コンビニ経営で理想の土地活用
一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会の調査によると、2018年12月時点でのコンビニ店舗数は5万5千件を超えており、人口の多いエリア程多くなっています。
コンビニは業者が直接経営する直営店とフランチャイズに加盟して経営するフランチャイズ店の2種類があります。フランチャイズ店は土地活用の1つで、立地条件が良ければ大きな収益も期待できます。
この記事では土地活用でコンビニ経営を検討している人に向けて、コンビニ経営の基礎知識や注意点などを解説していきます。
土地活用にコンビニ出店を選ぶメリットとデメリット
土地活用にはさまざまな方法がありますが、方法によってメリットやデメリットは異なります。土地活用の方法としてコンビニ経営を選ぶ場合、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
メリット
従来のコンビニは若者層を中心に支持されていましたが、時代と共に日本人のライフスタイルが変化したことにより、幅広い層から支持されるようになりました。
近年ではカフェチェーンを意識したメニューや、日常の食事で使える惣菜のラインナップを増やすなど、便利で気軽に利用できるスタイルへと変貌を遂げています。
いざコンビニ経営を始めようと考えても、一定の顧客を確保できなければ、安定した収益は見込めません。しかし、コンビニ経営には次のようなメリットがあるため、初心者でも安心して始めることができます。
- マニュアルに基づいて運営するので失敗が少ない
- 開店時の集客活動が不要
- 収益性が比較的高い
コンビニ経営を始める場合、完成されたマニュアルがあるため、失敗のリスクが少ないと言えるでしょう。集客の確保が不安な場合も、開店時の広告活動は本社が行うため、自力での集客活動は不要です。
また、ロイヤリティや人件費などの維持費を差し引いても、1カ月に約50万円程度の純利益を見積もることができるため、比較的収益性が高いことがメリットです。
デメリット
コンビニ以外の店舗にも同じことが言えますが、コンビニの出店が相次いでいる一方で、経営状態の悪化などから廃業してしまう店舗も多いのが現状です。
コンビニ経営には以下のようなデメリットがあるため、メリットとのバランスを考慮することが大切です。
- 本社の指導や監視がある
- ロイヤリティの支払い義務
- 開業のために高額の初期費用がかかる場合がある。
コンビニ経営を始める際には、本社が作成したマニュアルに基づいて業務を進める必要があることに加えて、指導や監視があるため、自由に経営しにくいデメリットがあります。
本社からの指導や管理が行き届いていることから売上管理も厳しく、フランチャイズ特有のロイヤリティの支払い義務が生じます。また、土地活用の中でも駐車場経営は、初期費用が比較的少なくて済みますが、コンビニ経営の初期費用は高額になる可能性があります。
コンビニ建設が可能で経営に適している土地とは
土地活用を成功させるためには、土地に適した活用方法を選ぶことが大切です。コンビニ経営は人口の多いエリアは適していますが、郊外でも大型トラックが停車できるスペースがあれば有利です。
法規上でコンビニ建築が可能な土地は決まっている
どのような土地活用においても、法律上の規制がある可能性があるため、予め確認しておくことをおすすめします。都市計画法では、都市計画区域内の土地や市街化区域内の土地は、自由に活用することが規制されています。
所有している土地が規制のある区域に該当するかは、行政に確認してみると良いでしょう。以下の表では、市街地区域に指定されたエリアにおけるコンビニ店舗の建設の可否について表でまとめています。
市街地区域の種類 | 150平方m以下 | 500平方m以下 |
第一種低層住宅専用地域 | 否 | 否 |
第二種低層住宅専用地域 | 可 | 否 |
第一種住居地域 | 可 | 可 |
都市計画法では13種類の用地地域が設けられていますが、第一種低層住宅専用地域は規制が最も厳しいという特徴があります。住宅専門エリアであるため、店舗やホテルはもちろんのこと、介護施設の建設もできません。
第二種低層住宅専用地域は第一種低層住宅専用地域の次に厳しい規制が設けられており、図書館や小中学校の建設は認められています。第一種住居地域は良質な住環境を維持することを目的としたエリアで、パチンコ店などの遊戯施設の建設は認められていません。
駅近やエリア人口の多い場所は有利
コンビニ経営は集客力が強いほど収益も高くなるため、駅に近いエリアや人口の多い場所という立地条件は有利だと言えるでしょう。一定の売上を維持し高利益を上げるためには、人の流れが重要です。
近年では複数のコンビニが近い距離に乱立している状況であることから、ライバルとなる他社のコンビニが近隣に集中していないかリサーチしておくと良いでしょう。
土地活用のコンビニ経営形態は2種類ある
土地活用でコンビニ経営を始める場合、2種類ある経営形態から自分に合った方法を選ぶことが重要です。ここでは、リースバック方式と事業用定期方式について順に解説していきます。
建物を建設してコンビニ業者へ賃貸するリースバック方式
リースバック方式は、コンビニの店舗を建設した上で土地と建物を貸す方法です。
リースバック方式とは
この経営方法は、テナント側が土地の所有者に建物の建設資金を無利息または低金利で預け、契約するコンビニの事業形態に合う建物を建設する仕組みです。
建物の建設後は、その物件を貸し出すことで毎月の収入を得る方式で、毎月の賃貸料から分割支払い分の建設協力金を受け取ることになります。
ただし、経営状態が悪化することなどを理由に、契約途中で事業撤退されるというリスクがあります。このような場合、建物は残ったまま高額な固定資産税が発生してしまいます。
少額な初期費用で開業でき節税効果がある
リースバック方式は、建物の建設費用をテナント側から預かる形式であるため、少ない初期費用で始めることができます。また、貸家建付地となるため、建物の名義人は土地の所有者となることから、相続税対策にも有効です。
コンビニ業者へ土地を借地する事業用定期方式
事業用定期方式はリースバック方式とは異なり、コンビニに土地だけを貸し出す方法です。
事業定期方式とは
リースバック方式は少額の初期投資で良いという特徴がありますが、一方の事業用定期方式は初期費用がかからないという特徴があります。この方法では、借地としてテナントに貸して賃料を得る仕組みで、賃料はリースバック方式より安い傾向にあります。
契約期間は長期で更新がない
事業用定期方式には10年以上50年未満という契約期間が設けられており、更新がないことが特徴です。契約終了後は更地の状態で戻るため、他の転用も検討できます。
また、土地の所有者に建物買取請求権がなく、テナント側が建物を収去する義務が生じるため、契約終了後の費用も不要です。
経営方法 | 特徴 | メリット | デメリット |
リースバック方式 | 店舗を建設した上で土地と建物を貸す方法 | ・契約期間中は安定した収入がある ・初期費用が少額 ・節税効果が高い |
・契約途中で事業撤退されるというリスク ・事業撤退されると高額な固定資産税が発生 |
事業用定期方式 | 土地だけを貸し出す方法 | ・初期費用が不要 ・契約終了後は更地で戻って来る |
・リースバック方式より賃料が安い ・契約期間は長いが更新もない |
コンビニ開業の初期費用について
コンビニ経営を始める場合、リースバック方式と事業用定期方式のどちらの経営形態を選んでも初期費用が少額です。開業後もこれまでと同じ生活レベルを維持するためには、ある程度のお金を手元に置いておくようにしましょう。
コンビニチェーンの加盟金は約200から300万円
フランチャイズに加盟する場合、フランチャイズブランドの使用料金として加盟金が必要です。加盟金は200~300万円が相場と言われており、開業準備手数料・研修費・宣伝企画費などが含まれています。
業者によって金額に差がある理由は、フランチャイズ毎に金額や条件がが異なることが考えられます。
開業までにかかる生活費の準備は必須
コンビニ経営を始めても、安定した売り上げがあるかどうかはわかりません。そのため、経営が軌道に乗るまでの生活費は、ある程度準備しておくのが一般的です。
開業までの準備期間は早くても半年程かかる例が多いため、余裕を持った資金計画を立てるようにしましょう。
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入念な準備と知識で土地活用のコンビニを実現しよう
コンビニは私たちの生活に欠かせないものとなっていますが、安定した経営ができるかどうかは誰にもわかりません。各社がさまざまな工夫を凝らした販売戦略を投じており、競争が激化しているのが現状です。
そのため、経営形態に関わらずリサーチや知識の習得などの入念な準備期間を確保し、安定したコンビニ経営を実現しましょう。
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