不動産売却時の見積もりについて知っておきたい事を幅広く解説

不動産の見積もりをどこに依頼するべきか悩んでいませんか

不動産売却を考え始めたら、見積もりを依頼するにあたってどのように進めれば良いのか悩む方も多いのではないでしょうか。

不動産会社に見積もりを依頼する際には、押さえておきたいポイントが幾つかあります。例えば、相場を自分で事前に調べ、査定額が妥当か判断できるようになってから、不動産会社に見積もりを依頼することが必要です。

今回は、不動産を売却する際の見積もり依頼の方法だけではなく、事前に相場を調べる方法や、見積もりの際に必要な書類、不動産会社の見極め方まで、見積もり依頼に際して知っておきたいポイントを全て解説します。

不動産の相場を自分で調べる方法

まずは、見積もりを依頼する前に、売却したい不動産の相場を調べる方法からご紹介します。

不動産の大方の相場をあらかじめ把握しておくことで、相場より安く売却して損をしてしまうことを防ぎます。また、媒介契約を取りたいがために、相場よりも不自然に高い査定価格を提示してくる悪徳な不動産仲介会社に気づくこともできます。

以下に紹介する方法は、インターネットがあれば、すぐに相場を調べることができる方法です。

公的な価格指標を参考にする

日本には、不動産価格を知るための公的な価格指標があります。地価公示価格、基準地価格、路線価の3つです。これらの指標を参考にすることで、相場を把握することができます。

  • 地価公示価格:国土交通省が管轄しており、価値が決めにくい不動産の価格に、一定の指標を持たせることを目的としている。毎年1月1日時点の標準地1㎡の価格を3月ごろに公表
  • 基準地価格:地下公示価格同様、不動産価格に一定の基準を設けること、公共用地の適正価格の算出のために毎年7月1日時点の価格が9月に公表される。都道府県が管轄しており、地下公示価格と発表時期や標準地をずらすことで互いに補完しあう。
  • 路線価:主要な道路に面した標準的な宅地の1㎡あたりの評価額。国税庁が発表する、固定資産税や贈与税の計算基準となる相続税路線価と、各市町村から発表される固定資産税・都市計画税の参考となる固定資産税ロセカの2種類がある。路線価は、公示価格の7〜8割程度の評価となる。
指標 管轄 特徴 公表時期 標準地
地価公示価格 国土交通省 公共用地の適正価格算出、不動産価格に一定の基準を与えるため役割 3月ごろ 全国で2万3千箇所以上
基準地価格 都道府県 公表時期や調査地点をずらし、地下公示価格と互いに補完しあう 9月ごろ 全国で2万箇所以上
路線価 国税庁・各市町村 主要な道路の面した1㎡あたりの評価額 7月ごろ 全国32万箇所以上

 

過去に取引された不動産の価格情報を利用する

不動産相場は、基準となる指標を参考にする以外にも、過去の取引実績から把握することが可能です。過去の不動産の取引実績は、土地総合情報システムや、レインズマーケットを参考に確認することができます。

・土地総合情報システム:過去に実際に取引された不動産価格が検索できるサイトです。国土交通省が不動産購入を行った人から取ったアンケートを基に情報が作成されています。

【参照リンク:土地総合情報システム

・レインズマーケットインフォメーション:地域別に、過去の売買が成立した不動産の価格などが確認できます。国土交通大臣が指定した団体が運営するサイトです。

【参照リンク:レインズマーケットインフォメーション

売却したい不動産と似た条件の不動産を同じエリアで探し、どれくらいの価格でやりとりされているか確認します。不動産の相場には時期によって波がありますので、できるだけ直近の取引実績を参考にした方が良いでしょう。

不動産の相場を調べる方法

・公的な価格指標を参考にする

・過去に取引された不動産の価格情報を利用する

・購入者向けの物件サイトを閲覧する

・不動産一括査定サイトを利用する

購入者向けの物件サイトを閲覧する

各不動産会社が運営をする不動産購入者向けの検索情報サイトからも、相場情報を得ることが可能です。

現在売り出し中の不動産の中から、自分が売却したい不動産の条件に近いものを探し、おおよその価格を確認しましょう。確認できるのは実際に取引が成立する前の売り出し価格なので、その点だけ考慮が必要ですが、相場観を掴むことには問題ありません。

不動産一括査定サイトを利用する

これまでご紹介した方法は、過去の事例や基準指標からおおよその不動産相場を確認する方法でしたが、実際に自分の物件を、インターネットで簡易査定してしまうという方法もあります。

実際に簡易査定で見積もりを知る場合には、不動産一括査定サイトを利用することがお勧めです。不動産一括査定サイトでは、ネット上で不動産情報を入力するだけで、複数の不動産会社から無料で簡易査定の結果を受け取ることが可能です。

不動産の一括査定サービスとは

不動産の相場をインターネット上で簡易査定できるサービスです。ここでは一括査定サービスのメリット、デメリットを紹介します!

利用料金は基本的に無料

一括査定サイトで無料で見積もりをもらう際、基本的に料金はかかりません。

不動産一括サイトは多いもので1,000社以上の不動産会社と提携をしており、これらの提携不動産会社から広告料や紹介料を得ています。そのため、不動産の売却を考えている個人の利用者側には一切お金がかからない仕組みになっています。

複数社の査定が一括でできることがメリット

不動産会社によって、不動産の見積もり価格や顧客への対応スタンスも様々です。不動産売却の際に複数社から査定を受け取るメリットは、比較検討をすることでより良い不動産会社と出会うことができる点です。

査定額だけではなく、信頼感のある不動産会社かどうか、担当者に営業力がありそうかなどを、複数社で比較検討することで、自分にあった良い不動産業社を選ぶことができます。

魅力的な不動産であるほど営業が多いのがデメリット

一括査定には、もちろんメリットがあれば、デメリットもあります。

不動産一括サイトに登録している不動産会社は、不動産を売却する顧客を探しています。売却したい不動産が築浅であったりや立地面などの条件が良く、スムーズに売却できると判断された場合、一括査定を依頼した複数の不動産会社から熱心な営業を受けてしまうことがあります

条件が良い不動産であればあるほど、営業を受けやすくなってしまう点は、人によってデメリットと感じる場合もあるでしょう。

不動産会社が行う見積もり査定の方法

不動産会社が不動産の価格の見積もりを行う場合、主に2つの方法があります。

大まかな査定額が算出できる机上査定

机上査定は手軽に査定額が算出できることから、簡易査定とも呼ばれます。物件であれば、立地や築年数、間取りなどの情報を、過去の不動産取引事例と照らし合わせて査定額を算出します。

先ほどご紹介した、不動産の一括査定サイトで得られる見積もりも、机上査定に分類されます。不動産会社のサイトからも、物件情報と必要情報を入力することで、査定額を受け取ることができます。

簡単に査定ができて、査定を受けたからといって、必ずしも売却を行わなくてはいけないわけではありませんので、売却を悩んでいる人にもおすすめです。

より詳細な査定額がわかる訪問査定

もう一つの査定方法は、訪問査定です。訪問査定は、不動産会社の担当者が実際に不動産を目で見て査定額を割り出します。机上査定だけではわからない、周辺環境や実際の不動産の状態を見た上で精度の高い査定見積もりを出してもらうことが可能です。

訪問査定は、担当者との日程調整や、実際に訪問してもらう時間を捻出しなければならない点などから、手間や時間もかかるため、不動産の売却の意思がある程度固まっている人におすすめです。

査定方法 こんな人におすすめ
机上査定(簡易査定) ・売却を急いでいない場合や、まずは査定額を見てみたい場合

・机上査定の結果から、訪問査定を依頼する不動産会社を見比べたい場合

訪問査定 ・売却の意思が固まっていて、次のステップに早く進みたい場合

・正確な査定結果がほしい場合(築年数の割に状態が良く評価してほしい場合など)

 

見積もり依頼をしてもらう時に準備しておく書類

不動産の見積もり受ける際、簡易査定の場合は、必ずしも必要な書類はありません。しかし、訪問査定を受ける場合や、簡易査定でもスムーズに見積もりを出してもらいたい場合には、以下の書類を準備しておきましょう。

<査定を受ける際に準備しておきたい書類>

  • 登記簿謄本
  • マンション購入の際のパンフレットなど
  • リフォーム履歴がわかる書類

査定の際には、面積や築年数などの不動産に関する基本的なデータが必要です。登記簿謄本が準備できればベストですが、マンションであれば購入時のパンフレットや書類があれば、登記簿謄本がなくても居住部分の面積などの情報がわかります。

また、リフォームを行った場合は、リフォーム履歴がわかる書類を準備しておきましょう。

見積もり時に不動産会社が重視すること

不動産会社はどんなポイントから見積もり価格を判断しているのでしょうか。見積もりを依頼するにあたって、不動産会社が査定時に重視しているポイントを把握しておくことが大切です。

築年数や間取りなどの不動産自体の価値

不動産の価格見積もりの際は、築年数や広さや間取り、劣化状況など、その物件そのものの価値がまず最初に確認されます。

建物は経年月とともに劣化していくものなので、一般的には築年数が古いと価値が下がっていきます。また、間取りが時代にあっていてニーズが多く使いやすいものかどうかや、水周りの劣化状況も重要なポイントです。さらに、建物そのもののグレードも査定額に影響を及ぼします。

周辺環境などの立地条件

建物そのものの状態に加え、不動産の価値は立地がとても大切です。

昔からの高級住宅街ににある不動産は、築年数が古くとも価格が下りにくいですし、複数の路線が乗り入れるターミナル駅を最寄りとする物件も評価が高くなります。また、場所だけでなく、駅から近いまたは直結の物件も、近年は人気が高く高い査定がつくことが多いです。

さらに、病院や学校が近くにあるか、徒歩圏内のスーパーの有無など、生活環境の便利さも査定に影響します。

各社の営業スタンスも影響

不動産会社から査定を受け取った際、その価格で売却ができると思いがちですが、実際には査定価格は必ずしもその価格で売却できるという指標ではありません。査定価格はあくまでも、売却価格を決める際に参考にする価格であり、不動産会社がその価格以上で売却を約束するものではないのです。

不動産会社が査定価格をつける際、不動産会社の営業スタンスによっても差が出るので、注意が必要です。

例えば、売主との媒介契約を獲得するために、最初は高めに見積もり額を提示する会社もあります。こういった場合、思うように売れなけらば、どんどん売却価格を下げるように言われることもあるので注意が必要です。逆に、売却活動が長期化することを嫌い、査定額を低めに提示している不動産会社も存在します。

このように、査定価格の決め方は、不動産会社によってスタンスが異なることも覚えておいた方が良いでしょう。

見積もり査定を依頼する不動産会社の選び方

世の中には多数の不動産仲介会社が存在します。自分の不動産があるエリアに絞っても、多くの不動産会社があり、どの不動産会社に見積もり査定を依頼するか悩んでしまいます。

そこで、ここからは、見積もり査定を依頼する不動産会社の選びかたを考えていきたいと思います。

自分の希望の不動産にマッチしているか

ほとんどの不動産会社は、得意分野を持っています。買い替えが得意、マンションの実績が多い、特定の路線に強い、任意売却専門など、不動産会社によって特色があります。

そのため、複数の不動産会社に査定を依頼すると、数百万円ほど査定金額が変わることがあります。これは不動産会社が、得意な領域の方が正確に査定額を出せるのに対して、実績が少ない領域の場合には控えめな査定価格を設定していることがあるからです。

不動産査定を依頼する場合には、自分が売りたい不動産が得意な会社を選ぶことが重要です。

インターネット広告のサイトと提携している

不動産会社に仲介を依頼すると、売却したい物件の広告が掲載されることになります。この広告の手段は不動産会社によって様々で、インターネット広告、チラシ、見込み顧客への紹介、レインズへの登録などがあります。

この広告の方法として、レインズへの登録やインターネット広告サイトとの提携が特に重要です。近年は多くの人がインターネットを経由して、不動産情報を集めています。
スムーズに不動産を売却するために、インターネット広告のサイトと連携しているかどうかを必ず確認するようにしてください。

過去に行政処分歴がない

悪徳な不動産会社を選ばないために、その不動産会社の概要や過去の行政処分歴をチェックすることができます。

国土交通省のネガティブ情報検索サイトでは、過去の行政処分歴を確認することが可能です。また、宅地建物取引業者名簿を調べることができれば、こちらにも行政処分歴が掲載されています。宅地建物取引業者名簿は国土交通省の地方整備局などで確認ができます。

見積もりを依頼したい不動産会社について、安心できる業者かどうか調べたい場合には、こういったサイトを利用して事前に確認してみましょう。

見積もり額を提示された時に聞いておきたい事

実際に見積もり額を提示してもらった際、不動産会社に質問しておきたいポイントが幾つかあります。

納得した見積もり査定を受けた上で売却を行うために、以下の内容を不動産会社に確認してみましょう。

近隣ではどのような物件が売りに出されているか

査定の担当者に、近隣の物件状況について訪ねてみましょう。見積もりを出す際に、近隣の物件情報をきちんと把握した上で算出しているかを確かめることができます。

近隣で売り出されている物件は、自分の物件の売却活動をが始まった際にライバルとなる物件です。近隣のライバル物件についてきちんと調査をし、真剣に売却を手伝ってくれそうな不動産会社が確認しておきたいところです。また、併せてそのエリアに強い不動産会社かどうかも確認することができます。

査定額の根拠は何か

査定額について、どのようにしてその価格になったのか、詳細な根拠を聞いてみましょう。

仮に高い見積り価格を提示していても、先ほどご紹介したように媒介契約を取りたいがために高い価格をつけている場合もあります。根拠が曖昧で、誠実に説明をしてくれない不動産会社であるなら、注意が必要です。

根拠を聞いた時に、その理由に納得感があるか考えてみましょう。

エリアのアピールポイントについて

エリアのアピールポイントについて質問をしてみると、営業担当の知識や、営業力を確かめることができます。

不動産売却にとってエリアはとても重要なポイントです。一方で、営業担当によって知識の差が激しいポイントでもあります。そのエリアの特徴について熟知していて、経験豊富な営業マンかどうかをチェックしてみましょう。

売却を成功させるには不動産会社の見極めが重要

不動産売却の際の見積もり査定について、知っておきたい情報を幅広くご紹介しました。

見積もり依頼を経て、実際に依頼をする不動産会社を決定する際には、見積もり額の高さや、仲介手数料の安さといったわかりやすい魅力だけではなく、情報を総合して信頼できる会社かどうかで判断することをお勧めします。
その不動産会社の実績や担当者の態度、質問への答え方などから、信用できる不動産会社を見極めることが大事です。

不動産売却を検討し始めた際には、手始めにネットで相場感を調べることや、気軽に依頼できる不動産一括査定サービスを利用しておおよその相場を把握しておくと良いです。