不動産売却の基礎知識

【徹底解説】相続した不動産を売却するときに税金はいくらかかる?種類は?

116 Views

この記事では、相続した不動産を売却するときに発生する税金と、節税方法(特例)に関して徹底解説していきます。

人生、どんな時に不動産を相続するかは分かりません。相続した大切な不動産を売却するときには特例を利用して節税して、せっかくならば少しでも多くのお金が手元に残るようにしましょう!

相続した不動産を売却した際に必要な税金

両親などから相続した不動産は、共に住んでいる場合などであれば住み続けることもあると思います。

しかし、すぐにお金が必要になったり、兄弟へ相続分を支払う必要があったりなどで、売却をするのであれば4つの税金を支払う必要があります。1つずつ見ていきましょう。

  1. 譲渡所得税
  2. 印紙税
  3. 登録免許税
  4. 仲介手数料への消費税

①譲渡所得税

この「譲渡所得税」とは、相続した不動産を売却して利益が発生したときに掛かる税金です。

これは給料などの所得とは別に計算される税金であり、利益に対して住民税や所得税を決められた税率でかけて計算します。譲渡所得自体は以下のように計算されます。

譲渡所得=売却価格-取得費[購入した金額]-譲渡費用[売却の際に掛かった費用]

このようにして譲渡所得は計算されますが、実際の税金は課税譲渡所得に税金が掛かります。こちらは売却時の状況に応じた特別控除額を譲渡所得から引いたものです。なお、相続した状況により控除額は異なるので、国税庁のサイトから調べてみましょう。

次に、課税譲渡所得が計算されたら、下のように譲渡所得税を計算します。

課税譲渡所得×税率=譲渡所得税

なお、税率はそれぞれ異なった割合で上記の所得税や住民税が掛かりますが、購入から5年以上なのかそうでないのかでも、下記の表のように変わります。

長期譲渡所得 短期譲渡所得
年数 売却した年の1月1日で購入から5年超 売却した年の1月1日で購入から5年以下
税率 20%  39%

そのため、購入してから売却した年の1月1日までの期間で、どのくらい経っているのかをしっかりと把握してください。

②印紙税

不動産の売買契約書には収入印紙というものを貼る必要があり、これに「印紙税」という税金が掛かります。税額に関しては売却額が大きくなればそれに比例して額が大きくなります。

詳しい金額に関しては、国税庁のホームページをチェックしてみましょう!

③登録免許税

「登録免許税」とは、不動産登記に掛かる税金の事です。基本的には、相続によって得た不動産を売却する場合は、売却を行う売主側ではなく不動産を購入する買主側が行います。しかし、印鑑証明書に記載の住所と実際の住所が違ったり、住宅ローンが残っていれば、それぞれ適切な手続きが必要となります。

なお、この登録免許税は1件あたり1000円ほどとそれほど費用が掛からないので、もしも該当するのであれば忘れないようにしましょう。

④仲介手数料への消費税

個人間で不動産の売買が行われれば、対象の不動産が家や土地のどちらであっても消費税は掛かりません。しかし、不動産会社を介して売却を行うのであれば、買主と売主の双方は仲介手数料を不動産会社に支払うことになりますが、これには消費税がかかります。

ここで注意したいのが、税率は同じでも額としては仲介手数料に依存するため、同じ売却金額であっても消費税額が変わるということです。

これは不動産の売買金額が「400万円以上であれば売買金額×3%+60,000円+消費税になる」と言う上限しか設定されていないからです。下限値は設定されていないため、これ以下の場合であれば仲介する不動産会社により割合が異なるので、それに従って消費税額も異なります。

そのため、相続した不動産の売却額が400万円以下なら、消費税にも差が生まれると記憶しておきましょう。

相続した不動産の売却で節税するには

次に、先ほど紹介した税金を節税できる方法を4つご紹介します。

  1. 相続税発生から3年10ヵ月以内に売却する
  2. 「取得費加算」という特例を利用する
  3. 10年超所有軽減税率という特例を利用する
  4. 取得費を明確にすることも大切

①相続税発生から3年10ヶ月以内に売却

解説したように譲渡所得税は購入から5年経っているのか、いないのかで税率が変わります。なお、5年を超えているほうが税率は低くなっています。そのため、通常の不動産売買であれば長期間保有したほうが節税になります。

ところが、これが相続した不動産であれば、相続税発生から3年10ヶ月以内に売却する事で税率が安くなります。これは取得費加算の特例を利用することで節税になるものです。詳しくは②で解説します。

②取得費加算という特例を利用

こちらはまずは、以下の条件に当てはまっているのか確認する必要があります。

  • 相続によって財産を取得した者が売却している
  • その財産を取得した者が相続税を支払っている
  • 相続開始日から3年10か月以内に売却している

そして、これを満たしていれば相続税の一部の中で売却した不動産に関わる金額を取得費に加算できます。計算式にすると次のようです。

取得費加算=払った相続税×売却した不動産の相続税評価額÷取得した相続財産総

こちらを取得費に加算できるため、相対的に譲渡所得の金額が低くなり課税額が減少するのがこちらの特例です。もしも、あなたに当てはまるのであればぜひ利用してください。

③10年超所有軽減税率という特例を利用

こちらは譲渡所得が3000万円を越えており、かつ所有期間10年以上の不動産を売却した際に、越えている譲渡所得に課税される税率が軽減される特例です。なお、こちらの対象は自宅であることも条件になっています。

課税譲渡所得が6000円以下であれば、10%が税金として課税されるので節税になっています。長く自宅として使っていたので、こちらを適応できるかもしれないので確認してみましょう。

④取得費を明確にすることも大切

相続した土地や家は、取得費のうち、かつていくらで購入されたのか分からないことがあります。細かい情報が分からない場合、譲渡価額の5%を概算取得費として計算に使い、譲渡所得を計算します。

たとえば3,000万円で売れた土地なら、概算取得費は150万円です。条件を満たせる特例がない場合、上限いっぱいの仲介手数料を含めても「3,000万円-(150万円+110万円)=2740万円」が譲渡所得となり、多額の税金がかかります

そのため、まずは購入当時の売買契約書や領収書を探しましょう。他にもローンを支払っていたのなら、住宅ローンの抵当権設定額や金銭消費賃借契約書など、取得費に関する情報を集めます。これらの情報を持って、取得費として認めてもらえるか税務署に問い合わせします。

特に土地の場合は、相続した古い家屋に比べると劣化もなく高く売れる可能性が高いため、取得費をはっきりさせることで節税に繋がるのです。

相続する前に税額をシミュレーションしてみよう!

もし不動産を相続する可能性が高く、売却を考えているという人は、事前に税額を計算しておくと資金計画が立てやすくなります。

基本的には、次の3ステップで税額が計算できます。早速見ていきましょう。

  1. 一括査定サイトを利用して相場を知る
  2. 使える特別控除を確認する
  3. 課税譲渡価格と税額をシミュレーション

①一括査定サイトを利用して売却価格の相場を知る

相続した物件を売る場合、まず最初に取り組むのが一括査定サイトを利用した相場把握です。相続した物件は状況も様々で、いわゆる公示価格などの公的な価格が参考にならないことがあります。

そこで、プロの目線で売却価格の相場を見てもらい、さらに売却後にどのくらいの税金を支払うかシミュレーションしておきましょう。どんな控除を受けられるのか、事前に把握しておけば、より資金計画が綿密に立てられます。

★不動産会社同士の比較というメリットもある

また一括査定サイトを使う上で便利なのが、目的に合わせた不動産会社を特定の地域の中からピックアップして見つけ出せることです。土地を売るなら土地売却が得意な不動産会社の方が有利ですし、中には相続した物件に手慣れた会社が見つかるかもしれません。

相続した物件売却で有利な条件をそろえてくれる、頼れる不動産会社を見つけることは不動産売却成功の近道です。一括査定サイトは無料で査定依頼が出来るため、税金を含めた資金計画や不動産会社選びのためにも、1回利用してみると良いでしょう

「今の時点では売る予定がない」という人は、今じゃなくとも、売る準備ができたタイミングで一括査定サイトを利用しましょう。不動産売買はその時の情勢や景気にも左右されるため、相場が変わる可能性があります。もし以前に一括査定サイトを利用して不動産の相場を出していたら、改めて利用して値段に変化がないかチェックすることをおすすめします。

本当におすすめできる不動産一括査定サイトを厳選5社紹介!メリット・デメリットも解説!【2020年最新版】 この記事では、数ある不動産一括査定サイトの中から、本当におすすめできる5社を厳選してご紹介しています!不動産一括査定サイトは大変多く...

②使える特別控除を確認する

間違った控除の用意をしてしまうと、書類が無駄になったり、予定より大幅に多い税金がかかったり、損をしやすくなります。そこで事前に国税庁が出す「資産税(相続税、贈与税、財産評価及び譲渡所得)関係チェックシート等」を確認しましょう。

相続税や贈与税、譲渡所得関連で必要な書類や控除について、年度別のチェックシートが確認できるため、1年前に譲渡した場合もその年度のチェックシートを確認できます。法改正で使える控除が変わる恐れもあるため、必ず自分の不動産売却に合わせて国税庁のホームページを確認しましょう。

③課税譲渡価格と税額をシミュレーション

ここでは例として、次のような不動産を相続したとして、譲渡所得税を計算してみましょう。

・旧耐震基準をクリアしている一戸建て
・親が相続直前まで暮らしていた
・2018年5月4日に相続した
・相続後、売却が完了するまで空き家のまま放置
・売却価格は土地を含めて3,000万円
・取得費は不明

まずこの条件の家の場合、3,000万円の特別控除もしくは取得費加算が使えます。すると計算式は、次の通りです。

課税譲渡所得 = 売却価格 -(取得費 + 譲渡費用)- 特別控除(3000万円の特別控除もしくは取得費加算)

ただし、取得費加算を使うほど相続税が発生することは珍しい毛^スです。そこで今回は一般的に使われることの多い、3,000万円の特別控除におけるシミュレーションを解説します。

控除を使った場合の税額シミュレーション

売却価格 3,000万円
取得費 3,000万円×5%=150万円
譲渡費用 仲介手数料:103万6,800円(うち消費税、7万6,800円 )
印紙税:1万円
特別控除 3,000万円
計算式 3,000万円 -(150万円 + 104万6,800円)- 3,000万円
課税譲渡所得 ▲254.68万円

控除を使ったところ、課税譲渡所得がマイナスとなったため、結果として税金がかからないことが判明しました。特別控除を使うには確定申告が必須ですが、それさえ忘れなければ多額の税金も回避できます。

なお、当てはまる特別控除がなかった場合は、課税譲渡所得は2,745万3,200円です。長期譲渡所得に当てはまったとしても、600万円近い税金を支払うことになります。

取得費が分からない時は概算取得費を使おう

取得費の欄で「売却価格×5%」という計算を行いました。これは概算取得費と言い、取得費に関する情報が全くない場合に使われる計算です。取得費が分からない場合は活用しましょう。

相続した不動産の税率は特例を利用すれば軽減できる

相続した不動産には、不動産売却で得た利益に掛かる譲渡所得税や売買契約書に張り付ける印紙に掛かる印紙税、また、登録免許税や仲介手数料へ掛かる消費税の4つが掛かります。

しかし、相続税発生から3年10ヵ月以内に売却し、条件を満たせば取得費加算の特例を利用できます。その他、譲渡所得が3000万円を越えており、かつ所有期間10年以上の不動産を売却であれば、10年超所有軽減税率の特例を利用できるかもしれません。

相続した不動産は特例を利用すれば税率が軽減できるので、利用できるのかを1度確認してみてください。