マンション売却

ローン残債に困った時の住み替えローンの方法とそのデメリットを解説

ローン残債がある場合の住み替えに悩んでいませんか

一生住む予定で、考えに考えて購入した家でも、年月が経てば住み替えが必要になることもあります。

そして、家を住み替える必要が出てきたとき、今住んでいる自宅にまだ住宅ローンが残っている場合もありますよね。こういった場合に便利なのが「住み替えローン」です。

住み替えローンは、今の自宅を売っても住宅ローンが残ってしまう場合に使えるローンです。この記事では、住み替えローンの基本情報や、どういった時に使えるのか、利用する場合の流れやメリットやリスクについてご紹介します。

目次

1.住み替えローンが使えるケースと使えないケース

2.住み替えローンを組むメリット

3.住み替えローンのデメリット

4.住み替えローンを組む時の流れ

5.住み替えローンの審査基準

6.住み替えローンのリスクを回避するには

7.無理のない返済計画で住み替えローンのリスクを減らそう

住み替えローンが使えるケースと使えないケース

まずは、住み替えローンの基本からご紹介します。住み替えローンがどんなときに使えるものなのかを確認しましょう。

家を売却してローンが残れば使える

住み替えローンを使えるかどうかは、今住んでいる自宅を売却した際に、売却益で住宅ローンが完済できるかどうかがポイントです。

住み替えローンは、売却益によって住宅ローンが完済できない場合に、住宅ローンの残債と、新しい家購入のための住宅ローンをまとめて貸してくれるものです。そのため、住宅ローンが完済できる場合には、住み替えローンは組む必要がありません。

住宅ローンが完済できる場合は使えない

売却益によって住宅ローンが完済できる場合には、基本的に住み替えローンを組むことができません。新しい家の購入には、通常の住宅ローンを利用すると良いでしょう。

また、家の売却益が住宅ローンの残債に足りず完済できなくても、貯蓄や親族からの資金援助を利用して住宅ローンが完済できる場合もあります。こういった場合には、家計の状況に応じて住み替えローンを借りることもできます。

住み替えローンを使うか、または売却益+貯蓄などで完済し、新しい家の購入には通常の住宅ローンを組むかは、それぞれのメリット・デメリットを比較して選びましょう。

住み替えローンを組むメリット

ここからは、住み替えローンを組むことで得られるメリットを3つご紹介します。

住替えローンのメリット
・自己資金を減らさずに家を買い替えることができる

・金利が通常の住宅ローンと同じである

・税金を減らすことができる

自己資金を減らさずに家を買い替えることができる

住み替えローンの大きなメリットは、自己資金を減らすことなく家を買い替えることができる点です。

今まで住んでいた家の売却益でローンが完済できない場合にも、住み替えローンを利用すれば持ち出し資金なく家を買い替えることができます。

家の買い替え時には、引っ越し代や新居の家具代など別の出費もかさみます。住宅ローンの残債は住み替えローンにまとめることで、こういった別の費用に貯金を当てることができるようになります。自己資金を減らさず、家を買い替えることができる点は大きな魅力ですね。

金利が通常の住宅ローンと同じである

また、住み替えローンは通常の住宅ローンと金利が変わらないという特徴もあります。残債分は、無担保のローンとみなされるため、金利が高くなってもおかしくない印象がありますが、この点も一つのメリットと言えます。

銀行からすると住み替えローンはリスクが高めのローンですので、審査が厳しくなる傾向がありますが、金利は変わらないことが一般的です。

税金を減らすことができる

家を売却して住宅ローン分の売却益がでない、ということは、その物件は損失を出していることになります。この場合、所得税や住民税の申告の際に、残債分(=譲渡損失)を控除できる「譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例」を利用することができます。税金の控除が使える点も一つのメリットです。

この特例を利用することで、売却翌年から3年以内の間、所得税や住民税を減らすことができます。なお、この特例を受ける際には、物件を売却した翌年に確定申告を行わなくてはなりません。

住み替えローンを組む場合のデメリット

住み替えローンにはメリットもありますが、高額なローンを組むことですから、当然デメリットやリスクも存在ます。

住み替えローンを検討している場合、デメリットやリスクについても把握した上で、資金計画を立てることが大切です。

住み替えローンのデメリット
・返済できなくなった場合の負担が大きい
・仮住まいが必要になる場合もある
・今の相場で新しい家を買わなければならない

返済できなくなった場合の負担が大きい

住み替えローンは、担保(新しく購入する物件)の価値以上のローンを組むことになるため、借り入れる際のリスクは高いものと覚えておきましょう。仮にローンが返済できなくなってしまった場合、任意売却や競売という手段を取らざるを得ない状況になります。

任意売却とは、住宅ローンの返済が難しくなった場合に、債権者(銀行)の同意を得て、担保となっている物件を売却する方法です。一方で、競売は住宅ローンの滞納によって、物件が差し押さえられ市場価格よりも安い金額で売却されてしまいます。競売の場合は、家主の意思は一切聞いてもらえません。

任意売却でも競売でも、売却した金額を差し引いた残りのローン残債分は、借金として返済していかなくてはなりません。住み替えローンは、こうして任意売却や競売後に残るローン残債が大きくなりがちです。最悪の場合自己破産という形になってしまうこともあります。

住み替えローンを利用する場合には、今後数十年本当に支払いが問題ないか、無理な計画を立てていないか、よく検討しましょう。

仮住まいが必要になる場合もある

住み替えローンを利用する場合、これまで住んでいた家の住宅ローンを、売却益+住み替えローンで完済します。そのため、先ほどもご紹介したとおり、これまでの家の売却日と購入の決済日(住み替えローンを融資してもらう日)と同日にしなければなりません。

住宅の売買は売り手の予定だけでコントロールできるものではありません。買い手がすぐに見つかるのか、買い手が見つかっても買い手の予定などの問題もあります。そのため、これまで住んでいたの家からの引っ越し日と、新しい家の引き渡し日をうまく合わせるのが難しく、仮住まいを準備する必要がある場合が多い点に注意が必要です。

今の相場で新しい家を買わなければならない

ここ数年、マンションをはじめとして不動産価格は高騰しています。2020年の東京オリンピック前までは高騰し、その後は不動産が価格が下降していくと考える専門家もいます。そのため、現在は家を売却するのにはとても適している時期ですが、購入には不利でリスクがある時期であるとも言えます。

住み替えローンを利用する場合には、売却と購入を同時に行わなくてはいけません。現在の相場で新居を購入することが本当に適しているかをしっかり検討した方が良いかもしれませんね。

住み替えローンを組む時の流れ

 

住み替えローンを組む際、今住んでいる物件の売却と新居の購入のプロセスやタイミングに気をつける必要があります。以下の流れて進めていくと、スムーズに住み替えができるでしょう。

<住み替えローンを組む際の一般的な流れ>

プロセス 詳細・ポイント
(1)売却する物件の査定 複数の不動産会社に依頼することがお勧め
(2)不動産会社と媒介契約 このとき、住み替えローンを利用すると伝える
(3)売却活動 内覧時には事前に準備をして印象よく
(4)新居購入のための資金計画 おおよその売却価格の目処が立ったら新居購入の資金計画を立てる
(5)新居を探す 資金計画に沿って新居を選ぶ
(6)売却する物件の買い主と売買契約を締結 買い主から手付金を受け取る
(7)新居を確定し、申し込みを行う/住み替えローンの事前審査を並行して行う 念のため、住み替えローンの事前審査を行っておきましょう
(8)新居の売買契約 ローンの審査が問題ないようであれば、売買契約
(9)引っ越し、売却と新居の購入の決済を同時に行う 住み替えローンを利用するために、売却と購入の決済日をそろえる

 

<不動産会社に住み替えローン利用を伝える>

まずは通常の不動産売却と同じように査定から始めます。不動産会社と媒介契約を結ぶ際には、不動産会社に住み替えローンを利用するということを伝えておきましょう。金利が安いお勧めの金融機関を提案してくれるかもしれません。

<新居探しは売却価格の目処が立ってから>

売却活動を経て、購入希望者が現れ、おおよその売却価格の想定がついてから、新居の資金計画を立て、新居を探しましょう。先に新居から探し始めてしまうと、売却価格よりも高すぎる物件を選んでしまい、のちに自らの首を締めてしまうことになりかねません。

<住み替えローンの審査を事前に受ける>

今まで住んていた家の売買契約が締結できたら、新居を確定し申し込みを行います。住み替えローンの審査は事前に受けておきます。

<売却と新居購入の決済を同日にする>

住み替えローンを利用する場合の1番重要なポイントは、売却と購入の決済日をそろえることです。決済日を同日にしないと、金融機関は住み替えローンを融資できないため、必ずここを意識して、家の売却と新居の購入を進めるようにしましょう。

住み替えローンの審査基準

通常の住宅ローンを組む場合も金融機関から審査を受けますが、住み替えローンは担保以上のローンを貸し出すことになるため、通常よりも審査が厳しい傾向があります。

利用できるのは社会的な信用がある人のみ

住み替えローンの審査項目は、通常の住宅ローンと基本的に同じで、勤務先と勤続年数、年収、借入履歴などです。

審査では通常の住宅ローンよりもこれらの項目をチェックする水準が高くなり、特に勤務先や年収が重視されます。勤務先は、公務員や大手企業である方が有利です。社会的な信用能力が高いかどうかで判断されます。

ローン残債や新たに購入する物件の金額

審査では、当たり前ですがローンの残債や、新居の購入金額も考慮されます。

銀行がローンを貸し出す際、貸し出したお金を債務者が返済できなくなり回収できなくなるというリスクがあります。銀行としては、当然リスクの度合いを気にします。

住み替えローンは基本的にオーバーローンとなりやすいために、ローン残債や新しく購入する物件の金額が大きい場合、リスクが高いとみなされて審査が降りない場合があります

逆に、ローン残債や新居の購入金額が少ないと、リスクが少ないとみなされ、融資してもらい易くなります。

他に借入履歴はないか

審査では、住み替え時点の借入履歴についても重視されます。

借入履歴とは、今住んでいる家の住宅ローンに加えて、自動車のローン、カードローン、クレジットカードのキャッシング枠などが確認されます。

これらの借入履歴があると、住み替えローンの審査に影響を与えてしまうと考えておいた方が良いでしょう。

住み替えローンのリスクを回避するには

住宅ローン残債があっても新しい家が購入でき便利な一方、リスクもある住み替えローン。住み替えローンを利用するなら、できるだけリスクを回避したいですよね。

ここからは、住み替えローンのリスクを回避する方法をご紹介します。

今住んでいる家をできるだけ高く売る

リスクを減らすためには、ローン残債をできるだけ少なくすることが重要です。そのため、できるだけ家を高く売るための努力をしましょう。

家を高く売るための方法は幾つかありますが、例えば、以下のような方法が有効です。

  • 一般媒介契約を利用して複数の不動産会社を利用すること
  • 内覧の準備をして印象をよくし、値引き交渉を避ける
  • 広告に力を入れる
  • 1年の中でも高く売れる時期を狙う(秋口〜年度末に向けて売却活動)

一つ一つは細かいものですが、少しの心がけで数十万円単位で売却価格が変わるのが家の売却です。事前に情報を集めて、できるだけ高く売れるように心がけてみましょう。

安い住み替え先を見つける

そして、安い住み替え先を新居として見つけることも、ローンの総額を下げ、リスクを回避するために有効な方法です。

今住んでいる物件を高く売る、という方法もご紹介しましたが、相場よりも高く売れた場合でも、値段を大幅にコントロールすることは難しいです。しかし、購入する物件は、ある程度値段のコントロールが効きやすく、安い物件を新居として探した方がローン総額が抑えやすくなります

住み替えローンを利用する場合には、できるだけ安く、負担にならない住み替え先を探しましょう。

返済期間を延ばしすぎない

住み替えローンを利用するということは、住宅の購入は2回目以上であるということになります。住宅購入が2回目の人は、40代以上の人が多いというデータがあります。

ここで注意しなければならないのは、返済までの期間を延ばしすぎないということです。例えば40歳で住み替えローンを組んだ場合、定年までは25年です。初めて家を買ったときと同じ意識で住み替えローンを組むと、定年までに返済できず、老後に生活が苦しくなってしまうこともあります。

住み替えローンは、返済期間を長くせず、定年を迎える65歳までに完済できる計画を立てることが重要です。

無理のない返済計画で住み替えローンのリスクを減らそう

ここまで、住み替えローンの基本情報やメリットや知っておきたいリスクなどをご紹介しました。

住み替えローンは、今住んでいる家の住宅ローン残債があっても利用できるとても便利なローンです。しかし、通常の住宅ローンよりもリスクが高くなります。

無理のないローンを組むためには、返済期間を安易に延ばしたり、返済できないような金額を借りたりせずに、事前にしっかり考え、返済計画のシミュレーションをしましょう。