不動産売却にかかる6つの税金を計算!確定申告の控除で節税しよう

不動産の売却で支払う税金は計算できる

不動産を売却する場合、支払う税金がどのくらいになるかとても気になりますよね。「税金なんて難しそう」と思ってしまうかもしれませんが、計算式さえわかれば誰でも簡単に計算をすることができます。また、特別控除を受けることで支払う税金を減らすことも可能です。この記事では、課税の条件、税金の計算式、特別控除について詳しく説明します。

すぐに計算できる3つの税金

不動産を売却する際には「印紙税」「登録免許税」は必ず支払うことになり、仲介手数料や住宅ローン手数料などには「消費税」がかかります。これらの税金の計算は、計算式がシンプルなのでとても簡単です。

不動産売買契約書の作成に必要な印紙税

印紙税法では課税文書に対して、印紙税が課税されることが定められています。不動産売買契約書にも印紙税が必要で、売買契約書に印紙を貼り納税します。印紙税の額は不動産売買契約書に記載されている金額によって異なりますが、平成32年3月31日まで10万円を越える場合軽減措置が適用されます。

例えば契約金が1,000万円の場合は平成32年3月31日までは、5,000円になります。

契約金額 本則税率  軽減税率
10万円を超え50万円以下 400円 200円
50万円を超え100万円以下  1,000円 500円
100万円を超え 500万円以下 2,000円 1,000円
500万円を超え1,000万円以下 1万円 5,000円
1,000円を超え5,000万円以下 2万円 1万円
5,000万円を超え1億円以下   6万円  3万円
1億円を超え5億円以下 10万円  6万円

引用元:国税庁 不動産売買契約書の印紙税の軽減措置

契約金額が10万円以下なら無料で、5,000万円を超えると急に印紙税が上がるので、注意してください。

不動産の名義変更で登録免許税

登録免許税とは、不動産の名義変更するときに国に支払う税金です。支払いは売主と買主が協力して支払うと決められており、登記で利益を得る方が支払うことが慣例となっています。

不動産売却で売主が支払う登記は、ローンが残っているときに必要になる抵当権抹消登記です。抵当権は金融機関がローンの支払いが止まった時に、住んでいる人より優先して不動産を競売などで弁済できる権利で、末梢をしておかないと買主が安心できません。

抵当権抹消登記での登記免許税は、「1,000円/不動産1個」で計算されます。土地と建物はそれぞれ1個とカウントされるので、1戸建ての住居なら2,000円が支払う税金です。マンションの売却には注意が必要で、敷地を複数の土地として分割している場合があるのです。分割されている数だけ登記免許税が高くなります。

課税対象に注意する消費税

不動産売却にはさまざまな費用がかかりますが、その費用には消費税が課税されるものとされないものがあります。消費税のかかる費用については下記の表を参考にしてください。計算は、通常消費税を支払っているときと同様に、対象金額に8%(将来は10%)を掛けた金額が消費税になります。

課税されるもの 非課税になるもの
不動産会社への仲介手数料

住宅ローンの手数料

登記書類作成代行の司法書士への報酬

土地

個人が売却する建物

登記免許税

印紙税

非課税になっているものは、元から税金であったり、消費するものではないと判断されたりするものが含まれています。

不動産売却の利益にかかる3つの税金を計算

不動産を売却して売却益(譲渡所得)が出た場合は、譲渡所得税所得税住民税)が課税されます。また、2013年~2035年までは復興特別所得税が上乗せされます。ここでは、具体的にそれぞれの税金を計算する方法をご紹介します。

最初に譲渡所得を計算

それでは支払う税金を知るため。譲渡所得から計算しましょう。譲渡所得の計算式は

譲渡所得=譲渡価格-(取得費+譲渡費用)

取得費は下記の2つの内、金額が大きいほうが計算に使われます

  • 売却する不動産の購入代金と諸費用を足したものから、建物の減価償却を引いた金額
  • 譲渡価格×5%
取得費となるもの
(1) 土地や建物を購入(贈与、相続又は遺贈による取得も含みます。)したときに納めた登録免許税(登記費用も含みます。)、不動産取得税、特別土地保有税(取得分)、印紙税
なお、業務の用に供される資産の場合には、これらの税金は取得費に含まれません。
(2) 借主がいる土地や建物を購入するときに、借主を立ち退かせるために支払った立退料
(3) 土地の埋立てや土盛り、地ならしをするために支払った造成費用
(4) 土地の取得に際して支払った土地の測量費
(5) 所有権などを確保するために要した訴訟費用
これは、例えば所有者について争いのある土地を購入した後、紛争を解決して土地を自分のものにした場合に、それまでにかかった訴訟費用のことをいいます。
なお、相続財産である土地を遺産分割するためにかかった訴訟費用等は、取得費になりません。
(6) 建物付の土地を購入して、その後おおむね1年以内に建物を取り壊すなど、当初から土地の利用が目的であったと認められる場合の建物の購入代金や取壊しの費用
(7) 土地や建物を購入するために借り入れた資金の利子のうち、その土地や建物を実際に使用開始する日までの期間に対応する部分の利子
(8) 既に締結されている土地などの購入契約を解除して、他の物件を取得することとした場合に支出する違約金

引用元:国税庁 取得費となるもの

また、土地や建物の購入時期がかなり前で取得費用が不明な場合や、実際かかった取得費用が収入金額の5%以下の場合は、購入金額の5%を取得費とすることができます。

譲渡費用とは不動産売却にかかった費用のことで、譲渡費用に含まれるものは下記のとおりです。

譲渡費用になるもの
(1) 土地や建物を売るために支払った仲介手数料
(2) 印紙税で売主が負担したもの
(3) 貸家を売るため、借家人に家屋を明け渡してもらうときに支払う立退料
(4) 土地などを売るためにその上の建物を取り壊したときの取壊し費用とその建物の損失額
(5) 既に売買契約を締結している資産を更に有利な条件で売るために支払った違約金
これは、土地などを売る契約をした後、その土地などをより高い価額で他に売却するために既契約者との契約解除に伴い支出した違約金のことです。
(6) 借地権を売るときに地主の承諾をもらうために支払った名義書換料など

引用元:国税庁 譲渡費用となるもの

保有年数で税率が変わる所得税と住民税

譲渡所得の計算が終わったら、譲渡所得税を求めていきます。

譲渡所得税=(譲渡所得ー特別控除)×税率(所得税と住民税)

税率は不動産の保有期間によって「短期譲渡所得」と「長期譲渡所得」に分けられ税率も異なります。税率は下記のとおりですが、「土地ころがし」のような転売を繰り返して不動産価格を吊り上げ不当に利益をあげる行為を防ぐ対策として「短期譲渡所得」の税率の方が2倍近く高くなっています。

短期譲渡所得 長期譲渡所得
期間 5年以下 5年超
所得税 30% 15%
住民税 9% 5%

特別控除については後の「節税の疑問」の項目で紹介します。

税率は一定の復興特別所得税

2013年から2035年までは所得税に復興特別所得税(税率2.1%)が上乗せされます。復興特別所得税の税率は一律で所有期間は関係ありません。復興特別所得税の計算式は下記のとおりです。

復興特別所得税=(譲渡所得×所得税)×2.1%

売却で利益が出た時に支払う税金=譲渡所得税+復興特別所得税

税金の計算は「所得税+住民税+復興特別所得税」ではないことに注意をしてください。実際に支払う所得税、住民税、復興特別所得税を足した合計金額は、課税譲渡所得に下記の税率を掛ければ簡単に算出できます。

短期譲渡所得 長期譲渡所得
期間 5年以下 5年超
所得税 30.63% 15.315%
住民税 9% 5%
合計 39.63% 20.315%

確定申告で支払う税金をシミュレーション

具体的に税金をシミュレーションするため、不動産売却をしたときの条件を以下のように仮定します。

  • 3,000万円でマイホームを売却できた
  • 9年前に購入したけれど、取得費の詳細は覚えていない
  • 売却価格より印紙代は1万円
  • 印紙税や仲介手数料以外にかかった諸費用20万円

譲渡所得=売却価格ー(取得費+仲介手数料+印紙代+諸費用)

2,725.32万円=3,000万円ー(150万円+103.68万円+1万円+20万円)

所得税=譲渡所得×15%=408.798万円

住民税=譲渡所得×5%=136.266万円

復興特別所得税=所得税×2.1%=8.585万円

確定申告で収める税金=所得税+住民税+復興特別所得税=553.649万円

不動産売却の税金でよくある節税の疑問

シミュレーション結果を見ると、不動産売却で利益が出ても税金で手元に残るお金は激減してしまいます。ここでは不動産売却でよくある税金の疑問と解決策を紹介するので、節税対策で利益を最大限残すための参考にしてください。

節税をして税金の支払いはなくせる?

不動産売却で節税対策は可能ですが、印紙税と登録免許税、消費税はそのまま支払う必要があります。所得税、住民税、復興特別所得税は税金対策をすれば、税額を減らすことができます。納める税金を減らすために一番有効なのは、特別控除を受けることです。不動産売却した場合、さまざまな控除が受けられます。不動産売却で受けられる主な特別控除は下記のとおりです。

特別控除の種類
(1) 公共事業などのために土地建物を売った場合の5,000万円の特別控除の特例
(2) マイホーム(居住用財産)を売った場合の3,000万円の特別控除の特例
(3) 特定土地区画整理事業などのために土地を売った場合の2,000万円の特別控除の特例
(4) 特定住宅地造成事業などのために土地を売った場合の1,500万円の特別控除の特例
(5) 平成21年及び平成22年に取得した国内にある土地を譲渡した場合の1,000万円の特別控除の特例
(6) 農地保有の合理化などのために土地を売った場合の800万円の特別控除の特例

引用元:国税庁 譲渡所得の特別控除の種類

特別控除が適用できれば、控除金額以下の譲渡所得なら確定申告で納める税金は0円になります。100万円単位で節税ができるからチェックをしてください。

また、マイホームの所有期間が10年以上の場合は、所得税と住民税に軽減税率の特例が用意されています。3,000万円の特別控除の特例を適用した後の課税長期譲渡所得金額に対して、下記の税率になります。

課税長期譲渡所得金額 所得税 住民税
6,000万円までの部分 10%  4%
6,000万円を超える部分 15% 5%

引用元:国税庁 土地や建物を売ったとき

相続した不動産の売却で税金は変わる?

相続した不動産を売却した場合は、「取得費の特例」が受けられます。相続税額のうち一定金額を譲渡資産の取得費に加算することができるので、

譲渡所得=譲渡価格-(取得費+譲渡費用+売却する不動産の相続税)

で税金を計算することになります。

取得費の特例の適用条件
  1. 相続や遺贈により財産を取得した者であること。
  2. その財産を取得した人に相続税が課税されていること。
  3. その財産を、相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡していること。

引用元:国税庁 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例

相続した不動産は3年以内に売却すると、税金の支払いを減らすことが可能です

一括査定を使えば不動産売却で得をする

ここまで不動産売却の税金の計算や、節税方法について紹介してきました。では実際に不動産売却をした時に、どうすれば一番手元にお金を残せるのでしょうか。おすすめは一括査定を使って不動産会社を決めることです。一括査定を使うメリットをここでは紹介します。

高い譲渡価格で不動産売却ができる

不動産の売却は1社だけに査定を依頼したのでは、査定額が妥当か判断できません。複数社に査定を依頼すると、100万円以上査定額に差がでることも珍しくありません。一括査定なら不動産の簡単な情報を入力するだけなので、仕事の休憩時間でも複数社に査定依頼を出すことができます。

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優良な不動産会社だから税金の計算まで相談可能

一括査定に登録されている不動産会社は、それぞれの独自基準で悪徳会社を排除しています。不動産売却では、税金も考慮した売却プランを検討してくれるから、確定申告が終わって後悔することはないでしょう。

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不動産売却は税金を計算して節税対策をしよう

保有期間や税率、特別控除を考慮しないで高く不動産を売却しようとしても、思うように利益はあげられません。後になって「もっと税金について調べておくべきだった」と後悔しないように、不動産売却と同時進行で節税対策に取り組むことが大切です。また税額の概算に必要な譲渡価格は、一括査定サイトを活用しましょう。一度の情報入力で複数の査定額がわかり、優良な不動産会社が見つかります。