記事を参考にしてください。

参考:【2019年最新】不動産一括査定50サイトをジャンル別に比較!