不動産売却の基礎知識

不動産売却の交渉ポイント|物件を高く売る方法について解説

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少しでも高くそして円滑に売却するための交渉術とは

「できるだけ不動産を高く売りたい」「売却時の価格交渉を円滑に進めたい」という人は、交渉術を知る必要があります。日頃の買い物では価格交渉することはほとんどありませんが、不動産売買においては、当たり前のように行われているものです。交渉術を身につけて、損のない売却を目指しましょう。

併せて、不動産をできる限り高く売るコツや、価格交渉以外にもするべきことについて解説します。不動産売買は高値の取引になりますので、少しでも利益が出るように、不動産売買に関する知識を深めておくことをおすすめします。本記事では、不動産売却の交渉ポイントを中心に徹底解説していきます。

不動産を少しでも高く売るためのポイント

不動産をできる限り高値で売る方法はいくつかあります。まずは、価格を設定する際、希望する売却価格よりも少し高めにしておくことです。また、値下げ交渉されたとき、必ず対応しなければいけないものではありませんので、状況を見極めて判断しましょう。優良な不動産業者との出会いも重要です。こうした不動産を少しでも高く売るためのポイントについて詳細を見ていきましょう。

あらかじめ値下げを考慮した価格設定をする

中古不動産の売買においては、価格交渉は当たり前のことです。たとえば、2,000万円で売り出したい際、何十万円、あるいは何百万円か値引き交渉されることがほとんど。そのため、希望売却価格よりも少し高めに価格を設定するようにしましょう。

手元に資金を残すように売却したい人は、ローンの残りや住み替える住宅の頭金、売却に関する費用の総額よりも上回るように価格設定します。値下げを考慮した価格設定にしないと、自分が損するだけの不動産売買になってしまいます。

値下げに応じるかは状況を見極めて判断する

購入希望者から価格を下げてほしいと交渉があっても、絶対に対応しなければならない決まりはありません。もし、相場よりも低い価格設定をしているのであれば、その旨を伝えることで、値下げせずに売買することも可能でしょう。

物件を売り出してからすぐに大きな値下げ交渉があった場合、ほかにも買い手が現れるかもしれないので、様子を見るようにしてください。1カ月程度経っても、購入希望者が出てこなかったときは、価格下落を検討してもよいでしょう。

しかし、価格を見直すといっても、いくら値下げすればいいのか迷う人も多いのではないでしょうか。値下げ金額が大きければもちろんインパクトはありますが、金額が大きくなりすぎると売れ残った物件だと思われてマイナスイメージになりかねません。そこで、こうしたことを勘案し、目安としては50万円程度から値下げを開始するケースが多いことを知っておいてください。

また、購入希望者の値下げ交渉に応じるかどうかを検討する際には、もう1つ注意しておきたいことがあります。それは、購入希望者が投資用不動産として考えているような場合、「高い利回りが期待できそうか」「利便性は優れているか」「管理やメンテナンスの状態はどうか」「時代の流れに合った設備や仕様になっているか」など、物件の収益性の観点から大幅な値下げ交渉をしてくるようなケースもあるということです

購入希望者が値下げする理由を全て教えてくれるとは限りませんが、仲介する不動産会社から聞いてもらったり、ご自身で購入希望者が求めていることを確認したりすることで、双方の利害が一致するかどうかを早期に見極め、噛み合わないような場合には値下げに応じないことも重要な判断のひとつになります。

売却まではゆとりをもって数か月の長期戦も覚悟する

不動産の売却は、高値だからこそ、円滑に進むとは限りません。そして、できる限り高く買ってもらうためには、たくさんの人に物件を見てもらう必要があります。つまり、長期戦は覚悟しておいたほうがよいです。

すぐに資金がほしいケースを除いて、売却を急いでしまうと、明らかに損しかない価格で売りに出してしまうこともあるでしょう。買い手の選定や価格交渉などを、じっくりと、そして、ゆとりをもって行うようにしてください。

一般的には、魅力的な物件であれば3ヶ月以内に成約することが多いですが、平均して3~6ヵ月ぐらいの期間は必要だと言われています。

いかに良い不動産屋に巡り合えるかが重要

不動産売買は、個人間でもやり取りすることが可能ですが、基本的には仲介業者を間に入れます。だからこそ、この業者選びは非常に重要です。買い手との交渉は業者の担当者が行い、信頼できる人や実績のある人でなければ、価格交渉がスムーズに進みません

業者選びのコツは、査定依頼する際できるだけ複数業者に対応してもらい、査定額を見てコミュニケーションした結果、どの担当者が優れているのか判断することです。一括査定サービスを利用すれば、無料で、さまざまな業者に査定依頼できるだけでなく、優良企業に出会える確率も高まります

また、複数業者で不動産の査定額を知るということは、相場を知ることにも繋がり、適正価格で販売するのに役立つほか、価格交渉においても指標を持つことになるので、一括査定サービスを利用するメリットは大きいといえるでしょう。

売主側が売却交渉の主導権を握るために

可能な限り値下げさせないように、交渉時に主導権を握るためには、どうすれば良いのでしょうか。まずは、焦りを見せないことが大切です。購入希望者側から価格を提示してもらうこともおすすめ。競合状態が作れるとなお良いです。こうした売主側が売却交渉の主導権を握る方法について、深く掘り下げていきます。

早く売りたいという焦りを見せない

すぐに売りたいという売主側の焦りを買い手に見せてしまうと、さらに値下げ交渉を続ける可能性があります。「早く手放したい物件ならば、もっと価格を落とせるはず」と買い手は思い、交渉が長引くかもしれません。

主導権を相手に握らせてしまえば、最終的には希望売却価格よりも低い金額で手放してしまうことが考えられます。自分が主導権を持つためには、余裕を見せるようにして全ての交渉に乗らないようにしましょう。

譲歩案を提示して成約に結びつける

たとえば、売出価格が4,970万円の物件に対し、購入希望者から4,800万円で申し込みがあったと仮定します。このような場合には、170万円ほど値下げすることに応じるかどうかと考えがちですが、双方の間をとって4,900万円と譲歩案を提示することによって、成約に至るケースも多いことを知っておいてください。

価格交渉とは、購入希望者の要求を受け入れるかどうかの二択だけではなく、譲歩案を提示することで主導権を握る方法もあるのです。

より多くの買主候補で競合状態なら値下げは不要

そもそも好立地且つ適正価格で販売される物件であれば、購入希望者は集中する傾向があります。売ることを焦らずとも、購入希望者が複数人現れることは珍しくありません。そうした場合、競合状態になり、売主は売出価格を値下げすることなく交渉を進めることができ、主導権がある状態といえるでしょう。

交渉する際は、買主のローン審査が通らず売れないリスクを回避するために、申し込みの順に販売することを伝え、審査待ちの状態であることを強調するのも効果的です。

価格交渉と合わせてやっておくべき交渉とは

不動産の売却価格以外にも、引渡し日、各種条件、仲介手数料の交渉は必要です。これを怠ってしまうと、無駄な出費が多くなってしまうリスクもあります。それぞれどういった内容を交渉すれば良いのか詳しく見ていきましょう。

買主との引き渡し日の交渉

物件の引き渡し日の交渉は、それぞれの希望日が合わない時に対応することです。条件面の交渉を通すためには、価格交渉と同時に行うことをおすすめします。単に不動産を売るだけであれば、引き渡し期日はそれほど気になりませんが、住み替えなどを行う際は、非常に重要な交渉内容のひとつです。

買主との備品や処分品の交渉

物件の設備はそのままにしておくのか、それとも付けたままにするのか交渉することも大切です。また、処分することになった際、買い手と売り手、どちらがその費用を負担するのかも話し合っておきましょう。付けたままの備品が壊れていた際の費用負担も相談して下さい。無駄な出費を抑えるためにも、こうした細かい内容の交渉は欠かせません。

不動産屋の仲介手数料のシミュレーションと交渉

仲介業者に売買を依頼した際、契約後、仲介手数料が発生します。この費用や支払期日をあらかじめ聞いておきましょう。仲介手数料は、上限が法律で決められているものの、下限は定められていません。だからこそ、交渉して安くすることが可能です。

売買価格が200万円以下、200万円超えの400万円以下、400万円超えという3種類それぞれで手数料の上限が異なります。400万円超えのケースがもっとも多く、手数料は3%+60,000円です。なお、売買価格には消費税が含まれず、報酬額には消費税が加算されます。仲介会社によっては、手数料が半額や無料の時もありますので、必ず事前に確認しておきましょう。

400万円超えのケースを例に挙げ、ここでは売買価格を4,000万円と仮定し、仲介手数料の計算式の事例を以下に紹介します。

仲介手数料 = 4,000万円 × 3.24% + 64,800円 = 136万800円

おすすめの一括査定サイト3選

サイト名 利用者数 対象エリア 提携会社数 同時依頼数
イエウール 1,000万人 全国 1,700社 6件
イエイ 400万人以上 全国 1,700社以上 6件
リビンマッチ 440万人 全国 1,400社 6件

イエウール:全国1,700社以上に対応

地方・地域密着型の中小規模不動産業者にも対応しているので、都市部以外に所在しているマンションや一戸建てなどの不動産を売却したい人におすすめです。

利用者数 1,000万人
対象エリア 全国
提携会社数 1,700社
同時依頼数 6社
取引件数 非公開
顧客満足度 98%
運営会社 株式会社Speee (Speee, Inc.)

サイト内では一戸建てや土地など、物件の種類別に売却手順の説明も掲載されています。しつこい勧誘があったなど、評判の悪い不動産会社は登録から外されているので安心です。

イエイ:お断り代行サービスを提供

大手不動産会社だけでなく、地域に密着した地方に強い不動産会社への査定も一括で依頼できます。

利用者数 400万人以上
対象エリア 全国
提携会社数 1,700社
同時依頼数 6件
取引件数 1,000件以上
顧客満足度 97%
運営会社 セカイエ株式会社

都心部だけでなく、地方の物件を売却したい人にもおすすめです。また、査定を依頼した不動産会社からの営業連絡を断りたい際に、代わりに断ってくれる「お断り代行」サービスがあるため、営業電話を断りにくい人におすすめです。

なお、依頼先の不動産会社は自分で選べる仕組みとなっています。

リビンマッチ:利用したいサイト第1位

都道府県別に、このサイトに登録している不動産会社の情報をあらかじめ調べることができ、その中から売却査定実績の多い不動産会社を選べることが特徴です。

利用者数 440万人
対象エリア 全国
提携会社数 1,400社
同時依頼数 6件
取引件数 14万件(年間)
顧客満足度 98%
運営会社 リビン・テクノロジーズ株式会社

全国展開しているような大手の不動産業者ではなく、どちらかと言えば地域に密着した中小規模の不動産会社の登録が多いので、相続などによる地方の不動産の売却を考えている人におすすめです。

売却交渉のコツを知り売り時を見極めよう

不動産を少しでも高く売るためには、値下げを考慮した価格設定を行い、値下げは、状況に応じて判断するようにしましょう。そして、焦ることなく時間をかけることもおすすめ。交渉を行うのは業者の役割ですので、業者選びもとても大切です。

売却交渉の主導権を握るためには、買い手に希望価格を提示してもらい、競合状態を作れるとよいでしょう。そうすれば交渉は有利になり、希望売却価格よりも高値で手放せるかもしれません。また、相手に早く売りたいという気持ちを悟られないようにすることも重要です。

価格以外にも、引き渡し日や備品、処分品について買主と交渉し、業者に対しては仲介手数料を交渉してください。不動産によっては売却が円滑に進まないこともありますが、根気よく向き合い、交渉術を身につければ、成功させることができます。

また、一括査定サイトについて詳しく知りたい・比較したいという場合は下記の記事を参考にしてください。

参考:【2019年最新】不動産一括査定50サイトをジャンル別に比較!