不動産売却の基礎知識

不動産を高く売却する流れを知る|方法とタイミングの重要性

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売却する前に流れの確認をしよう

不動産を売却するということは、普段の生活ではほとんどの人が経験していないため、いざ売却となるとどのようにすればよいのか迷ってしまう人も多いでしょう。しかし、不動産を売却する流れを知れば、スムーズに売却が行え余計な労力を使わずに済みます。

不動産会社が提示することをそのまま鵜呑みにはせず、自分なりに知識を身につけるだけで損をせずに、できるだけ高く売却ができるのです。早速、どのような不動産売却の流れになるのかを確認していきます。

不動産を売却するための準備をする

売却には準備さえきちんと行われていれば、ほぼ90%は完成したものと同じです。準備こそが売却の要になります。

スケジュールと売却目標金額を立てる

できるだけ高く売却するためには、計画性が必要です。計画性がなく、ただなんとなく売却していると売れ残ってしまう可能性があります。まずは「いつまでに売却するかスケジュールを決める」ということを決めておきます。期限を決めておくことで、そこの最中地点に向けて逆算して行動しやすくなります。

次に「サイトで相場や近隣物件の販売状況をチェックして売却目標金額を立てる」ということも大切です。自分の家の相場を知らないというのは、査定に出したときに高いのか安いのかがわからないようでは、損をしてしまうこともあるのです。

不動産の売却方法を選ぶ

売却方法は2つあり「不動産業者の直接買取・不動産業者の仲介による売却」です。高く売却したい場合は、自分で価格を設定できる不動産業者の仲介による売却の方がよいです。しかし、家が売れ残り余計な労力がかかってくることもあります。

会社の都合で転勤になったり、まとまったお金がすぐにでも欲しいという人は、不動産業者による直接買取がよいでしょう。それぞれメリット・デメリットがありますので、よく考えてから行動してください。

不動産の査定を依頼する

正確な査定額を知りたい場合は、査定を依頼しなくてはなりません。依頼方法は2つあり「不動産業者に訪問査定を依頼する・不動産鑑定士に依頼する」という選択肢があります。不動産業者に依頼する場合は1社では、その査定が妥当か判断できないので、数社に査定を依頼することをおすすめします。

もうひとつの選択肢は不動産鑑定士です。しかし、不動産鑑定士は費用が高く、費用は依頼する鑑定事務所によります。一般的な住宅では相場は数十万円かかってくるといわれています。

不動産を売却するために必要な書類を揃える

不動産を売るためには、さまざまな書類が必要となります。契約時に急いで集めてもすぐには揃えられないので、余裕をもって揃えることが大切です。また、マンションと戸建てでは必要書類が異なり、書類によっては有効期限があるので要注意です。住民票などは有効期限が3カ月ですので、それぞれの期限を書き出しておくのもよいでしょう。

売却するために最初に必要となる書類 契約時に必要となる書類
登記簿謄本
購入時の売買契約書
重要事項説明書
土地の測量図
家の図面や仕様書
 

登記済権利証
固定資産税の評価証明書
固定資産税納付書
実印と印鑑証明
抵当権抹消書類
登記簿の住所(現住所が違う場合は住民票)
境界確定測量図
物件状況確認書

不動産業者を選ぶ

不動産業者選びによっては、数百万円も変わってくるというのはよくある話です。そのため1社だけに決めてしまうのは、危険なことです。しかし、自分で不動産業者に一件ずつ依頼をするのも、時間と労力が必要となってきます。

その不動産業者が信頼できるかもわからないため、不動産業者選びは一括査定サイトを活用することをおすすめします。無料一括査定サイトでは、全国にある優良不動産業者のみと提携しているため安心です。

一括査定サイトを利用すると、査定価格が比較できて、所有している不動産の相場もわかります。不動産会社によって売却する不動産の得意分野が違いますが、一括査定サイトを利用すると、所有している不動産が得意な会社かそうでないかもわかります。

また、優秀な営業担当者を探すことができます。査定を行う姿勢を比較することもでき、相手の立場に立ってわかりやすく説明してくれる担当者なら、売却を安心して任せられます。

不動産の売却方法は2種類ある

どちらのタイプにするか、この時点で決めておく必要があります。それぞれの違いを比較してみましょう。

不動産会社による仲介 不動産会社による買取
買手は個人となる
手数料あり
完了期間約1カ月
内覧あり
自分の言い値で価格を決められる
不動産会社が買手
手数料なし
完了期間3〜6カ月(売れ残る可能性あり)
内覧なし
相場より7割程度安くなる

仲介で不動産を売却するときの流れ

不動産業者が決まったのであれば、今度は媒介契約を選ぶことから始めます。不動産会社に正式に売買の仲介を依頼するときは「媒介契約」を締結しなくてはなりません。「専属専任媒介・専任媒介・一般媒介」の3種類から選択ができます。

専属専任媒介 専任媒介 一般媒介
他の不動産会社に依頼できる数 1社のみ 1社のみ 複数可
知人など自分で買手を見つけられるか 契約違反となる できる できる
依頼主に近況報告義務 週に1度 2週間に1度 義務はない

媒介契約の方法を決めたら、査定額から売り出し価格を決めていきます。価格を決めるポイントとしては、最終段階での買手との価格交渉があります。そのため、交渉して値下げをしてもいいように価格設定しておきましょう。

安く見せるためには8や9という数字を使用しますが、不動産売却の場合は値引き感を出すために、少し高く見える価格を設定することも必要です。不動産会社の担当の人はさまざまなアドバイスをしてくれますが、最終的に決めるのは自分ですので、冷静な判断をする必要があります。価格が決まったらいよいよ広告などで販売開始となります。

広告で興味を持ってくれた人に、不動産を見てもらうこととなります。 できるだけよい印象を持ってもらうために、 部屋は清潔に保ち、物を片付けて匂い対策をしておく必要があります。 戸建の場合は、庭の印象も大切なので手入れをしておきましょう。

売却すると決めたときからでも少しずつ部屋をきれいにしていけば、内覧者が来ても慌てなくて済みます。

ついに買主が見つかったら、価格交渉をして契約します。売買契約を結び代金の決済が終わったら、物件の引き渡しを行うこととなります。所有権移転手続きと、住宅ローンがある場合は解約や抵当権の抹消手続も行わなくてはなりません。また、買主へ鍵を渡す前に、公共料金の精算を済ませることも忘れないようにしてください。

買取で不動産を売却するときの流れ

買取をしてもらう際の流れも同時に見ておきましょう。買取は比較的簡単ですので、価格さえ気にしなければ問題はありません。不動産業者に査定を依頼し、買取価格の提示をしてもらいます。この時点では自分の家の相場より7割程度低くなるのが一般ですので頭に入れておいてください。

不動産業者との打ち合わせとなります。売買スケジュールや物件引渡の際の条件確認のため、打ち合わせをして物件引渡しの条件確認も話し合っておきます。

全てが納得した上で売買契約を締結します。このときには、宅建士を含め売買契約書の重要事項の説明を行います。そして、物件をもう一度確認をし、売買契約書に押印し手付金を支払います。手付金を支払ったあとに契約解除しても手付金は戻ってきませんので注意しましょう。

残金決済となり、残代金を受領し、物件の引渡しを行います。一般的には、決済日当日は銀行などの金融機関で引渡し手続きが行われます。

相続した不動産を売却するときの流れ

相続した不動産を売却する場合、税金などがかかってきます。どのような税金がかかるのかを説明します。

相続登記を行う

相続した不動産を売却する場合、「相続登記」を行わなければいけません。相続登記は法的に期限は決まっていませんが、相続登記の手続きが完了していないと売却はできません。

相続登記の手続きは自分で行うか、司法書士などの専門家に依頼することができます。相続する状況によって提出する書類がちがうので、自分で行うときは法務局で確認しておきましょう。

不動産を相続する時に発生する税金

不動産の相続登記が完了すると、「登録免許税」「相続税」の2つの税金が発生してきます。登録免許税は、不動産の名義変更するときにかかる税金で、相続に関係なく不動産の名義を登記簿に登録してもらうために国に支払うお金です。

相続登記にかかる登録免許税の計算方法

不動産の評価額×0.4%=相続登記にかかる登録免許税

不動産の評価額は「固定資産評価証明書」に記載されている金額です。固定資産評価証明書は、不動産を管轄する市区町村で取得することができます。

次に、相続税とは、被相続人から相続人へ相続されることで発生する税金のことです。

相続税の計算方法

相続税の基礎控除額=3000万円+相続人の数×600万円

売却手続きをする

相続した不動産の売却方法は、通常の不動産売却と変わりません。不動産会社に仲介してもらって不動産を売却するのか、不動産会社に買取ってもらうのかを決めます。

高く売却したい場合は仲介を、早く現金化したいなら買取が適しています。どちらも査定を行うことが大切です。1社のみの依頼は損をする可能性が出てくるので、一括査定を利用しましょう。

成年後見人による不動産売却の流れ

不動産を所有している本人が認知症などで判断能力が衰えている場合は、本人の代わりに売却の手続きを行う成年後見人をたてることができます。成年後見人による不動産売却について説明します。

成年後見人とは

不動産を後見人が所有者に代わって売却することができます。成年後見人とは、認知症などで判断能力が衰えた人の代わりに貯金や財産管理などを行う人のことで、裁判所が決めた家族か第三者になります。親族で話し合い候補者を決めても、裁判所が不適切だと判断した場合は、弁護士や司法書士に任命する場合もあります。

不動産売却は必ず本人の意思が不可欠ですが、本人の意思能力や判断能力がなくなった場合、家庭裁判所に後見人の申立てを申請し、その成年後見人が不動産売却を行っていいかの許可を得て、初めて売却可能になります。

売却は被後見人のためのみできる

非居住用の不動産は、売却する必要がある場合のみ売却することができます。被後見人の生活費を確保するためだったり、手術や入院の医療費のためだったり、本人に必要なことでなければいけません。たとえば、被後見人以外の親族のために売却することはできません。

居住用の不動産を売却する場合は、家庭裁判所に許可を得なければいけません。許可を得ずに売却した場合は売却が無効になり、さらに成年後見人も解任されてしまいます。

売却許可が出るには、被後見人が施設や病院から帰宅した時に、帰宅先が確保されているかどうかも判断要素になります。売却したあとの売却代金の管理などもチェックされるので、管理についてしっかり準備しておく必要があります。

居住用不動産売却の流れ

不動産会社に一括査定を利用し、不動産会社を探します。成年後見人が不動産売却する場合は契約内容もちがうので、なるべく親身になって対応してくれる不動産会社を選びましょう。買主が見つかると、売買契約書に「家庭裁判所の許可を停止条件とする」という特約をつける必要があります。

家庭裁判所に売却許可決定申立てをします。必要な書類を提出して問題なければ、約1カ月ほどで裁判所から許可が得られます。裁判所からの許可が下りたら、不動産売却の代金を決済します。買主への所有者移転登記が完了すれば、売却は終わりです。

離婚が理由で不動産売却した場合

離婚で不動産を売却したい場合、スムーズに売却ができない恐れがあります。その理由を説明します。

原因が離婚だと売却しにくい

離婚が原因で不動産を売却するとき、財産分与のために所有している不動産の相場を知ることが大切です。財産分与は夫婦が結婚中に協力して築いた財産を、離婚のときに夫婦それぞれ分け合うことです。

しかし相場を知っていても、売却理由が「離婚」となると人気がなくスムーズに売却できなかったり、売却価格が低くなってしまう恐れがあります。それは、離婚するような家は縁起が悪いと気にする人が多いからです。

離婚が原因の場合は買取が適している

離婚が理由で不動産を売却する場合は、買取の方がいいかもしれません。買取だと売却活動を行わないので、周りに知られることなく売却できます。さらに仲介だと売却が難しいかもしれませんが、買取だと不動産会社が買取ってくれるので、「離婚」という理由は関係ありません。さらに現金化されるのが早いので、財産分与を早く行うことができます。

仲介でも売却できますが、一度不動産会社に相談してみて仲介か買取か決めるのが良いでしょう。

おすすめの一括査定サイト3選

サイト名 利用者数 対象エリア 提携会社数 同時依頼数
イエウール 1,000万人 全国 1,700社 6件
イエイ 400万人以上 全国 1,700社以上 6件
リビンマッチ 440万人 全国 1,400社 6件

イエウール:全国1,700社以上に対応

地方・地域密着型の中小規模不動産業者にも対応しているので、都市部以外に所在しているマンションや一戸建てなどの不動産を売却したい人におすすめです。

利用者数 1,000万人
対象エリア 全国
提携会社数 1,700社
同時依頼数 6社
取引件数 非公開
顧客満足度 98%
運営会社 株式会社Speee (Speee, Inc.)

サイト内では一戸建てや土地など、物件の種類別に売却手順の説明も掲載されています。しつこい勧誘があったなど、評判の悪い不動産会社は登録から外されているので安心です。

イエイ:お断り代行サービスを提供

大手不動産会社だけでなく、地域に密着した地方に強い不動産会社への査定も一括で依頼できます。

利用者数 400万人以上
対象エリア 全国
提携会社数 1,700社
同時依頼数 6件
取引件数 1,000件以上
顧客満足度 97%
運営会社 セカイエ株式会社

都心部だけでなく、地方の物件を売却したい人にもおすすめです。また、査定を依頼した不動産会社からの営業連絡を断りたい際に、代わりに断ってくれる「お断り代行」サービスがあるため、営業電話を断りにくい人におすすめです。

なお、依頼先の不動産会社は自分で選べる仕組みとなっています。

リビンマッチ:利用したいサイト第1位

都道府県別に、このサイトに登録している不動産会社の情報をあらかじめ調べることができ、その中から売却査定実績の多い不動産会社を選べることが特徴です。

利用者数 440万人
対象エリア 全国
提携会社数 1,400社
同時依頼数 6件
取引件数 14万件(年間)
顧客満足度 98%
運営会社 リビン・テクノロジーズ株式会社

全国展開しているような大手の不動産業者ではなく、どちらかと言えば地域に密着した中小規模の不動産会社の登録が多いので、相続などによる地方の不動産の売却を考えている人におすすめです。

不動産は事前に準備をして売るタイミングで見極めると高く売れる

不動産売却に失敗したという人の多くは、事前準備がしっかり行われていないのです。家を売却するタイミングは固定資産税も関わってきますし、さまざまなタイミングが必要となります。売却の流れを知った上で、逆算をしてから行動するようにしなくてはなりません。

慌てて売却をするということは、内覧者にとってもよい印象を受けません。自分が買手の立場に一度立つことで、どのような物件を購入したいのかが見えてきます。少しでも高く売却するために、しっかりと計画を練りましょう。

また、一括査定サイトについて詳しく知りたい・比較したいという場合は下記の記事を参考にしてください。

参考:【2019年最新】不動産一括査定50サイトをジャンル別に比較!