不動産売却はどの時期が高値か知りたい
若いうちから人生設計をして、就職して家も購入した。でも、人生なにが起こるかわからないものです。転勤や転職、家族の事情、不動産価値の上昇など、さまざまなことが人生では予期もせず起きます。
将来、転売を見越して不動産を購入しない限り、不動産を売却したい思いは突然やってくるものです。そんな場合、どの時期にどうやって購入した家を売却するのがいいのか。売却までにまだ余裕があるなら、不動産の最適な売却の時期について紹介するので、参考にしてみてください。
築年数や状態からの売却時期の判断ポイント
一戸建やマンションを売却する場合、わかりやすい時期の基準は築年数です。築年数が長いほど不動産の価格は基本的には下がっていきます。一戸建とマンションで下がり方に違いがあるので、なにが違うのかを見ていきましょう。
売却時期が早いほど高額の一戸建
新築一戸建てで購入した方は、長くこの地に住みたいと思って住宅ローンを組んで購入するのがほとんどだと思います。しかし、10年も過ぎるとあちこち傷みが出てきて修繕が必要になってきます。家族構成によってはリフォームを検討する場合もあるでしょう。
不動産売買の流通情報を提供している「公益財団法人東日本不動産流通機構」によると、中古一戸建ての売買取引が一番多いのは築11年〜15年となっています。
不動産売買による成約価格の平均でみていくと、築20年以内の物件で3,000万円台、築20年超になると2,000万円台が相場となります。築25年を超えるような一戸建では、建物の価値はほとんどなく土地だけで判断されるので、値下がりは横ばいです。高値で売却したいのなら、傷みの少ない早い時期ほど良いことになります。
築年数が20年を超えていても、以前に修繕をしたことがあるのなら、購入希望者に説明できるようにしておきましょう。古い一戸建は修繕負担のリスクがあるから、安くなりやすいのです。修繕の記録を残して購入希望者に説明できれば、大きく値下げをして売却する必要はありません。
築10年前が売却時期となるマンション
戸建ては年々同じ幅で売却価格が下がるのに対して、中古マンションの場合は、大体5年刻みで20年間あたりまで下がっていき、それ以降の下落は小幅か横ばいになる傾向にあります。
マンションの売却時期でポイントとなるのが、大規模な修繕時期がせまる築10~15年の物件です。修繕費が増額されるリスクがあるので、大きく値下げしないと売却が困難になります。設備などが新築と変わらないプレミア感がある築5年未満や、コスパの良さで買主の需要がある築10年未満が、マンションの売却時期となります。
ただし、マンションにしても戸建てにしても、住宅ローンを返済しているか、売却益で返済した上で多少の利益が出る見込みがないと売却は難しいです。売却した物件のローンと新しく購入した物件のローンを両方支払うのは、資金計画として難しい場合が多いので、十分注意しましょう。
市況から売却時期を判断するポイント
市況とは主に不動産市場の売買状況に加え、内外の経済的影響や国内の政策による影響などから、売却時期を考えることを指します。消費税増税、オリンピックなどによる景気の動向、1年を通した需要の動向のから最も高く売れる時期について見ていきましょう。
消費税増税となる2019年10月前が狙い目
政府は2019年10月に現在8%の消費税を10%に引き上げることを掲げています。新築物件の売買には消費税がかかる為、人生で最も大きな買い物となる不動産の消費税が2%も上がるのは非常に大きな問題です。
10月の前か後で税金だけで数十万円も差が出るなら、増税前に買いたいのが心情です。その為、中古物件では主に個人間の売買になるため、消費税が物件にかかるケースはあまりありませんが、不動産市場全体が活気づくことで、売却価格が上がる期待ができる為、増税前に売り抜くのが狙い目と言われています。
景気動向や株価から売却時期を考える
景気が良くなれば物の価格も上がり、不動産価格も上がります。景気が悪くなればその逆です。景気の動向は株価にも反映され、日々上がったり下がったりを繰り返しています。
近年は、マイナス金利政策の上に2020年の東京オリンピック需要もあり、首都圏を中心に不動産価格は好調に推移してきました。2025年大阪万博も決まり、公共投資による建築需要は依然として高く、不動産価格の高止まりはしばらく続くと見られています。
ただし、日々経済は動いており、不動産市場もなんらかの要因で下落することも考えられます。また国の金融政策の転換があれば大きく影響を受けるので、不動産の売却を検討するなら景気や政策の動向もチェックしておきましょう。
異動や転勤がある1月~3月
1年を通して見ると人の動きから売却しやすい時期というのがあります。その時期を外すと売却できないというほど差異は見られませんが、成約件数や価格の面で集中高騰する時期について知っておきましょう
就職や入学、異動、転勤などで最も人が動く年度はじめの4月に向けて、1月〜3月が不動産売買が活気づく時期です。子どもの成長や独立による家族構成の変更なども影響して、この時期だと買主が見つかりやすくなっています。売却準備に余裕があるなら、冬の間に不動産会社とのやり取りや、内覧準備を終えておくと良いでしょう。
9月も会社などで異動が多い時期なので、梅雨明けて準備をはじめて7〜8月あたりが狙い目の時期となっています。特に2019年度は消費税増税が予定されているので、4月前から9月まで高い需要が見込まれます。
田舎にある相続した不動産は早期に売却
両親から相続した不動産が田舎にあるのなら、早期に売却活動を開始してください。なぜなら人口減少に伴い過疎地での空き家が社会問題になっており、いくら値下げしても売却できない場合があるからです。過疎地ではよほどのことがない限り、需要が増えることはないので売却を急ぎましょう。
需要が増えないだけでなく、不動産は所有しているだけで固定資産税などがかかってきます。売却がいつまでもできないと、税金の支払いも続いてしまいます。
費用がお得になる不動産売却の時期から判断
不動産の売却では、売主の買主の双方にさまざまな税金や費用がかかります。しかし不動産の所有期間や築年数で適用できる控除があり、余計な出費を節約することができます。どんな時期ならお得になるのかを紹介していきます。
所有期間が5年越えなら利益に減税措置
不動産を売却するとその利益である「譲渡所得」に対して、住民税と所得税がかかります。この2つの税金は、所有してから売却するまでの期間で税率が変わり、5年を超えると半分程度まで節税できます。
所有期間 | 住民税 | 所得税 |
5年以下 | 9% | 30% |
5年を超えている | 5% | 15% |
税金の計算方法は
譲渡所得=売却価格-(不動産の取得費+売却にかかった費用)
支払う税金=(譲渡所得-特別控除)×税率
となっています。特別控除は不動産の売却状況によって800万円~5,000万円まで適用でき、支払う税金を減らすことができます。マイホームの売却だと3,000万円特別控除が使えるので、譲渡所得が3,000万円を超えるようなら、所有期間も気にするようにしてください。
譲渡所得が3,000万円以上のマイホームの売却なら、3,000万円の特別控除を使った後に、さらに減税の措置が用意されています
10年を超えて所有している場合 | 住民税 | 所得税 |
特別控除後の利益で6,000万円以下の部分 | 4% | 10% |
特別控除後の利益で6,000万円を超える部分 | 5% | 15% |
不動産を所有してから5年以内の時期での売却は、取得した時より高額で売却できそうでも、税金で損をしてしまうかもしれません。
買主が住宅ローン控除を使える時期に売却
不動産売却では、買主がローンで購入を検討している場合、住宅ローン控除という制度が用意されています。この制度を使えば、収入に対して年間最大40万円の控除を10年間受けられます。
住宅ローン控除を受けられる条件は
- 中古の一戸建は築20年以下、マンションは築25年以下
- 物件の登記簿上の床面積が50㎡以上
- 控除が適用される年の年収が3,000万円以下
- 住宅ローンを10年以上で組んでいる
登記簿上の床面積が50㎡以上の物件の売却を検討しているなら、該当する築年数以内で売却しないと、需要が減ってしまいます。
不動産売却の際の確定申告の時期
不動産を売却して利益が出たら必ず確定申告をしましょう。確定申告は1月1日から12月31日までに売却した不動産の利益を、翌年の2月中旬〜3月中旬までの間に管轄している税務署に行う必要があります。正確な日付は毎年曜日によって前後するから、事前に確認をしてください。
もし、不動産を売却して利益を得たのに申告を忘れると、無申告加算税や延滞税を追徴されるので気をつけましょう。売却して損失が出た場合は、確定申告をする義務はありません。ただし、申告することで本来収める税金を安く抑えられたり、要件を満たすと還付を受けられたりします。損をしたからと諦めず、確定申告をしてみるのも1つの手です。
不動産売却をする時期の成功と失敗談
ここまで不動産売却を刷る時期について紹介してきました。では実際に紹介した時期に売却した人としなかった人で、どんな結末が待っているのでしょうか。リアルな体験談を紹介します。
狙った時期に売り出して高額での売却
妻と子どもの3人で暮らすため、新築のマンションを購入したけれど、子どもが大学進学で1人暮らしを始めてしまい、妻と2人で住み続けるには広すぎる間取りでした。購入してからまだ4年だったけれど、不動産会社の勧めもあって売却をすることにしました。
まだ設備の劣化を感じることはなく室内はキレイで、周囲の開発が進んでいることもあって、購入した価格より高値で売却することができました。資金に余裕があったので新しい家選びも選択の幅が広がり、今は妻と快適に暮らしています。
時期を逃して想定外の値引きで売却
急に仕事で4月から転勤しなければならなくなり、自宅を売却することにしました。転勤先の住居を確保してからの売却活動になったので、準備のせいで広告を出すのが5月以降になってしまいました。
需要がある時期を外しているせいか、売却活動を開始してから2カ月経っても内覧希望者が現れなかったです。売却を急いでいたため何度も値下げを繰り返し、想定よりも200万円安い価格で売買契約を結ぶことになってしまいました。
不動産売却を成功させるなら一括査定
不動産売却は時期を見きわめるだけでは、途中で躓いてしまいます。不動産の相場調べから、不動産会社との契約、買主との交渉、確定申告など、専門知識が必要な場面が多々あります。
これらの問題を解決し不動産売却で成功したいなら、一括査定を使うことをおすすめします。一括査定を使えば売却したい不動産の相場がわかり、優良な不動産会社も絞り込めます。
優良な不動産会社なら、こちらの要望に沿った交渉を買主としてくれたり、売却プラン作りで税金の相談にも乗ってくれたりするため専門知識がなくても不動産売却に挑めます。
また、もし不動産会社に売却の相談に行く時期が遅くても、買主を見つけるための戦略を立ててくれるので大損することはないでしょう。
おすすめの一括査定サイト3選
サイト名 | 利用者数 | 対象エリア | 提携会社数 | 同時依頼数 |
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地方・地域密着型の中小規模不動産業者にも対応しているので、都市部以外に所在しているマンションや一戸建てなどの不動産を売却したい人におすすめです。
利用者数 | 1,000万人 |
対象エリア | 全国 |
提携会社数 | 1,700社 |
同時依頼数 | 6社 |
取引件数 | 非公開 |
顧客満足度 | 98% |
運営会社 | 株式会社Speee (Speee, Inc.) |
サイト内では一戸建てや土地など、物件の種類別に売却手順の説明も掲載されています。しつこい勧誘があったなど、評判の悪い不動産会社は登録から外されているので安心です。
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利用者数 | 400万人以上 |
対象エリア | 全国 |
提携会社数 | 1,700社 |
同時依頼数 | 6件 |
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顧客満足度 | 97% |
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都心部だけでなく、地方の物件を売却したい人にもおすすめです。また、査定を依頼した不動産会社からの営業連絡を断りたい際に、代わりに断ってくれる「お断り代行」サービスがあるため、営業電話を断りにくい人におすすめです。
なお、依頼先の不動産会社は自分で選べる仕組みとなっています。
リビンマッチ:利用したいサイト第1位
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対象エリア | 全国 |
提携会社数 | 1,400社 |
同時依頼数 | 6件 |
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顧客満足度 | 98% |
運営会社 | リビン・テクノロジーズ株式会社 |
全国展開しているような大手の不動産業者ではなく、どちらかと言えば地域に密着した中小規模の不動産会社の登録が多いので、相続などによる地方の不動産の売却を考えている人におすすめです。
不動産売却の時期は築10年までの1月~3月がベスト
不動産は築10年以内に売却すると高値で取引ができます。時期としては年度初め前の1〜3月が望ましいでしょう。しかし、事情があって売却を考える際はなかなか悠長なことも言っていられません。
売却は購入した不動産会社に依頼しがちですが、大小さまざまな不動産業者に見積もりを依頼してみるのも価格を上げる面では有効です。インターネットの一括査定を上手に活用して、大切なあなたの不動産をより良く売却できるようにしましょう。
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