まずはどんな土地活用をしたいかのビジョンを
土地を相続などによって取得した場合、その土地をどう活用していくべきか、悩む方も多いのではないでしょうか。また土地などの不動産を取得・保有・売却することにより、税金が発生します。
その際、それぞれ土地活用の目的によって相談先を見つけなければなりません。まずは安心して土地活用を行うために、どのような相談先に依頼すればよいのか目的別に解説します。このほか各相談先のメリットやデメリットも紹介します。これらの情報を知ることで、自分に合った最適な相談先が見つかるかもしれません。
土地活用の相談先
相続によって新たに土地を取得した場合、その土地をどうすればいいのか迷ってしまう所です。ここでは土地を相続した際、状況に応じて、さまざまな相談先がありますのでご紹介いたします。
状況 | Yes | No |
土地活用について具体的な考えがある | ファイナンシャルプランナー | 不動産業者か税理士 |
土地活用のお金に対して相談したい | 税理士や信託銀行 | ー |
土地活用の具体的な方法を知りたい | 不動産業者 | ー |
さらに相談先の内容について詳しく知るために、各相談先ごとに詳しく解説していきますので、自分に合う最適な方法を探してみましょう。
お金のプランの専門家ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナーとは、お金に関するプランについて相談できる「専門家」のことです。また、相談できる範囲は幅広く、日頃の家計管理のほか土地活用や資産運用・保険など多岐に渡ります。このファイナンシャルプランナーの多くは銀行や保険会社、証券会社など、さまざまな場所で活躍しています。
すでに決めている土地の活用方法が、自分に合っているのかを見極めたいのであれば、ファイナンシャルプランナーに相談することがおすすめです。もしも賃貸物件などをその土地で運用した場合、本当に収支バランスが適しているのか、第三者の目線でしっかりとアドバイスしてくれます。まずは土地活用に失敗しないためにも、資産運用に特化したファイナンシャルプランナーに相談してみましょう。
資本や信頼性が高い信託銀行
信託銀行は預金業務や為替及び貸付業務のほか、個人や企業に代わって財産管理や土地活用などの運用を行ってくれるのが特徴です。もしも土地の活用方法について具体的な方針が決まっておらず、相談から始めてみたいのであれば、信託銀行がおすすめです。通常、賃貸経営や商業施設などを建築する際、資金面の部分が不安材料となる場合があります。しかし信託銀行に依頼することで、資金運用を銀行が行ってくれるというメリットがあります。
個人が土地を活用して、収入を得ることは容易ではありません。その反面、信託銀行は経験が豊富で利益を出す方法に精通していることから、依頼することで収入を得る可能性が高まります。土地を上手く活用するためにも、信託銀行を利用することを選択肢の一つとして視野に入れておきましょう。
固定資産税の支払いに悩むなら税理士
土地を相続することで相続税以外にも固定資産税などの税金が発生します。税金面からどのように処理すれば有利になるのか教えてもらいたい場合、税理士に相談するのが最適です。特に、相続した土地を効率よく活用していくよりも少しでも税金の負担を減らしたいと考えているのであれば、税のプロフェッショナルでもある税理士に相談することがおすすめです。
具体的な活用方法を提案してくれる不動産業者
土地を相続した場合、有効に活用したいと考えているにも関わらず、どうすれば良いのか分からないことから、せっかく相続した土地を何年も放置してしまうというケースも少なくありません。このような場合、具体的な活用方法を提案してくれるのが「不動産業者」です。
不動産業者の特徴として、駐車場経営やトランクルームなどの提案のほか、保育園や老人ホームの建設などの提案を持ちかける場合もあります。また、土地活用に関する人材のコネクションに強いこともメリットと言えるでしょう。さらにインターネットを利用することで無料相談ができるほか、複数の業者に一括見積もりの依頼が可能です。まずは資料請求から始めることで、相続した土地を有効利用できる方法について調べてみましょう。
アパート経営を考えているならハウスメーカー
ハウスメーカーとは日本全国の広範囲で展開している、住宅建設会社のことをいいます。なかでも不動産投資としてメジャーな会社が多く、大東建託やレオパレス21・積水ハウス・東建コーポレーション・長谷工などがあります。とくに土地活用の目的として、アパート経営を考えているのであれば、ハウスメーカーがおすすめです。
ハウスメーカーは顧客及び自社の双方が収益を上げるためのプランのほか、さまざまなノウハウを保有しているのが特徴です。さらに集客力があることから、空き室を補償してもらえたり、修繕費用を無償でサポートしてくれる施工会社もあります。もしも自分で管理していくのが難しいなら、賃貸の専門家でもある「ハウスメーカー」を利用することを視野に入れておきましょう。
土地自体が特殊なら工務店
一般的に土地の活用が難しい変形地や、土地面積が狭い・入り組んだ袋小路の奥に土地があるなどといった、土地自体に特殊な条件があるのであれば、工務店に相談するのがおすすめです。たとえばハウスメーカーの場合、決まりきった規格の中でしか建物を建てることができません。
その点、工務店なら設計の構造や外観はもちろん、住まいのコンセプトや外構まで、自由な建築に対応してくれるというメリットがあります。もしも相続した土地が、このような条件に当てはまるのであれば、まずは工務店にプラン請求することがおすすめです。
各相談先のメリットとデメリット
土地を活用する用途によって、おすすめの相談先が異なるほか、それぞれ各相談先を選択した場合のメリット・デメリットについて紹介します。
相談先 | メリット | デメリット |
ファイナンシャルプランナー | お金の運用に詳しい | 土地活用に関する知識に詳しくないケースがある |
信託銀行 | 土地活用に詳しい | 期間中は土地を処分できない |
税理士 | 税金対策に強い | 土地の有効利用については弱い |
不動産業者 | 無料相談が可能 | 建物の建築に弱い |
ハウスメーカー | 収益やアフターフォローがしっかりしている | 初期費用がかかるほか、災害のリスクがある |
工務店 | 地域密着型で地場に強い | 工期が遅くなる場合がある |
このほか、各相談先によって得意・不得意な特徴についても合わせて解説します。
お金のプランの専門家ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナーの特徴として、お金に詳しいという強みがあります。たとえば、不動産投資や賃貸経営などの土地活用を考えている場合、ファイナンシャルプランナーに相談することで、より的確なアドバイスが得られることでしょう。
しかしデメリットとして、ファイナンシャルプランナーによっては、土地活用に関する知識に詳しくないケースもあるので、注意が必要です。もしも土地活用の相談をする場合、不動産業者など土地活用に詳しい、ファイナンシャルプランナーに相談したほうがよいかもしれません。
資本や信頼性が高い信託銀行
信託銀行は豊富な資金力があることから、安心して任せられるというメリットがあります。また土地活用に関する経験値やノウハウがあるほか、コストやリスク・手間が小さいのが特徴です。
しかし信託銀行に相談した場合、高い確率でセールスを受ける可能性があります。さらに土地信託の仕組みとして、契約中は土地の名義が信託銀行になることから、期間中はその土地を売却するなどの処分ができません。このほか、収入面のリターンが少ないなどのデメリットがあります。
固定資産税の支払いに悩むなら税理士
土地を相続した場合、毎年固定資産税を支払わなければなりません。しかし固定資産税の支払いにお悩みであれば、税理士に相談されててみてはいかがでしょうか。税理士を活用するメリットとして、「税金の負担をどのようにすれば減らすことができるのか」という点を重視してくれ、税金対策に繋がることが挙げられます。
ただし、あくまでも税金に関することの相談がメインとなりますので、土地の有効利用に関しては知識が乏しいことから、あまり期待できません。もしも土地の活用について知りたいのであれば、ほかの相談先を探しましょう。
オールマイティな相談ができる不動産業者
不動産業者を利用した場合、インターネットを利用することで、有効な土地活用の無料相談を受けることができるというメリットがあります。また不動産業者は、企業や専門家の知り合いが多く、不動産に関して多くの情報を持っていることから、入居者を紹介してもらえるほか、賃貸経営に関するアドバイスが得られます。
しかし不動産業者は、販売に関してはオールマイティーではあるものの、いざ建物を建てるとなった場合、建築に特化したハウスメーカーや工務店には劣りますので、注意が必要です。
アパート経営を考えているならハウスメーカー
すでに土地の活用方法として、アパート経営を考えているのであれば、ハウスメーカーがおすすめです。ハウスメーカーのメリットとして、収益を上げるためのプランや不動産に関するノウハウを持っているという強みがあります。また施工後のアフターフォローがしっかりしているので、安心して任せることができるのが特徴です。
反対に土地活用方法として、オーナー自身がアパート経営や賃貸にするといったビジョンを持っていなければ、必ずしも成功するとは限りません。また初期費用がかかることや、空室により収入が得られないほか、災害などのリスクに備えておく必要があります。
土地自体が特殊なら工務店
相続した土地が活用しづらいという事情があるとしたら、ハウスメーカーよりも工務店に依頼しましょう。工務店の場合、地域密着型ということもあり、地場の動きに敏感なことや、細かい注文に対しても融通が利きやすいというメリットがあります。しかし、会社が小さいことから信用面で不安になることや、融資先の提携銀行が少ない、自由設計のため工期が遅くなる可能性は否定できません。また建築に使用する部品の質が悪い場合もありますので、信頼できる工務店を探すことをおすすめします。
おすすめの一括査定サイト3選
サイト名 | 利用者数 | 対象エリア | 提携会社数 | 同時依頼数 |
イエウール | 1,000万人 | 全国 | 1,700社 | 6件 |
イエイ | 400万人以上 | 全国 | 1,700社以上 | 6件 |
リビンマッチ | 440万人 | 全国 | 1,400社 | 6件 |
イエウール:全国1,700社以上に対応
地方・地域密着型の中小規模不動産業者にも対応しているので、都市部以外に所在しているマンションや一戸建てなどの不動産を売却したい人におすすめです。
利用者数 | 1,000万人 |
対象エリア | 全国 |
提携会社数 | 1,700社 |
同時依頼数 | 6社 |
取引件数 | 非公開 |
顧客満足度 | 98% |
運営会社 | 株式会社Speee (Speee, Inc.) |
サイト内では一戸建てや土地など、物件の種類別に売却手順の説明も掲載されています。しつこい勧誘があったなど、評判の悪い不動産会社は登録から外されているので安心です。
イエイ:お断り代行サービスを提供
大手不動産会社だけでなく、地域に密着した地方に強い不動産会社への査定も一括で依頼できます。
利用者数 | 400万人以上 |
対象エリア | 全国 |
提携会社数 | 1,700社 |
同時依頼数 | 6件 |
取引件数 | 1,000件以上 |
顧客満足度 | 97% |
運営会社 | セカイエ株式会社 |
都心部だけでなく、地方の物件を売却したい人にもおすすめです。また、査定を依頼した不動産会社からの営業連絡を断りたい際に、代わりに断ってくれる「お断り代行」サービスがあるため、営業電話を断りにくい人におすすめです。
なお、依頼先の不動産会社は自分で選べる仕組みとなっています。
リビンマッチ:利用したいサイト第1位
都道府県別に、このサイトに登録している不動産会社の情報をあらかじめ調べることができ、その中から売却査定実績の多い不動産会社を選べることが特徴です。
利用者数 | 440万人 |
対象エリア | 全国 |
提携会社数 | 1,400社 |
同時依頼数 | 6件 |
取引件数 | 14万件(年間) |
顧客満足度 | 98% |
運営会社 | リビン・テクノロジーズ株式会社 |
全国展開しているような大手の不動産業者ではなく、どちらかと言えば地域に密着した中小規模の不動産会社の登録が多いので、相続などによる地方の不動産の売却を考えている人におすすめです。
土地の活用方法を探ろう
土地を相続した場合、それぞれの事情によって土地の活用方法は異なります。まずは土地を有効利用するためにも、取得した土地の状況に応じて、相談先を探しましょう。また、しばらく土地を活用しなくても相続によって固定資産税などの税金を支払わなければなりません。少しでも税金面での負担を抑えるためにも、税理士などに相談することをおすすめします。
また、一括査定サイトについて詳しく知りたい・比較したいという場合は下記の記事を参考にしてください。
参考:【2019年最新】不動産一括査定50サイトをジャンル別に比較!