不動産売却の基礎知識

不動産一括査定のデメリットとは?注意点を把握して利用しよう

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不動産一括査定の注意点となるデメリットについて知ろう

不動産一括査定は「複数の不動産会社の査定額が比較できる」というメリットばかりが注目されていますが、デメリットはあるのでしょうか。

査定額を比較することで、売却力がある不動産会社が見つかりやすいというのは大きなメリットです。しかし、メリットばかりに注目するのではなく、注意点となるデメリットを理解した上で利用することをおすすめします。

不動産一括査定のデメリット

  • 一括査定に登録している不動産会社が全てではない
  • 査定依頼後に営業連絡がくることもある
  • 異なる査定価格を自分で判断できずに迷ってしまう

不動産一括査定には、上記のようなデメリットがあります。デメリットを事前に知っておくことで対策ができるので、どのようなデメリットがあるのか、どのように対策したらよいのかを把握しておきましょう。

一括査定に登録している不動産会社が全てではない

不動産一括査定のサイトには、「全国数千社以上の不動産会社が査定」などの記載があります。しかし全国にはそれ以上の不動産会社があり、日本全国全ての不動産会社の査定ではありません。

例えば大手の一括査定サイトは1,500社以上の不動産会社が登録していますが、実際不動産会社は全国に12万社以上あります。不動産一括査定に登録している業者はほんの一握りです。

田舎の不動産の場合、その地域の不動産会社が登録していないことがあります。また、一括査定のサイトごとに登録している不動産会社が異なる点にも注意が必要です。

査定依頼後に営業連絡がくることもある

無料で査定をしてくれることは利用者にとってメリットです。一方で不動産会社にとって無料査定にもメリットがあります。それは「営業活動」になることです。

不動産会社の最終目的は売買契約をして仲介手数料の収入を得ることです。そのために査定依頼後は営業連絡がくることを想定しておく必要があります。

但し、不動産会社も口コミ等を気にしているので、悪評が立つようなことはしません。もっとも、しっかり運営している一括査定サイトであれば、マナーの悪い不動産会社は排除しているので安心です。

異なる査定価格を自分で判断できずに迷ってしまう

多くの一括査定サイトでは一度に6社くらいの査定額が提示されます。サイトによってはもっと多く選択できることもありますが、価格に大差があると、どの不動産会社を信じて良いのか悩んでしまうものです。

どうしてこんなに高いのか?あるいは安いのか?理由がわからないと、業者選びの判断が難しくなります。高い査定額を提示した不動産会社を選びたくなりますが、契約したいために高い査定額を提示し、後で値下げして売ることもあるので注意しましょう。

そうなると、どの不動産会社を信じて良いのかわかりません。自信を持って業者選びをするためには、相場を把握し、自分でもある程度価格の目利きができるようにしておくことが大切です。

実際に利用した人が感じているデメリット

不動産一括査定サイトを実際に利用した人のほとんどは利用に納得しています。しかし一部ではデメリットを感じている利用者がいることも事実です。利用者の声を参考に、一括査定のデメリットを探っていきましょう。

数分後に不動産会社から一斉に電話が鳴る

「一括査定をした数分後に不動産会社から一斉に電話が鳴り対応が大変だった。」という口コミがありました。営業の電話は必ずあるわけではありません。しかし、不動産会社も最終目標である仲介手数料を獲得するために、契約を成立させようと必死です。

特に魅力的な不動産であればあるほど、不動産会社の営業活動が活発になります。人気の地域、新しい物件など、売却見込みのある不動産は魅力的です。

一括査定経由であれば、不動産会社はライバル社がいることが確実にわかっています。他社に契約を取られたくないと自社アピールを必死に行うのです。

対応してくれる不動産会社が1社しかなかった

「査定してもらえる不動産会社が一社しか見つからなかった。」という口コミもありました。田舎の不動産によくあるケースです。売却見込みのない不動産は査定してもらえないことがあります。

そうなると、複数社に見積もりしてもらえるという一括査定のメリットはないです。一括査定はあくまでも売却できる不動産が対象なので、不人気の不動産の場合は対応してもらえないことがあります。

不人気の不動産とは、周囲に空き家が多い田舎の物件、建て替えや取り壊しの計画があるマンションなどです。但し、依頼してみないと査定してもらえるかどうかはわかりません。査定依頼は無料なので、試しに依頼してみることをおすすめします。

もし一括査定で対応してくれる不動産会社がなかった場合は、近くの不動産会社を探したり空き家バンクに登録したりするなど、別の方法を試しましょう。

デメリットは考え方次第でメリットになる

デメリットを知ると一括査定を利用することを躊躇する人もいることでしょう。しかし、デメリットは考え方次第でメリットになります。そう考えると、一括査定を利用するメリットがより大きくなるのです。

売却目安価格を把握すると売却交渉がスムーズになる

一括査定を利用すると、不動産会社ごとに査定額に差があり、査定の開きに悩むことがあります。また、全国の不動産会社の査定ではなく、一括査定サイトごとに登録している不動産会社が違う点もデメリットの一つです。

しかし考え方を変えると、複数社の査定額を知ることで、対象不動産の相場価格が見えてきます。査定額のデータが多ければ多いほど、平均値から確実性の高い相場価格を算出できるのです。

相場価格は、売却価格を決めるとき、買主との売却交渉(値下げ交渉)のやり取りの際などに役立ちます。売却交渉を進めていく過程で、相場価格の知識があったほうが有利です。

営業連絡を断っても依頼者にペナルティーは無い

営業連絡は断ってもペナルティーは無いので安心してください。無料一括査定は、契約に結び付かないことは当然あります。不動産会社もそのことに慣れているので、断ることを遠慮する必要はありません。

なにより重要なのはきっぱり断ることです。断ることが苦手な人は「検討中です」など曖昧な言葉で逃げることをしがちです。しかしそれでは営業連絡を断つことができません。

断ることができないと、営業の勢いに押されて損な条件で契約してしまうことがあります。営業連絡が嫌な不動産会社には、嘘でもいいので「他で決めました」などときっぱり断ることが大切です。

一方で、熱心な営業活動を行う不動産会社は、その後積極的に売却活動をしてくれる可能性が高いとも捉えることができます。その結果、早く良い条件で不動産が売れるかもしれません。

しつこい営業連絡で嫌な気持ちになるようではいけませんが、話をよく聞いて頼りになる不動産会社か見極めながら判断しましょう。

おすすめの一括査定サイト3選

サイト名 利用者数 対象エリア 提携会社数 同時依頼数
イエウール 1,000万人 全国 1,700社 6件
イエイ 400万人以上 全国 1,700社以上 6件
リビンマッチ 440万人 全国 1,400社 6件

イエウール:全国1,700社以上に対応

地方・地域密着型の中小規模不動産業者にも対応しているので、都市部以外に所在しているマンションや一戸建てなどの不動産を売却したい人におすすめです。

利用者数 1,000万人
対象エリア 全国
提携会社数 1,700社
同時依頼数 6社
取引件数 非公開
顧客満足度 98%
運営会社 株式会社Speee (Speee, Inc.)

サイト内では一戸建てや土地など、物件の種類別に売却手順の説明も掲載されています。しつこい勧誘があったなど、評判の悪い不動産会社は登録から外されているので安心です。

イエイ:お断り代行サービスを提供

大手不動産会社だけでなく、地域に密着した地方に強い不動産会社への査定も一括で依頼できます。

利用者数 400万人以上
対象エリア 全国
提携会社数 1,700社
同時依頼数 6件
取引件数 1,000件以上
顧客満足度 97%
運営会社 セカイエ株式会社

都心部だけでなく、地方の物件を売却したい人にもおすすめです。また、査定を依頼した不動産会社からの営業連絡を断りたい際に、代わりに断ってくれる「お断り代行」サービスがあるため、営業電話を断りにくい人におすすめです。

なお、依頼先の不動産会社は自分で選べる仕組みとなっています。

リビンマッチ:利用したいサイト第1位

都道府県別に、このサイトに登録している不動産会社の情報をあらかじめ調べることができ、その中から売却査定実績の多い不動産会社を選べることが特徴です。

利用者数 440万人
対象エリア 全国
提携会社数 1,400社
同時依頼数 6件
取引件数 14万件(年間)
顧客満足度 98%
運営会社 リビン・テクノロジーズ株式会社

全国展開しているような大手の不動産業者ではなく、どちらかと言えば地域に密着した中小規模の不動産会社の登録が多いので、相続などによる地方の不動産の売却を考えている人におすすめです。

不動産一括査定のデメリットの知識を高めて利用を検討しよう

デメリットはありますが、基本的に不動差一括査定の利用はおすすめです。査定依頼は無料で、その後断ったとしてもペナルティーは無いので、気軽に利用できます。

利用後の営業連絡が不安な人もいるかもしれませんが、よほど魅力的な不動産でない限り、そこまでいしつこい営業連絡がくることはないです。きっぱりと断っても問題ありません。

不動産会社ごとに価格差が出て悩んでしまうこともデメリットの一つですが、これはメリットにもなります。複数の査定額を知ることは、不動産の相場価格を把握するのにも役立つことです。相場がわかれば売却活動がスムーズに進みます。

売却成功を目指し、一括査定のデメリットの知識を高めて利用を検討しましょう。

また、一括査定サイトについて詳しく知りたい・比較したいという場合は下記の記事を参考にしてください。

参考:【2019年最新】不動産一括査定50サイトをジャンル別に比較!