駐車場経営に必要な基礎を知る
土地活用にはさまざまな方法があり、アパートやマンションの賃貸経営・トランクルーム・コインランドリー・太陽光発電システムなどが挙げられます。また、活用方法によっては初期費用が高額なため、一時的にまとまった金額が必要になるだけでなく、今後の経営状態によっては赤字となるリスクが生じます。
そんな中、少ない初期費用で始められる駐車場経営は、土地活用の中でも比較的低リスクな活用方法であるため、人気が高まっているのです。この記事では、土地活用で駐車場経営を始める前に知っておきたい情報をまとめているので参考にしてみてください。なお、以下では、土地活用で駐車場経営をするメリットとデメリットを表に示しています。
メリット | デメリット |
初期費用がほとんどかからない | 税金の優遇がない |
事業変更しやすい | 他の活用方法よりも収益率が低め |
土地の状態に影響されにくい | – |
土地活用で駐車場経営をする3つのメリット
駐車場経営は、新たに建物を建てる必要がないため、他の活用方法よりも始めやすいと言えるでしょう。また、駐車場経営には、以下のような3つのメリットが挙げられます。
- 初期費用ゼロでも駐車場経営を始められる
- 土地が更地に近い状態になっているので事業変更が容易
- 建物を建造しにくい土地でも活用できる
初期費用ゼロでも駐車場経営を始められる
アパートやマンションの賃貸経営を始める際には、建物の建設やリフォームなどの必要があります。駐車場経営を始めるにあたっては、新たに建物を建てる必要もなく、ロープで区画を作ったり、アスファルトやコンクリートでの舗装だけであるため、比較的工事も簡単です。
また、土地の広さなどで費用は変わってきますが、30~200万円程度の少額な費用で始められることに加えて、駐車場運営会社と契約を交わして運営を任せると、土地を貸すだけで良いので初期費用をゼロにもできるというメリットがあります。
土地が更地に近い状態になっているので事業変更が容易
アパートやマンションの賃貸経営の場合、一度建物を建てて経営を始めると、赤字になったとしても容易に別の土地活用に変更しにくいことがデメリットの一つです。
一方で駐車場経営という活用方法は、土地の舗装や建物の解体だけでなく、契約の解除などがほとんどないため、他の活用方法への変更がしやすいことがメリットとして挙げられます。駐車場経営の事業を見直したい場合、約1カ月程度の期間があれば変更できるため、準備期間もほとんどかかりません。
建物を建造しにくい土地でも活用できる
土地の状態や形状によっては、思うような土地活用を実現できない可能性があります。例えば、アパートやマンションの賃貸経営を始めたい場合、土地の面積が狭かったり、市街化調整区域内で建物が建てられないという可能性もあります。
しかし駐車場経営という活用方法なら、数台分の駐車スペースが確保できる敷地面積から経営でき、土地の面積が狭くても立地条件が良ければ需要も高いと言えるでしょう。ただし、活用したい土地が農地の場合は、1969年に制定された農業振興地域の整備に関する法律によって活用方法に制限があるため、そもそも土地活用できない可能性があるので注意が必要です。
駐車場経営で注意しておきたい2つのデメリット
駐車場経営には、初期費用がほとんどかからないなどのメリットがあります。しかしその一方で、以下のようなデメリットがあるため、デメリットを考慮した上での土地活用をおすすめします。
- 税金の優遇は受けられない
- 賃貸住宅経営より収益率が低い
税金の優遇は受けられない
土地を所有していると、毎年、固定資産税や都市計画税がかかります。ただし、住宅用地として土地を使う場合、固定資産税は最大6分の1まで抑えられるという税金の優遇措置が設けられています。
しかし、土地を駐車場として活用する場合には、住宅用地ではないため、税金の優遇措置が適用されません。また、駐車場は相続税評価では更地と同じであるため、減価償却費が少ないことがデメリットとして挙げられます。
賃貸住宅経営より収益率が低い
アパートやマンションの賃貸経営の場合、立地条件が良く、一定の入居者を確保できれば、長い期間で安定した収益を得ることができます。しかし、駐車場経営の場合、アパートやマンションの賃貸経営に比べると、その土地から得られる収入額は少ないと言えるでしょう。
まや、立地条件によっては、管理費や修繕費に加えて、初期費用のローン返済などで収入が殆ど残らないケースもあるのが現状です。ただし、駐車場経営を管理会社に委託することで、初期投資の費用を抑えて月額家賃を管理会社から徴収すれば、これらの問題を解消できる方法の選択肢もあります。
立地に応じた駐車場経営の方法
駅からの距離が近いなど、ニーズの高い立地条件であれば、収益自体は大きくなくても、安定した収益を得ることができます。また、立地に応じた駐車場経営を見極めることが大切です。
安定した収益が期待できる月極駐車場
土地活用で駐車場経営を始める場合、時間単位で駐車可能な「コインパーキング」と月額支払いで契約する「月極駐車場」のどちらかを選択します。これらの方法は、土地のある立地条件に応じた経営をすることで、需要に見合った経営を行うことができます。なお、月極駐車場は、契約している限り毎月安定した収益を得ることができることがメリットで、1台あたりの相場は、全国平均で8,000円程度です。
例えば、生活で車が必要な郊外の住宅街や車通勤が多いオフィス街の土地の場合、安定した収益が期待できる月極駐車場がおすすめです。この駐車場経営の方法は、主に管理委託方式と一括借上方式という方法があります。管理委託方式は、契約者の募集や管理だけを業者に委託する方法で、一方の一括借上方式は、駐車場全てを業者に貸し、業者が転貸をして収益を得る方法です。以下の表では、それぞれの経営方法におけるメリットとデメリットをまとめています。
管理委託方式 | 一括借上方式 | |
メリット | 管理業務を全て任せることができる | 空きがある場合でも安定した賃料で収益を得ることができる |
デメリット | 収益に応じた管理委託費用がかかる | 空きが多いと契約を打ち切られるリスクがある |
狭い土地で高い利益を目指すコインパーキング
コインパーキングは、月単位で契約を交わす月極駐車場と違い、時間単位で料金が発生する仕組みです。コインパーキングに向いているのは、繁華街や商業施設、公共施設が近くで、比較的人通りが多い場所が挙げられます。また、2台程度の駐車スペースでも、稼働率や料金設定次第で月10万円以上が期待できるため、狭い土地でも高い収入を狙える土地活用の一つです。
ただし、精算機やロック板などの専用設備が必須となり、経営方法には、自ら設備などを準備する自己経営方式と業者に依頼する土地賃貸方式という2種類から選択できます。以下の表では、それぞれの経営方法におけるメリットとデメリットをまとめています。
自己経営方式 | 土地賃貸方式 | |
メリット | 利用率によっては大きな収益が見込める | 設備の準備や整備を業者に任せることができる |
デメリット | 設備の準備や整備を自分で行う必要がある | 賃料以上の収益が見込めない |
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なお、依頼先の不動産会社は自分で選べる仕組みとなっています。
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立地に合った方法で駐車場として土地活用
アパートやマンションなどの集合住宅が増えた現在、車が必要なエリアに居住していても、敷地内に駐車場がなく、別の土地に月極駐車場を借りる人が多いのが現状です。
また、病院や公共施設内の駐車場が満車の場合、近隣にあるコインパーキングは便利だと言えるでしょう。集合住宅の増加や駐車場不足などによって駐車場への需要は高く、立地条件によっては大きな収益を見込めます。ただし、どのような方法を選択したとしても、少なからずリスクが生じるため、メリットとデメリットのバランスを検討し、納得のいく活用方法を目指しましょう。
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