不動産売却の悩みを整理して専門家に相談しよう
皆さんは、不動産売却についてどのような悩みを抱えていますか?一口に不動産売却の悩みと言っても、例えば「買い替えで少しでも高く不動産を売却したい」「相続した家が空き家になっているので早く売却したい」「信頼して頼れる不動産会社が見つからない」など、様々なケースが考えられます。また、不動産売却を少しでも確実に行うために、それぞれ悩みに合った相談先が存在します。
基本的には、不動産会社に相談することで様々な問題が解決することは多いと思いますが、状況によっては相談先を変える必要があるかも知れません。不動産会社にも選び方が存在するので、いろいろな状況を考えつつ適切な相談先を選びましょう。
専門性のある難しい分野だからこそ、得意な専門家に相談すればスピーディー且つ的確な回答が得られるはずです。そして、相談したいことが複数あるような場合には、下記の表を参考しながら、いまあなたが不動産売却でどのような悩みを抱えており、何を相談したいのか、どこに相談するのが良さそうかなど、まずはひとつひとつ整理してみることも大切です。
不動産売却の悩みごとに合った相談先

相談内容 | 相談先 |
不動産の査定や仲介手数料について知りたい(他にも不動産全般) | 不動産会社、不動産鑑定士 |
確定申告や税金について知りたい | 税理士 |
登記や権利関係について知りたい | 司法書士 |
相続した土地などの測量をしたい | 土地家屋鑑定士 |
表の相談内容は、不動産売却におけるよくある一般的な相談内容と相談先です。これが全てではありませんが、何でもかんでも不動産会社に相談するのではなく、相談する相手を変えることでより専門的な内容を説明してくれますし、相談内容の解決もしくは、解決するための手助けをしてくれることでしょう。
以下、表にある相談内容を例に挙げ、それぞれを詳しく説明していきます。
不動産の査定や仲介手数料については不動産会社
不動産の査定について知りたい場合には、不動産会社に相談すると良いです。相談する不動産会社に心当たりがなければ、売却する地元の不動産会社に交渉するか、ネットで不動産物件を無料で一括査定してくれる便利なサイトで簡易査定を受けることができます。そうした中で、各社の査定額を参考にしながら売却したい物件の相場を知り、売却を依頼できそうな不動産会社を数社見つけましょう。
特定の不動産会に絞り込んだら、不動産の現地調査となる訪問査定をしてもらい、その後は不動産会社と相談しながら売却の準備に入ります。
また、他の方法としては、費用が別途掛かりますが、不動産の査定を不動産鑑定士(国家資格)が在籍する不動産鑑定事務所に依頼するのも1つです。不動産鑑定士に依頼した場合の費用は、更地で10~15万円程度、建物と土地で5~20万円程度、マンションで15~20万円程度が目安となります。
そして不動産売却時の仲介手数料については、一般的には「仲介手数料 = 売買価格×3.24%+6万4800円(※消費税8%で計算)」になりますが、この仲介手数料は不動産会社に交渉すれば値引きできる場合もあるので、相談もしくは交渉することで具体的な金額が見えてくるでしょう。
このほか、所有権の移転方法、購入希望者に対する効果的な内覧方法、瑕疵担保責任、売却に関する必要書類や契約書など、不動産の全般に関して疑問がある場合には、不動産会社が相談窓口として該当します。仮に不動産会社が直接対応できないような場合でも、疑問を解消するための手引きをしてくれるはずです。
確定申告や税金については税理士
不動産を売却した場合には年度末の確定申告が必要になります。不動産の売却は人生で何度も行うことではないので、税理士に依頼するとスムーズにいきます。税理士に依頼した場合には案件によって異なりますが、5万~8万円程度の報酬を支払うことが必要です。
税理士については確定申告などが得意なタイプと、相続が得意なタイプの両方が居ます。ホームページで確認することができるので、不動産売却の場合には確定申告が得意な税理士を選ぶと良いでしょう。
登記や権利関係は司法書士
土地売却の際には所有権移転登記や抵当権抹消登記が必要になるケースがあります。その場合には司法書士に依頼すると手続きを簡単に進めることができます。売買契約書などの専門的な知識も豊富なので、買い手と相談して一括で依頼すると良いでしょう。
司法書士の報酬は、取り引きの金額によってかなり変わります。買い手が銀行の住宅ローンを受ける際には買い手側は必ず司法書士の手続きが必要になるケースがあるので、これは買い手側と相談して司法書士を決めても良いです。
ちなみに、不動産の権利書は、法務局で発行された不動産の所有者を証明する書類になりますが、平成17年の法改正で「登記識別情報」という名称に変わっています。
もしも権利書が紛失してしまったような場合、登記を代行する司法書士が「正規の所有者であること」を確認したうえで、それを司法書士の名前で証明すると不動産の移転登記が可能となり、売却を進めることができるようになります。
相続した土地の測量は家屋調査士
相続した土地などは境界や広さが解らないこともあるでしょう。土地の正確な大きさを知るために土地家屋調査士に測量を依頼する必要がでてきます。隣接する土地との境界が解らない場合になどは隣家との調整も行ってくれるので、土地の広さを知りたいだけでなく、境界が不明確な場合にも利用してみましょう。
どのような項目を依頼するかによって報酬も変わりますが、2万~数十万で請け負ってくれます。後々のトラブル予防に繋がりますので、隣家との境界が不明瞭な場合には利用してみましょう。
不動産売却の相談をする不動産会社の選び方

次に、不動産売却において一番多くの相談先になる不動産会社の選び方を見てみましょう。
会社ごとのメリットに合わせて選ぶ
不動産会社の種類 | メリット |
大手不動産会社 | ・買い手を探しやすい
・保証などが充実している ・信頼性が高い |
中小不動産会社 | ・大手にない販路や物件を扱っている
・地元の情報に強い ・担当者の裁量の幅が大きいことが多い |
不動産会社には大きく分けて大手と中小の2種類があり、それぞれ違ったメリットが存在します。不動産会社は規模などにとらわれることなく信用できる会社を選択することが大事なポイントです。
ただ入り口として解らない場合には、いくつかの不動産会社を回ってみて、良い対応をしてくれそうな会社を選ぶと良いでしょう。大手のところと地元の不動産会社を1社ずつは話を聞いてみるべきです。売る不動産によっては、得意不得意が存在するので、しっかりと話を聞いて、実績などを確認してから売却の相談をしましょう。
免許番号や行政処分情報の確認を行う
不動産会社が掲げている免許(宅地建物取引免許証)の()の中に記されている数字は、免許の更新回数を表しています。したがって、その()の中の数字が(1)なら4年未満の営業年数になります。5年ごとに更新し、その度に()内の数字が増えていくので、その数字が大きければ大きいほど長い年数営業している会社です。
またインターネットでは不動産会社に対する行政処分情報を公開しています。念のためその業者が過去に違反や処分を受けていないかを確認しておくことをおすすめします。したがって1度目の来店は免許番号の確認と、店内の明るさなどを見る感じで良いでしょう。
心から信頼できる担当者がいる
不動産の売却は不動産会社の特に担当者と二人三脚で行っていくものです。したがって心から信頼できる担当者がいる不動産会社を選ぶことが大事です。信頼できる担当者選びの基準としては、査定額の根拠がしっかりと説明できることや不動産に関する情報を細かくヒアリングしてくれること、こちらの状況をつぶさに聞いて最適な売却プランを提示できることなどあります。
心から信頼できて何でも不動産のことに関して相談できる担当者を見つけるとより良い売却への近道です。
不動産売却で損をしないためのポイント

不動産売却で損をしないためのポイントを取り上げてみます。
不動産売却を成功させるためには、あなた自身が不動産の相場を知っておく必要があります。不動産会社に査定を依頼すると査定額が提示されますが、その査定額と相場が大きくずれていないか、販売価格を設定するに妥当性があるかなど、査定額と相場を比較して判断しなければなりません。
では、どうやって相場を知れば良いのでしょうか。不動産の相場を知る方法は、いろいろな方法がありますが、ここでは「不動産の一括査定サイト」「レインズマーケットインフォメーション」「土地総合情報システム」の3つを取り上げてみます。こうした不動産の相場を知るための事前調査をしておくだけでも、売却活動を有利に運ぶことができます。
「不動産の一括査定サイト」
不動産一括査定サイトは、複数の不動産会社に一括で査定価格を算出してもらえるWEBサービスです。不動産会社へ1件1件問い合わせしても構いませんが、不動産一括査定を使えば複数社にまとめて査定依頼を出すことができるので大変便利です。
ここでは大手の不動産会社が登録しているサイトや、不動産会社の登録数が多い人気のサイトを3つ挙げてみます。
①大手6社のすまいValue
不動産会社の大手である小田急不動産、住友不動産販売、東急リバブル、野村不動産アーバンネット、三井不動産リアルティ、三菱地所ハウスネットで運営されている「すまいValue」。大都市が中心となりますが、年間の制約件数10万件以上あり、マンション、一戸建て、土地などが査定可能です。
②1,700社以上掲載のイエウール
大手から中小企業まで、不動産会社の登録数は約1,700社以上。最大で6社まで同時に査定依頼できるサイトで、分譲マンション、一戸建て、土地、一棟マンション・アパート・ビル、店舗・工場・倉庫、農地などの査定が可能となり、使いやすさにも定評があります。
③NTTグループが運営するHOME4U
「HOME4U」は、2001年に開始した日本で初めての一括査定サービスで、NTTデータグループが運営しているサイトです。サイトには、約1,300社以上の不動産会社が登録しており、査定できる不動産の種類も多いのが特徴です。
「レインズマーケットインフォメーション」
「レインズマーケットインフォメーション」は、不動産取引価格情報が閲覧できる便利なサイトです。直近で一年間に売買された不動産の価格情報が検索することができ、過去2年間における市場動向がグラフ表示されるので、成約した価格の推移を知ることが可能です。
「土地総合情報システム」
「土地総合情報システム」は、国土交通省が運営するサイトとなり、不動産取引を実際に行った人のアンケート結果をデータベース化しており、土地に関する取引価格の情報を誰でも確認することができます。
査定した後は査定書をもらうようにする
不動産一括査定サイトを利用した場合、物件所在地、専有面積、間取り、建築年、所有者との関係などの情報を提供し、査定方法として訪問査定もしくは机上査定が選択できます。いずれの方法であっても、査定した後に査定書が提出されます。この際、物件を取り扱いしたいために担当者から色々な営業トークがあるかもしれませんが、売却前の査定で金額を言われた場合には、口約束ではなく、しっかりと査定書を貰うようにしましょう。
書面に残ることで、買い手との交渉でも、値切りされることが少なくなります。ある程度は不動産会社の裁量に任せることが大事ですが、必要以上に金額を妥協する必要はありません。その場合には別の不動産会社をあたるようにすると良いです。
売却時は契約書の内容をしっかり確認する
売却時には契約書の内容をしっかりと確認するようにしましょう。不動産売却では売買代金や手付金の金額、所有権移転の方法、引き渡し時期などがトラブルになるようです。また契約違反による解除も確認しておかないといけません。瑕疵担保責任の有無や、買い手側のローンが組めなかったなどによる契約不履行もしっかりと事前に確認することが必要です。
不動産の取り引きは大きな金額になり、それによるトラブルも多岐に渡ります。可能な限り契約書に記載するようにし、不動産会社を交えながらしっかりと買い手側と確認しておくことが大事です。少しでも損をしないために金額などは綿密にしつこいぐらい確認しておくと良いでしょう。
もちろん不動産会社の担当者がしっかりしていれば、このような細かいことまで手をまわしてくれますが、契約書に関しては人任せにしない方が良いです。
おすすめの一括査定サイト3選
サイト名 | 利用者数 | 対象エリア | 提携会社数 | 同時依頼数 |
イエウール | 1,000万人 | 全国 | 1,700社 | 6件 |
イエイ | 400万人以上 | 全国 | 1,700社以上 | 6件 |
リビンマッチ | 440万人 | 全国 | 1,400社 | 6件 |
イエウール:全国1,700社以上に対応
地方・地域密着型の中小規模不動産業者にも対応しているので、都市部以外に所在しているマンションや一戸建てなどの不動産を売却したい人におすすめです。
利用者数 | 1,000万人 |
対象エリア | 全国 |
提携会社数 | 1,700社 |
同時依頼数 | 6社 |
取引件数 | 非公開 |
顧客満足度 | 98% |
運営会社 | 株式会社Speee (Speee, Inc.) |
サイト内では一戸建てや土地など、物件の種類別に売却手順の説明も掲載されています。しつこい勧誘があったなど、評判の悪い不動産会社は登録から外されているので安心です。
イエイ:お断り代行サービスを提供
大手不動産会社だけでなく、地域に密着した地方に強い不動産会社への査定も一括で依頼できます。
利用者数 | 400万人以上 |
対象エリア | 全国 |
提携会社数 | 1,700社 |
同時依頼数 | 6件 |
取引件数 | 1,000件以上 |
顧客満足度 | 97% |
運営会社 | セカイエ株式会社 |
都心部だけでなく、地方の物件を売却したい人にもおすすめです。また、査定を依頼した不動産会社からの営業連絡を断りたい際に、代わりに断ってくれる「お断り代行」サービスがあるため、営業電話を断りにくい人におすすめです。
なお、依頼先の不動産会社は自分で選べる仕組みとなっています。
リビンマッチ:利用したいサイト第1位
都道府県別に、このサイトに登録している不動産会社の情報をあらかじめ調べることができ、その中から売却査定実績の多い不動産会社を選べることが特徴です。
利用者数 | 440万人 |
対象エリア | 全国 |
提携会社数 | 1,400社 |
同時依頼数 | 6件 |
取引件数 | 14万件(年間) |
顧客満足度 | 98% |
運営会社 | リビン・テクノロジーズ株式会社 |
全国展開しているような大手の不動産業者ではなく、どちらかと言えば地域に密着した中小規模の不動産会社の登録が多いので、相続などによる地方の不動産の売却を考えている人におすすめです。
入念な下調べで不動産売却を成功させよう

不動産売却を成功させるには入念な下調べをして、良い不動産会社と担当者に出会うことが大事です。言い換えれば、不動産に関する知識を高め、自分でも判断基準を持つことが大切です。
急いで売却しなければならないような場合でも、焦らずに不動産会社などからいろいろな話を聞いてみて、納得できる相手を探してみましょう。悩みによっては、不動産会社以外に相談することも必要です。
不動産会社選びについてはなるべく妥協することなく、自分でしっかりと足を運んで話を聞いて選ぶことが大事です。大きな取り引きになる不動産売却で失敗しないために、確認しておくことはしっかりと確認し、入念な準備をしておきましょう。
また、一括査定サイトについて詳しく知りたい・比較したいという場合は下記の記事を参考にしてください。
参考:【2019年最新】不動産一括査定50サイトをジャンル別に比較!