土地売却

土地を売却する時のコツや注意点を理解してスムーズに売却しよう

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田舎の土地を相続したがどうすればよいのかわからない、税金の支払いが負担になるのでなんとか手放したい、そう考える人も多いと思います。

そして、遠く離れた場所にある土地を相続した時には、活用することも住むこともできずに持て余している人も多いのではないでしょうか。

土地は所有しているだけでも毎年、税金の支払う必要があります。

少しでも余計な支払いをなくすためには、活用していない土地は早めに売却することがおすすめです。

ここでは土地をスムーズに売却する方法や高く売るためのポイントなど、手続きや流れに関しても解説しています。

所有している土地の売却や活用を考えているのなら、ここの記事を参考にして少しでも解決の糸口を見つけましょう。

土地を売却して税金を納めるまでの流れ

土地を売却する時のおおまかな流れは以下のようになります。

売却時の流れを理解しておくと、手続きをスムーズに進められます。

また、安く売りすぎて損をしたり、トラブルに巻き込まれる可能性も下げられます。

  • 土地の状況の把握(相場価格・権利関係・物理的状況)
  • 不動産会社を探す
  • 不動産会社へ査定を依頼する
  • 不動産会社と媒介契約を結ぶ
  • 売出価格を決める
  • 売却活動を始める
  • 売買契約を締結する
  • 決済・引き渡し
  • 確定申告

土地を売却する時の流れ

土地の売却を行う時には、所有している土地の状況を把握し、事前準備を行うことが大切です。

そして、その土地の売却に合った不動産会社を選ぶことが重要です。

優良な不動産会社が選べれば、売却の手続きをサポートしてもらえるとともに、スムーズに売却するためのアドバイスも受けられます。

土地の状況の把握

初めに土地の価格がどれくらいなのか相場価格を確認しましょう。

また、土地の面積や権利関係を登記事項証明書を取得して調べておきます。そして、売却に必要な書類の準備を始めましょう。

不動産会社を探す・査定を依頼する

不動産会社を選ぶ時には、所有する土地の地域で売却実績があるか、土地の売却を得意としている不動産会社かを確認してを選ぶとよいでしょう。

また、不動産会社を選ぶ時には、複数の不動産会社に査定を依頼して、査定額や担当者の対応などを比較して選びましょう。

売出価格を決める・売却活動を行う

提示された査定額や調べた相場価格を参考にしながら売出価格を決めます

この時、価格が高すぎると売れなかったり、低すぎて損をしないように適正な価格設定が重要です。

その後、不動産会社は、物件情報をポータルサイトやレインズに登録して売却活動を行います。

売買契約を締結する

購入希望者が現れて契約内容に合意が得られると、売買契約を締結します。

売買契約の際には重要事項説明が行われるので、内容を確認し署名・押印します。

重要事項説明書や売買契約書は間違いがないか、疑問点がないかを事前に確認し解決しておくとスムーズに契約が行えます。

決済・引き渡しを行う

決済の日には、公租公課の精算を行い代金の残額が支払われます。

この際、土地の購入時に住宅ローンを利用していて残債がある場合には、一括返済を行い抵当権の抹消登記を行います。

その後、所有者移転登記を行い引き渡しが終わると、売買の手続きは完了します。

確定申告を行う

土地を売却して利益がある場合には、その翌年の2月16日から3月15日の間に確定申告を行い税金の支払いがあります。

また、損失が出た場合には、その損失を他の所得と損益通算や繰越控除ができる可能性があるので、不動産会社や税理士に相談の上確定申告を行うとよいでしょう。

土地売却後の確定申告に必要な書類は?得する知識では、損をしないためのポイントについても解説しています。

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売却した土地の相場を調べる方法

土地の売却では、損をしないためにも事前に所有している土地がどれくらいの価格で売れるのかを調べておくことが大切です。

近隣の過去の売却実績調べに土地総合情報システム

土地の売却を行う時には、売却するエリアで同じような条件の土地がどれくらいの価格で取引されているかを調べることが大切です。

事前にエリアの相場価格を確認できれば、安く売りすぎて損をすることもありません。

また、査定を依頼した時の査定額が妥当なものかの判断材料となります。

土地の実際の取引価格を調べるのなら国土交通省が運営する「土地総合情報システム」が適しています。

このサイトでは、所在地や最寄り駅からエリアを選んで、面積や土地の形状などを見ながら所有する土地と類似した土地を探せます。

また、地図上から検索することも可能なので、そのエリアでの取引状況を確認することもできます。

そして、過去6年間の指定したエリアの土地取引価格の概況も確認できます。

この概況で表示される中央値を見れば、そのエリアでの土地の価格が上昇しているのか下降しているかがわかるため、売る時期のタイミングを見るのにも役立ちます。

この「土地総合情報システム」に掲載されている情報は、アンケートによって実際に取引を行った人から情報が提供されたものを集計したものです。

そのため、取引総額については土地の固有の要因や売却する人の状況にも大きく影響を受けていることを留意する必要があります。

売買価格については土地売買価格の決め方は|相場を調べる3つの方法を徹底解説でより詳しく解説しています。

一括査定を使って価格を比較する【おすすめ】

不動産会社には、得意なエリアや得意なジャンルがあり、その得意分野に合った不動産だと売却実績も多く高く売却できる可能性があります。

しかし、不動産会社を選ぶと言っても、一社一社実績等を調べていると時間も手間もかかります。

また、比較するためには、複数の不動産会社に査定を依頼するのですが、所有する不動産会社を売却できる不動産会社を複数同時に探すのはとても大変です。

そこで便利なのが「不動産の一括査定」です。

一括査定のサイトを利用すると、そのサイトが窓口となり複数の不動産会社に一度に査定が依頼できます。

土地の売却を検討している人の中には、親から相続した地方にある土地の売却を検討している人もいるでしょう。

遠隔地に土地がある場合でも、その土地の売却に適した不動産会社を自動的に選んで、その中から希望する不動産会社を選んで査定が依頼できます。

一括査定を利用することで、査定額を比較して検討することができますし、相場価格を把握することもできます。そして、最も早く簡単に査定を依頼できる方法です。

固定資産評価額から計算をする

土地の実勢価格を調べる時には、固定資産税を参考にして計算する方法があります。

不動産には固定資産税評価額が各市町村ごとに決められていて、毎年、1月1日にその不動産を所有している所有者に課税されます。

所有者には、固定資産税納税通知書が毎年5月から6月頃に送付されます。その中の課税明細書の中の価格の欄が固定資産税評価額になります。

また、その不動産がある市区町村で固定資産税評価証明書を取得して確認する方法もあります。

取得の際には、窓口か郵送での申請になります。

申請書と本人確認書類、手数料を提出すると取得できます。ただし、取得できるのは、所有者本人のみです。本人以外の人が申請する場合には、委任状が必要です。

また、相続人が取得する場合には相続人であることを証明する書類が必要になるので注意しましょう。

そして、手数料は市区町村によって異なるので事前に確認が必要です。

役場にある固定資産税台帳を閲覧して調べることも可能です。この場合にも、手数料と申請書、本人確認書類を提出すると閲覧できます。

そして、固定資産税評価額は実勢価格のおよそ70%が目安とされています。

そのため、調べた固定資産税評価額を70%で割ると、おおよその相場価格の予測がつきます。

土地の評価額は固定資産税評価額以外にも種類があり、それぞれ異なるのが特徴です。土地の評価額と売値の違い。高く土地を売却するためのコツを解説にて、どう違うのか解説しています。

土地の売却事例を紹介

実際の土地の売却事例を首都圏と地方都市で分けて見てみましょう。

首都圏の土地の場合

エリア 最寄駅 取引総額 土地の形状 目的 面積 取引時期
新宿区北新宿 東中野 4,000万円 長方形 住宅 55平方メートル 平成30年12月
文京区小石川 後楽園 7,800万円 長方形 住宅 55平方メートル 平成30年6月
文京区小石川 茗荷谷 4,100万円 台形 住宅 85平方メートル 平成30年6月
文京区千石 千石 3,200万円 長方形 住宅 75平方メートル 平成30年6月

売却事例を調べると取引時期や取引総額、その土地の利用目的などがわかります。取引時期や形状、面積などを見ながら同じような条件の土地を見ることで、おおよその価格の予測ができます。

地方の土地の場合

エリア 最寄駅 取引総額 土地の形状 目的 面積 取引時期
岡山市北区大元 大元 2,400万円 長方形 住宅 210平方メートル 平成30年12月
岡山県北区岡南町 岡山 1億円 長方形 店舗 740平方メートル 平成30年6月
岡山県北区今 大元 1,800万円 長方形 住宅 110平方メートル 平成30年1月
岡山市絵図町 岡山 6,500万円 長方形 住宅 260平方メートル 平成30年9月

土地は所在するエリアによってどれくらいの土地の大きさが売れやすいかも変わります。

地方の都市だと首都圏に比べて土地自体の価格も安くなるため、比較すると大きな面積の土地が取引されているのが分かります。

土地を売りやすくするためには、所有する土地の面積を把握しそのエリアで需要がある大きさかも考慮に入れることも大切です。

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おすすめの一括査定サイト3選

サイト名 利用者数 対象エリア 提携会社数 同時依頼数
イエウール 1,000万人 全国 1,700社 6件
イエイ 400万人以上 全国 1,700社以上 6件
リビンマッチ 440万人 全国 1,400社 6件

イエウール:全国1,700社以上に対応

地方・地域密着型の中小規模不動産業者にも対応しているので、都市部以外に所在しているマンションや一戸建てなどの不動産を売却したい人におすすめです。

利用者数 1,000万人
対象エリア 全国
提携会社数 1,700社
同時依頼数 6社
取引件数 非公開
顧客満足度 98%
運営会社 株式会社Speee (Speee, Inc.)

サイト内では一戸建てや土地など、物件の種類別に売却手順の説明も掲載されています。しつこい勧誘があったなど、評判の悪い不動産会社は登録から外されているので安心です。

イエイ:お断り代行サービスを提供

大手不動産会社だけでなく、地域に密着した地方に強い不動産会社への査定も一括で依頼できます。

利用者数 400万人以上
対象エリア 全国
提携会社数 1,700社
同時依頼数 6件
取引件数 1,000件以上
顧客満足度 97%
運営会社 セカイエ株式会社

都心部だけでなく、地方の物件を売却したい人にもおすすめです。また、査定を依頼した不動産会社からの営業連絡を断りたい際に、代わりに断ってくれる「お断り代行」サービスがあるため、営業電話を断りにくい人におすすめです。

なお、依頼先の不動産会社は自分で選べる仕組みとなっています。

リビンマッチ:利用したいサイト第1位

都道府県別に、このサイトに登録している不動産会社の情報をあらかじめ調べることができ、その中から売却査定実績の多い不動産会社を選べることが特徴です。

利用者数 440万人
対象エリア 全国
提携会社数 1,400社
同時依頼数 6件
取引件数 14万件(年間)
顧客満足度 98%
運営会社 リビン・テクノロジーズ株式会社

全国展開しているような大手の不動産業者ではなく、どちらかと言えば地域に密着した中小規模の不動産会社の登録が多いので、相続などによる地方の不動産の売却を考えている人におすすめです。

土地を売却するために必要書類

土地を売却する際には、多くの書類が必要になります。

事前に準備しておくことによって売却の手続きをスムーズに進められます。

また、土地が共有になっている場合には、共有者全員の印鑑証明書や実印、住民票、身分証明書が必要になるため、時間がかかる場合があるので注意しましょう。

不動産会社が用意する書類

書類 取得場所 取得費用 目的・注意事項
売買契約書 不動産会社 売買契約を行うため
重要事項説明書 不動産会社 物件情報や取引条件などの重要事項の説明を行うためのもの
登記事項証明書(登記簿謄本) 不動産会社 600円 不動産の情報の確認のため
地図(公図) 不動産会社 450円 不動産の情報の確認のため

登記事項証明書や地図(公図)は、査定を依頼した時に不動産会社が代わりに取得することがほとんどです。

これらの書類は窓口での申請だと上記金額になりますが、オンラインで申請すると手数料が少し安くなります。

自分で用意する書類

書類 取得場所 取得費用 目的・注意事項
身分証明書 写真付きのもの。本人確認のため。
印鑑証明書 市区町村役場 300円 3カ月以内のものを用意
実印 売買契約書等の押印のため
住民票 市区町村役場 300円程度 登記上の住所と現住所が異なる場合に必要。(地域によって手数料は異なる。)
登記済み権利証・登記識別情報 不動産購入時に入手 不動産の所有者であることを証明する書類
固定資産税納税通知書 5,6月頃に1月1日時点の所有者に送付 税額の計算の際に使用
固定資産税評価証明書 市区町村 400円 所有者本人以外が申請する際には委任状が必要
土地測量図・境界確認書 土地家屋調査士 以前測量や境界確認が行われた際の書類があれば用意する。
ローン残高証明書か返済予定表 借入をしている金融機関 毎年、秋ごろになると送付されてくるローン残高証明書を用意する。紛失した場合は、返済予定表でも代用可。残債を返済し抵当権を抹消するために必要。
銀行口座の通帳 決済に利用する銀行口座の通帳を用意する

所有者が一人であれば、不動産購入時に入手した書類と市区町村で入手できるものがほとんどです。

ただし、土地の境界線が不明確な場合には、測量を行い境界確認書を作成しておくとスムーズに売却できます。

この測量や境界を確定するには3カ月以上かかることもあるので、測量を行うかどうかは早めに不動産会社に相談するとよいでしょう。

必要書類や実費については不動産売買に必要な書類の取得方法とは|期間や実費まで紹介でも紹介しています。

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土地を売却する不動産会社の選び方

土地を売却する時に一番重要なことが不動産会社の選び方です。

依頼する不動産会社で売却価格や売れるまでの期間が変わるので慎重に選びましょう。

相場に合った査定結果を出している

不動産会社に査定を依頼した時に、特に注意したいのが高額の査定を出す不動産会社です。

不動産会社が出す査定額はばらつきがあることがほとんどですが、飛びぬけて高い金額には注意しましょう。

まれにその不動産会社がそのエリアの土地売却に長けていて、顧客をすでに確保している場合もあります。

しかし、専任媒介契約を結びたいがために高額の査定を出す不動産会社もあります。

査定額どおりに売却できればよいのですが、ほとんどの場合、査定額と同じ価格で売却できるわけではありません。

そのため、高額の査定額に惑わされて契約し、売れなくて値下げをするということが多くあるのも事実です。

そのため、不動産会社から査定額が提示された時には、なぜその査定額になるのか根拠を確かめることが重要です。

周辺の売買実績などから根拠を明確に説明できるなら、信頼できる査定額を示しています。

しかし、人気があるからなど抽象的な言葉で説明している場合は、本当にその金額で売却できるのか疑うべきです。

査定を依頼する時には、複数の不動産会社に依頼して納得のできる説明が出された不動産会社を選ぶことが大切です。

土地の売却が得意分野の不動産会社か

不動産会社というと、家を建てて売っている、家の売買の仲介をしているというイメージを持つ人が多いのではないでしょうか。

しかし、不動産会社全てが家を売っているわけではなく、賃貸物件の管理をメインとして行う会社もあれば、商業施設の開発を行う不動産会社もあります。

そして、仲介を専門とする不動産会社の中でも、マンションの取り扱いが多い不動産会社や、土地を専門に扱う不動産会社などそれぞれに得意分野があります。

土地の売却を依頼するのであれば、土地の売却実績が多い不動産会社を選ぶことが、早期に高値で売却するポイントになります。

そして、エリアによっても不動産会社の得手不得手があるので、売却する物件が都市部にあるのか、郊外にあるのかでも選ぶ不動産会社を変える必要があります。

例えば、大手であれば資金力や人材力、情報量では中小の不動産会社に勝り、都市部の不動産であれば早く売却できる可能性があります。

また、中小の地域密着型の不動産会社であれば、その地域の情報には誰よりも精通していて、郊外の不動産でもより高くスムーズに売却できることもあります。

このようにエリアや所有する不動産の種類に合わせて不動産会社を選ぶことで、高く早期に売却できる可能性が高くなります。

評判がよく信頼できる営業マンがいるか

不動産会社を探す時に、本当にその不動産会社に依頼して良いかを確認するために、口コミ情報を調べる人は多いのではないでしょうか。

そして、口コミ情報には良いものも悪いものも、ほとんどが営業担当者に対する情報が多く掲載されています。

このことから、不動産会社の良し悪しは担当する営業マンに左右されることがうかがえます。

実際、不動産会社に売却を依頼して、売却活動や手続きを進めるために連絡を取ったり、アドバイスを受ける時には営業担当者とコンタクトを取ります。

そして、その担当者の人柄や行動、土地の売買に対する知識などが売却価格や期間に大きく影響します。

そのため、不動産会社を選ぶ時には、担当する営業マンが信頼できるかどうか見極める必要があります。

これは、査定額が提示された時に、実際に話しながら確認することになります。

査定の根拠を尋ねたり、販売戦略を聞いた時に、売主の状況を考えた売却プランや売却価格を提案できるかが重要です。

また、土地の売却では書類を準備したり、多くの手続きがあります。

しかし、素人の方にとってはとても煩雑でわかりにくいものもあります。

そのような疑問点や手続きの際の注意点をわかりやすく丁寧に説明できるかも重要です。

誰にでもわかりやすく説明ができる人なら、買主に対しての物件のアピールも適切に行うことができて、より高くスムーズに売却できる可能性が上がります。

免許番号・行政処分を確認する

不動産会社は宅地建物取引業を行う場合、国土交通大臣か都道府県知事による免許の交付を受けないと営業できません。

そのため、通常、店内に免許番号や更新回数が表示された宅地建物取引業者票があるはずなので、確認しましょう。

そして、この免許は5年ごとの更新が必要で、更新ごとに表示される更新回数が増えていきます。

この更新回数は営業範囲が変わって、免許権者が変わるとまた1から始まります。

そのため、一概に免許の更新回数が少ないからと言って、営業期間が短いわけではありません。

原則、1つの都道府県の中にしか営業所がない不動産会社の場合には、都道府県知事から免許の交付を受けます。

それに対して、2つの都道府県以上に営業店舗を構えている場合には、国土交通大臣からの交付になります。

そのため、営業規模の拡大や縮小によって、この更新回数はリセットされることになります。

更新回数が大きいものは長く営業していると判断できますが、小さいからと言ってよくない不動産会社と考えるのは危険です。

あくまで参考程度にしましょう。

そして、不動産会社を選ぶもう1つの基準が行政処分歴があるかどうかです。

これは、宅地建物取引業に違反した場合に、免許権者によって行われるものです。

その不動産会社が行政処分が行われるようなことを行っているかどうかも選ぶ時の判断基準になるでしょう。

ただし、行政処分によって改善されていることもあります。

そのため、行政処分歴だけでその不動産会社を判断するのではなく、実際に店舗をのぞいて対応などを見てから判断することをおすすめします。

また、宅地建物取引業者のほとんどは業界団体に加盟しています。

団体への加盟には厳しい審査があるので、業界団体に加盟していることがわかれば信頼できる不動産会社だと判断する1つの材料になります。

不動産会社探しに一括査定サイトの活用を考えている場合は、不動産売却一括査定サイト10社を比較!選び方も紹介も参考になるでしょう。

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不動産売却時の3種類の契約方法

一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
契約期間 特になし。行政指導では3カ月 3カ月 3カ月
レインズへの登録 任意 媒介契約締結の翌日から7日以内 媒介契約締結の翌日から5日以内
報告義務 特になし 2週間に1回 1週間に1回
自分での買主を探しての取引 それまでにかかった費用を支払うことで可能 不可

媒介契約は3つに分かれていて、売却時の状況に合わせて売主が選べます。

不動産会社を競わせて高く売却したいなら一般媒介契約

メリット デメリット
 

・一番よい条件の買主を選ぶことができる

・より早く高く売れる可能性がある

 

・契約した不動産会社全てと連絡を取る手間がある

・宣伝に費用がかけられず買主が見つかりにくい場合もある

駅近くの物件や利便性の高いエリアの物件など、人気があってすぐにでも売れそうな不動産の場合には、一般媒介契約が適しています。

一般媒介契約の場合、複数の不動産会社と重ねて契約できるのが最大の特徴です。

そして、すぐに売れそうな人気のある物件なら手間も費用もかからずに買主を見つけられる可能性が高いので、不動産会社は競って買主を探します。

そのため、不動産会社同士の競争意識が働いてより高く早く売れる可能性があります。

ただし、不動産会社は売買契約が成立しないと仲介手数料を得ることができません。

そのため、宣伝費用なども本当に契約が取れるかわからない案件では、あまり費用をかけられない場合があります。

また、不動産会社によっては、契約が取れるかどうかわからないということで、売却活動に力が入らない場合もあります。

そして、一般媒介契約では報告義務がないので、不動産会社の活動内容が把握しにくいというデメリットがあります。

そのため、一般媒介契約で売却活動を行う時には、どのような活動を行っているか売主から積極的に確認することも大切です。

そして、もし、3カ月で買主が見つからないようであれば契約している不動産会社を見直すことも重要です。

積極的に売却活動に期待できる専任媒介契約

土地の売却を依頼する際に、不動産会社と専任媒介契約を結ぶと契約期間中は他の不動産会社に依頼することはできません。

そのため、選んだ不動産会社の力量で販売期間や売却金額が大きく左右される契約です。

メリット デメリット
 

・一社だけの契約なので販売活動に力を入れてもらえる

・自分が見つけた買主とも取引できる

 

・選んだ不動産会社によって販売期間・売却金額に大きく影響する

・囲い込みが行われることもあり

専任媒介契約を結ぶと、売買契約が成立すれば確実に報酬が手に入ります。

そのため、広告などにも費用をかけて積極的に販売活動を行ってもらえます。

しかし、中には手数料が手に入ることを見込んで、あまり販売活動に積極的でない不動産会社もあります。

そのため、専任媒介契約を結ぶ時には、その不動産会社が本当に信頼できるかどうかが重要です。

また、レインズへの登録義務が7日以内と義務づけられているため、早い時間で広く物件情報が拡散されます。

専任媒介契約では2週間に1度の報告義務があります。その際に、どのような販売活動が行われているかや、どれくらいの問い合わせがあるかなどきちんと確認するようにしましょう。

もし、適正価格で売り出しているのに問い合わせが1件もないなどという場合には、適切な販売活動がされているかを確認するべきです。

売却相手は制限される専任専属媒介契約

メリット デメリット
 

・宣伝広告に費用をかけられる

・積極的に売却活動が行われる

 

・販売力がない不動産会社を選ぶと希望する期間や金額で売れないことも

・囲い込みが行われることも

3つの媒介契約の中で最も制限があるのが専属専任媒介契約です。

この契約の特徴は自己発見した買主との取引が認められないところです。

専任媒介契約と同様に一社のみとの契約となるため、専属専任媒介契約を結ぶ時には慎重に不動産会社を選びましょう。

売主にとっても不動産会社にとっても制約の多い契約方法ですが、比較的早期に売却できるというメリットがあります。

また、専任や専属媒介契約では、売却の際のハウスクリーニングのサービスがあったり、買取保証があったりと一般媒介契約にはないサービスが付いている場合があります。

そのため、立地が悪い不動産や活用がしづらく買い手が見つからない不動産などの売却を依頼する時には、この契約が適しているでしょう。

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土地売却時にかかる費用・税金

土地を売却する時には、さまざまな費用がかかります。

そのため、売却代金がそのまま全額手元に残ることはありません。

費用の中で一番大きなものが仲介手数料です。他にも、印紙税や登録免許税がかかります。

また、土地の購入の際に住宅ローンを利用している場合には、一括返済を行う時に支払う手数料や司法書士に抵当権の抹消登記を行うための報酬も必要です。

売却価格 – 仲介手数料 – 印紙税 – 登記費用(登録免許税含む)- ローン返済の手数料 = 売却益

純粋に手元に残る利益は上記の計算式で計算できます。他にも土地の売却の際に測量が必要な場合には、その費用もかかります。

下記のように売却の際には多くの費用がかかるので、事前にどれくらいになるかを計算しておけば、資金計画がスムーズに立てられます。

必ずかかる費用 状況に応じてかかる費用
・仲介手数料
・印紙税
・登録免許税
・譲渡所得税
・司法書士への報酬
・測量費
・振込手数料

仲介手数料

土地を売却する時に一番費用として大きなものが仲介手数料です。仲介手数料は売却金額に応じて金額が変わります。

仲介手数料 = (売却価格 × 3% + 60,000)× 1.08(消費税)

仲介手数料の上限金額は上記の計算式で求められます。そして、この上限金額を超えては請求することはできません。

(3,000万円 × 3% + 60,000円)× 1.08 = 103万6,800円

3,000万円で土地が売却できた時の仲介手数料の上限金額は上記のようになります。

そして一般的に不動産会社は上限額を請求します。

この仲介手数料の値引きは売買契約時に交渉しても値引きされることは少ないです。

なぜなら、仲介手数料は、仲介を主に扱う不動産会社にとっては最も大きな収入源です。

そして、不動産の売却活動を行う際の広告費や人件費などもここから出ています。

そのため、値引き交渉を行うのであれば、媒介契約の前に仲介手数料の金額を確認し、他社と比較して交渉しなければなりません。

高値で売却できる可能性が高い物件であれば値引き交渉に応じてもらえることもあります。

ただし、あまり執拗に値引きを交渉すると不動産会社のやる気も損なわれますし、サービスの低下につながるので注意しましょう。

印紙税(印紙代)

売却金額 本則税率 軽減税率
500万円を超え1,000万円以下 10,000円 5,000円
1,000万円を超え5,000万円以下 20,000円 10,000円
5,000万円を超え1憶円以下 60,000円 30,000円
1億円を超え5億円以下 10万円 60,000円

不動産取引を行う際の売買契約書は課税文書に該当するため、売買契約書を作成した時に売却金額に応じた印紙を貼付して印紙税を納めなければなりません。

そして、印紙を売買契約書に貼り消印することで納税したことになります。なお、2020年3月31日までに作成される売買契約書に関しては軽減税率が適用されます。

一般的に売買契約書を作成するとオリジナルには印紙税の納税が必要です。不動産取引の際に売買契約書を1通作成し、オリジナルを買主が、コピーを売主が保管することで印紙代を節税することができます。

登録免許税(所有権移転登記・抵当権抹消登記)

登記内容 税率
所有権移転登記 20%
抵当権抹消登記 不動産1件につき1,000円

一般的に土地の売却の際に必要になる登記には、所有者移転登記と抵当権抹消登記があります。

抵当権抹消登記は、売主が土地の購入の際にローンを組んでいる場合に必要な登記です。この抵当権の抹消登記を行わないと土地を売却することができません。

抵当権抹消登記は不動産に1件に付き1,000円なので、戸建ての売却の際には土地と建物で2,000円になります。

そして、所有権の移転登記の費用は一般的に買主が負担するものですが、この際の登録免許税は固定資産税評価額の2%になります。

987万6,789円が固定資産税評価額である時の土地の所有権移転登記の登録免許税

987万6,000円 × 2% = 19万7,520円
※100円未満切り捨て 19万7,500円となる。

例えば、土地の固定資産税評価額が987万6,789円の登録免許税を計算すると上記のようになります。

固定資産税評価額は、計算の際に1,000円以下は切り捨てます。なお、計算後の税額の100円未満も切り捨てとなります。

譲渡所得税

土地の売却では利益が出るとその利益に対して譲渡所得税が課税されます。この譲渡所得税の税率は土地の所有期間によって長期譲渡所得と短期譲渡所得に分けられています。

所得税 住民税
短期譲渡所得 30.63% 9%
長期譲渡所得 15.315% 5%

※上記所得税には復興特別所得税2.1%が上乗せされた税率です。

所有期間の数え方は売却した年の1月1日で5年を超えていると長期譲渡所得になり超えていない場合には短期譲渡所得になります。

そして、課税される譲渡所得を計算するには、土地を購入した時にかかった費用(取得費)や売却した際の費用(譲渡費用)を譲渡価格からマイナスした金額になります。

かかる税金をより詳しく計算したい場合は土地売却でかかる税金を払う時期や税金の金額の計算方法を解説のシミュレーションが参考になるでしょう。

司法書士の依頼費用

土地を売却した時には、その土地の権利が買主に移ったことを明確にするために登記を行います。この登記を行うのが司法書士です。

一般的に不動産の売買では、不動産会社から紹介された司法書士に登記を依頼します。

売主が負担する登記費用は、不動産に抵当権が設定されている場合の抵当権抹消登記です。

抵当権抹消登記の登録免許税は土地1筆に付き1,000円です。

そして、司法書士への報酬は依頼する司法書士や地域によってもことなりますが、15,000円~30,000円程度になることが多いようです。

そして、登記完了後に登記内容を確認するために登記事項証明書を取り寄せるのに600円かかります。

登記は自分で行うこともできますが、一般的に買主が金融機関から借入を行って購入する場合には司法書士を通して登記を行います。

測量費

登記簿上に記載されている面積は実際の面積と異なる場合があります。そして、境界杭が確認できない場合やフェンスや塀などがない場合には、どこが境界か不明確で購入後にトラブルが起きる可能性があります。

そのため、土地の境界線が曖昧な場合には測量を行い境界線を確定します。

一般的に、売却の際に測量を行う義務はありませんが、買主は境界が確定していない土地だと、購入後の隣家とのトラブルを避けるために測量を希望します。

また、土地の売買を行う時にはその大きさで価格が決まるため、境界線がずれると価格も変わります。そして、高額な土地ほどその差額は大きくなります。

そのため、売却前には測量を行って境界線を確定しておくとスムーズに売却できますし、買主も安心して購入できます。

現況測量 隣家などの立ち合いなしに行う測量 35~45万円程度
確定測量 全ての境界を隣家との立ち合いのもと確定する測量 60~80万円

上記の表は測量を依頼した際の費用です。

一般的な100坪以下の土地を測量した際の費用の目安です。通常、売却時に行うのは確定測量です。

ただし、隣接している土地が私有地や国有地であると官民立ち合いでの測量になります。

そうなると、測量にかかる日数もかかり、費用も高額になるため個人での売買の際には、国有地に接する部分の境界確定は省略されることがあります。

一般的に、境界線のトラブルが発生するのは個人の家と接している境界部分なため、売主買主が了承すればその部分の確定のみを省略して売買することもあります。

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土地を売却しやすくするためのポイント

売却活動を始めてもなかなか買主が見つからにと不安に感じるものです。ここでは土地を売りやすくするためのポイントを見てみましょう。

【必ず使うべき】一括査定サイトを利用

土地売却を行う時に最も重要なのが不動産会社の選定です。

  • 相場に合った査定額を出しているか
  • 土地売却が得意な不動産会社か
  • 信頼できる営業マンか
  • 免許番号・行政処分歴を確認して信頼できる不動産会社か

不動産会社を選ぶ時には上記のことを確認しながら選ぶことが大切です。

これらのことを考慮に入れて、不動産会社を選ぶ時には一括査定サイトを利用すると、簡単に相場価格が確認でき、売却する不動産に適した不動産会社が選べます。

一括査定サイトでに登録されている不動産会社は、クレームが多い悪徳不動産会社は排除されています。

そして、査定を依頼した際の物件情報から、その不動産の売却に適した不動産会社が自動的にピックアップされます。

そのため、自分で不動産会社を一社一社探す手間や時間がかかりません。

また、一括査定を利用した机上査定で適正な価格を提示する不動産会社に目星がつけれたら、数社に絞り訪問査定を行うことで、実際に担当する営業マンに査定額の根拠を尋ねたり、知識や実績などを確認できます。

このように一括査定を利用すると、早く簡単に土地の売却に適した不動産会社を見つけられます。

そして、一括査定で得た査定額を比較することで相場価格を把握することにもつながり、売出価格の設定をする際にも役立ちます。

土地のリスクをあらかじめ調べておく

土地の売却では建物の売却と同じように瑕疵担保責任があります。

土地の瑕疵(かし)で多いのが、家を建てる時に邪魔になる地中埋設物や土壌汚染です。

また、住居を建てるには軟弱だと判断された地盤も瑕疵(かし)にあたります。

この瑕疵担保責任は、売主がその瑕疵について知っていなくても知っていても責任を負うことになります。

そして、責任を負う期間は個人の場合、売買契約時に特約を付けて短縮することができます。

一般的に3カ月程度に短縮されることが多いようです。

地中埋設物があったり、土壌汚染が発覚した場合の撤去費用や土壌汚染の除去の費用は、高額になるケースが多く、売主に課せられる負担は多大なものになります。

そのため、事前に地歴などを確認して地質調査や地盤調査を行っておくと、瑕疵が見つかる可能性は低くなりますし、その後の費用負担を回避することができます。

土地の種類によってもリスクが異なるため、土地の種類にはどんなものがあるのか。特徴や変更方法を徹底解説で調べておくと良いでしょう。

周辺環境の魅力を伝えられるようにする

買主は土地の情報も大事ですが、購入後に家を建ててどのような暮らしができるかということにも購入する際のポイントになります。

そのため、売主はできる限りの情報を買主に提供し、その不動産の魅力を最大限に伝えることで、よりスムーズに売却できるでしょう。

例えば、子供のいる家庭なら周辺の学校の様子や通学路の状況、近くの病院の評判などは気になるところです。

また、生活するためにはスーパーやドラッグストアの位置も確認したいでしょう。

そして、実際に住んでいる人ならその土地で暮らすときの注意点などを教えてあげると喜ばれるでしょう。

少しでも多くの情報を提供し、誠実に対応することで買主の信頼を得ることができ、売却へとつなげやすくなります。

草むしりをして見た目をキレイにする

土地は利用しないで放置していると雑草が生えることもありますし、知らない間に不要物を不法投棄されることもあります。

雑草が増えて虫が大量発生すると隣家にも被害が及びます。そして、隣家からのクレームを受けることになるでしょう。

また、不法投棄されたものはその土地の所有者が処分することになります。

そして、ゴミが捨てられて荒れた土地や雑草が生い茂った土地はすぐに家を建てることもできません。

そのため、それらを理由に値引き交渉されることがあります。

また、荒れた土地を好んで買う人は少ないので、売却しにくくなる可能性があります。

土地をスムーズに売却するためには、不法投棄されないようにフェンスで囲っておいたり、定期的に草刈をするなどして手入れを行う必要があります。

少しでも高く売るためにも、土地を適切に管理することはとても大切です。

余裕のある売却期間にしておく

土地の売却は戸建てやマンションの売却よりも、売却期間が長くなる傾向にあります。

これは、土地の売却の際には測量や境界線の確定に時間がかかるためです。

また、実際に売りに出してもすぐに希望する価格で購入してもらえる買主が現れるとはかぎりません。

高く売るためには買主を選ぶことも重要です。

土地を購入する人には、家を建てて自分が住むために購入する人と、駐車場やアパートを経営する投資目的の人がいます。

これらを比べると前者の方が高く売れる可能性があります。

そのため、高く売るためには、購入希望者が現れても焦らずにじっくりと購入希望者を選ぶ時間が必要です。

また、成約に至らなかった場合には、なぜだめだったのかを確認し対処することでより高く売れる可能性が上がります。

一般的に時間に余裕がないと売り急いでしまい、必要以上の値引きを行ってしまい損をしがちです。

このようなことを避けるためにも、売却する時には時間に余裕をもって行うことが大切です。

交渉のポイントについては不動産売却の交渉ポイント|物件を高く売る方法について解説も参考にしてください。

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売却後は利益を計算して確定申告

所得を得た場合には申告・納税の義務があります。しかし、土地の売却では取引金額も高額なため税額も大きくなります。

そこで、少しでも税金の支払いを抑えるために、税額の計算方法や節税の仕方を事前に確認しましょう。

土地の売却の利益を計算する方法

土地の売却時に利益が出るとその利益に対して税金を支払わなければなりません。

そして、利益とは売却金額を指すのではなく、売却金額からその土地を購入した際にかかった費用や売却の際にかかった費用を除いた金額が利益となります。

課税譲渡所得金額 = 譲渡価格 – (取得費 + 譲渡費用) – 特別控除

利益が出ているか調べるには、上記の計算式で求めることができるのですが、その際に税金の支払いを優遇する特別控除の特例が利用できるかを確認する必要があります。

特別控除が利用できると課税譲渡所得金額を減らせるため節税につながります。

不動産の売却時には複数の特例が設けられているので、確定申告の前に調べると良いでしょう。

そして、土地の購入時や譲渡時にかかった費用は、課税譲渡所得金額を計算する際にマイナスできます。

そのため、領収書を用意して計上できるものはもれなく計上しましょう。

取得費 譲渡費用
・土地の購入代金
・仲介手数料
・司法書士への報酬
・印紙税
・登録免許税
・不動産取得税
・整地費用
・仲介手数料
・印紙税
・登録免許税
・測量費
・建物を取り壊しての売却の際は取り壊し費用

取得費や譲渡費用として計上できる主なものは上記になります。

そして、確定申告の際にはこれらの領収書のコピーが必要となるので、事前に準備しておきましょう。

なお、上記計算で課税譲渡所得金額がプラスになれば、譲渡所得税や住民税が課税されますが、マイナスの場合には税金の支払いはありません。

土地の売却で使える節税対策

土地の譲渡を行う時には、税金の支払いを抑えるさまざまな特別控除の特例があります。

そして、この特例を利用できれば大きな節税効果が得られます。

事業などのために国や地方自治体等に土地を売った時に利用できる特例

特別控除の特例 控除金額
公共事業などのために土地や建物を売った時 5,000万円
特定の土地区画整理事業のために土地や建物を売った時 2,000万円
特定の住宅地造成事業のために土地や建物を売った時 1,500万円
農業委員会等のあっせんにより農地を売却した時 800万円

これらの特例は、基本的に国や地方自治体等からの依頼で土地を売却する時に利用できるものです。

そのため、個人間で土地を売却する時には利用できません。

3,000万円の特別控除の特例

土地や家を売却した時に利用できる特例の中に、「マイホームを売却した時の3,000万円の特別控除の特例」があります。

この特例は居住しているマイホームを売却した時に利用できる特例なのですが、以下の条件を満たすと土地の売却時にも利用できます。

  • 住まなくなった日から3年を経過する日の年の年末までに売ること
  • 取り壊した後、1年以内に売ること
  • 取り壊し後譲渡までの間、駐車場など他の用途で土地を利用していないこと

また、この特例を3年以内に利用している場合には適用できないので注意が必要です。

他にも特別な関係間での売却には適用できません。

相続した空き家を取り壊して土地を売る時に利用できる3,000万円の特別控除

田舎にある両親の家を相続してその処分に困っている人は多いのではないでしょうか。

この特例は適用期間が決められていますが、売却する際の税金の支払いをなくせる可能性がある特例です。

利用していない相続空き家があるなら早めの対処で税金の支払いを抑えることが可能です。

  • 2017年4月1日から2019年12月31日までの売却であること
  • 相続開始から3年を経過する日の年の年末までに売ること
  • 譲渡価格が1憶円以下であること
  • 被相続人が居住していた家の取り壊しをした土地を売ること
  • 相続開始から、取り壊し後、譲渡までの間に事業用や貸付用、居住用として利用していないこと

上記の条件を満たすことで、相続した空き家を取り壊したのちの土地を売却する時の税金の支払いが抑えられます。

土地等の不動産は所有しているだけで税金の支払いや維持に費用がかかります。

活用していないならこの特例が利用できるうちに売却を検討するとよいでしょう。

土地の売却で損失が出た場合に利用できる特例

土地を売却しても売った時よりも安い値段での売却になることもしばしばです。

そのような時に、その損失を他の所得から控除できる特例があります。

  • マイホームを買換えた場合の譲渡損失の損益通算と繰越控除の特例
  • 特定マイホームの譲渡損失の損益通算と繰越控除の特例

基本的にマイホームを売った時に利用できる特例ですが、マイホームを取り壊して売却する際にも利用することができます。

  • 取り壊した日が属する年の1月1日の時点で所有期間が5年を超えていること
  • 取り壊した日から1年以内に譲渡すること。また、住まなくなった日から3年を超える日の年の年末までに売ること
  • 取り壊して譲渡契約を結ぶまでに貸し駐車場等他の用途で使用していないこと
  • 親族間での売買でないこと

これらの特例の主な適用条件は上記になります。

そして、買換えの場合には、譲渡の年の前年1月1日から譲渡の翌年の年末までに床面積が50平方メートル以上の買換え試算を取得して、その年のうちに居住するか居住見込みでないといけません。

また、買換え資産を取得した時に住宅ローンの償還期間が10年以上であることが条件です。

また、買換え資産を取得しない場合には、譲渡の前日に住宅ローンの償還期間が10年以上残っていることが条件になります。

また、この際の売却価格は住宅ローンの残高よりも少なくなければなりません。

なお、これらの特例では譲渡した翌年の確定申告で控除しきれなかった分は、その翌年から3年間残りの控除がなくなるまで繰越控除が行えます。

土地の売却に使える控除については土地売却時に支払う税金に適用される特別控除を解説にも詳しく紹介されているため、利益が出る可能性が高い人はチェックしておきましょう。

1000万円で土地を売却した計算例

売却価格を1,000万円、取得費が不明のため売却価格の5%として計算し、所有期間は7年の土地の売却の際に手元に残る金額を計算してみましょう。

なお、この計算では特別控除は利用していません。

印紙税:5,000円
登録免許税:1,000円
司法書士報酬:15,000円
測量費:60万円
仲介手数料:(1,000万円 × 3% + 60,000 )× 1.08 = 38万8,800円
譲渡費用合計:100万9,800円
取得費:1,000万円 × 5% = 50万円

課税譲渡所得金額 = 1,000万円 -(50万円 + 100万9,800円) = 849万200円(1,000円未満切り捨て)

849万円 × 15.315% = 130万244円(所得税)
849万円 × 5% = 424,500万円(住民税)
譲渡所得税額 130万244円 + 42万4,500円 = 172万4,744円(100円未満切り捨て)

1,000万円 – 100万9,800円 – 172万4,700円 = 726万5,500円

上記の計算でもわかるように、1,000万円で土地が売れても仲介手数料などの費用や税金を支払うと手元に残る金額は726万5,500万円となります。

不動産の売却では売れるまでは金額が確定しないので正確な税額や費用は売却後にしか計算できません。

しかし、事前に相場価格を確認しておくとおおよその手元に残る金額がわかります。

この計算を事前にできるとその後の資金計画も立てやすくなります。

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土地の売却でよくある4つの疑問

土地の売却は何度も経験することではありません。少しでも不安や疑問点を解消して売却を成功させましょう。

ここでは、土地の売却の際によくある疑問を見てみましょう。

【Q1】広すぎる土地は分割しないと売却できない?

一般的な住宅を建てるための土地は60坪程度のものが売れやすい土地となります。

60坪なら200平方メートルまでの固定資産税の優遇措置が受けられるからです。また、都心部ではそれよりも狭い土地も多く売られています。

そのため、広くなると固定資産税の支払いも高くなるので広すぎる土地は一般の住宅用としては敬遠されがちです。地方や郊外で固定資産税が低い地域であれば、多少広くても売れる可能性はありますが、都心部だと文筆して売却する方が個人の買主は見つけやすいでしょう。

【Q2】売却より買取の方が安いのは本当なの?

土地を売却する時には仲介で買主を探す方法と、不動産会社に直接売却する買取という方法があります。

買取では不動産会社が買い取ってからその土地に家を建てるなど付加価値をつけて販売することになります。

そのため、買取に有する経費、再販のための経費や人件費、利益を考えて買取価格が決められます。

したがって、一般的な仲介での売却価格と比べると60~70%になることが多いようです。

ただし、買取だと仲介を行うわけではないので、仲介手数料はかかりません。また、瑕疵担保責任もありません。

安くなっても早く誰にも知られないで売却したい人には適した売却方法です。

買取の特徴や内容については不動産買取での売却を成功させるために大切なこと|後悔しないためにでも詳しく解説しています。

【Q3】古い家付きなら更地にした方がいい?

家の解体費用は構造にもよりますが、およそ坪3万円から6万円かかります。

そのため、土地に古い家があるなら、まず、その家がリフォーム等を行えば住めるのかを考える必要があります。

リフォームで十分住める家なら、新築よりも購入費が抑えられるので、古い家付きの土地を探している人もいます。

また、家を残したままであれば、売れない期間中の固定資産税は安くすみます。

原則、家が建っている土地は200平方メートルまでは固定資産税が6分の1になる税制の優遇措置があります。

そして、土地を購入してそこに家を建てて住む人にとっても、2階からの眺望や日当たりを確かめたりできるので購入後のイメージがしやすくなります。

そのため、古い家がある場合に解体するかどうかは、ターゲットを誰にするかやすぐに売れそうな土地であるかなどを考えて、不動産会社と相談しながら決めるとよいでしょう。

【Q4】不動産会社は大手と中小どちらが良いのか?

不動産会社は一概に規模だけを見て良さを判断することはできません。大手なら全国の主要都市に店舗を構え、多くの人材と情報を武器に幅広い範囲で営業を行っています。

それに対して中小の不動産会社は、大手の不動産会社が掴みきれない地元の情報にも精通していたり、昔からの地主とも懇意にしているケースがあります。

そのため、不動産会社を選ぶ時には、売却する不動産がどのような地域にあるかや不動産の種類等を考慮に入れながら、その不動産の売却に適した不動産会社を選ぶことが大切です。

ほかにも土地を売る前に知りたい注意点20個!初めてでも損をしないためにでは、初めて売る人にとってためになる情報をまとめてチェックできます。

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売却できない場合は土地の活用法を検討

土地は所有しているだけでも固定資産税等の支払いがあります。

売却できないのであれば少しでも活用して負担を減らす方法を考えてみましょう。

管理まで委託できる土地の資産化方法

メリット デメリット
コインパーキング ・比較的初期費用が安い
・簡単に始められる
・機械の導入が必要
月極駐車場 ・土地の整地のみで始められる
・経営をやめて他の活用へ転用しやすい
・収益率はあまりよくない
トランクルーム ・日当たりや騒音などが関係なく場所を選ばない
・初期費用が比較的すくない
・管理の手間が少ない
・需要を把握することが難しい
・借り手が見つかりにくい
資材置き場 ・整地の必要がない
・初期費用が少ない
・管理業務がない
・契約が終わればいつでもやめられる
・需要が少ない
・賃料が安く収益性が低い
・搬入の際の騒音や粉じんで近隣とトラブルになることがある
太陽光発電 ・集客しなくてよい
・収入が安定している
・設置・撤去に費用がかかる
・電気が通っていないとできない
・日当たりが悪い所は適さない

売れない土地を所有している場合には、その土地を活用する方法があります。

更地の場合、始められる活用は多く初期投資も少ないものもあります。

アパート等を建てると建築費用が高額になり、入居者がいる限りなかなかその土地を売却できないなどのトラブルも起こります。

上記に挙げた活用法は、初期費用も比較的少なく簡単に始められるものです。

リスクが大きい活用方法を避けて固定資産税分くらいを稼げたらよいというのであれば、初期費用も少なく転用しやすい駐車場やトランクルーム等で活用するのが適しているでしょう。

投資をして経営を開始

メリット デメリット
アパート・マンション賃貸経営 ・毎月、賃料が入ってくる
・税制の優遇措置を受けられる
・相続税対策になる
空室になるリスクがある

・賃料を滞納されるリスク
・入居者とのトラブルが起こることも
・建築費用がかかる
・すぐにやめられない

テナント経営 ・賃料を高く設定できる
・建築基準が住宅程厳しくない
・建築費が高額
・税制の軽減措置はない
・空室になったときのリスクが大きい
コインランドリー ・利用者が多い
・従業員がいらない
・管理の手間が少ない
・初期費用が高額
・定期メンテナンスが必要
・それほど収益性はよくない

土地を活用する時にそれなりの初期投資を行えば、その後の収入も期待できます。

しかし、どれだけ投資しても需要に合っていないと利益は望めません。

アパートやマンション経営は、土地活用では最もポピュラーな方法です。

土地の利便性が良ければ、安定した収入が得られることもあります。

また、商業地に土地を持っているのならテナント経営だと、賃料も高く設定できるのでおすすめの活用方法です。

土地を上手に活用したいなら、所有している土地にどのような需要があるのかを見極めて活用する方法を選ぶことが大切です。

土地の活用をプロに依頼する

メリット デメリット
定期借地として貸し出す ・初期費用がかからない
・地代を受け取れる
・経営不振で地代が回収できないこともある
・転用が難しい
等価交換を行う ・建築費用の負担がない
・借入を行わなくてすむ
・所有する割合でもめることも
・共有とした場合権利が複雑になる
土地信託 ・活用や運用は信託会社が行うので手間がない
・建物も一緒に土地とともに返却される
・初期費用が不要
・必ず収益があるとは限らない
・信託報酬の支払いがある
・適さない土地がある

自分で初期費用をかけて活用するとその費用を回収できるかなどの不安があります。

そのような時には、事業を行う人に土地を貸して地代を受け取るという方法もあります。

また、立地のよい土地であれば、開発業者からの依頼で所業ビルなどを建設し等価交換を行うことも可能です。

等価交換とは、デベロッパーが建物を建築し、土地の価値と同じ分だけその建物の還元床を交換する方法です。

建築費用を負担せずに建物を手に入れることができて、その割り当てられた部分で賃貸経営などを行えます。

そして、土地の活用を信託会社に任せるという方法もあります。

この場合、必ずしも事業が成功するとは限りません。

また、事業を展開して収益が見込める土地でないと行えません。

比較的土地が広く利便性のよい立地であればこれらの活用方法を検討してみるとよいでしょう。

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おすすめの一括査定サイト3選

サイト名 利用者数 対象エリア 提携会社数 同時依頼数
イエウール 1,000万人 全国 1,700社 6件
イエイ 400万人以上 全国 1,700社以上 6件
リビンマッチ 440万人 全国 1,400社 6件

イエウール:全国1,700社以上に対応

地方・地域密着型の中小規模不動産業者にも対応しているので、都市部以外に所在しているマンションや一戸建てなどの不動産を売却したい人におすすめです。

利用者数 1,000万人
対象エリア 全国
提携会社数 1,700社
同時依頼数 6社
取引件数 非公開
顧客満足度 98%
運営会社 株式会社Speee (Speee, Inc.)

サイト内では一戸建てや土地など、物件の種類別に売却手順の説明も掲載されています。しつこい勧誘があったなど、評判の悪い不動産会社は登録から外されているので安心です。

イエイ:お断り代行サービスを提供

大手不動産会社だけでなく、地域に密着した地方に強い不動産会社への査定も一括で依頼できます。

利用者数 400万人以上
対象エリア 全国
提携会社数 1,700社
同時依頼数 6件
取引件数 1,000件以上
顧客満足度 97%
運営会社 セカイエ株式会社

都心部だけでなく、地方の物件を売却したい人にもおすすめです。また、査定を依頼した不動産会社からの営業連絡を断りたい際に、代わりに断ってくれる「お断り代行」サービスがあるため、営業電話を断りにくい人におすすめです。

なお、依頼先の不動産会社は自分で選べる仕組みとなっています。

リビンマッチ:利用したいサイト第1位

都道府県別に、このサイトに登録している不動産会社の情報をあらかじめ調べることができ、その中から売却査定実績の多い不動産会社を選べることが特徴です。

利用者数 440万人
対象エリア 全国
提携会社数 1,400社
同時依頼数 6件
取引件数 14万件(年間)
顧客満足度 98%
運営会社 リビン・テクノロジーズ株式会社

全国展開しているような大手の不動産業者ではなく、どちらかと言えば地域に密着した中小規模の不動産会社の登録が多いので、相続などによる地方の不動産の売却を考えている人におすすめです。

相場に合った価格で土地を売却

不動産会社は土地の売却を行う時には欠かせない存在です。

売却に関わるすべてのサポートを行ってもらえます。

そして、その不動産会社の力量次第で売却時期や売却価格が変わります。

そして、売り出しの価格を設定する時には、そのエリアの相場にあった価格の設定がとても重要になります。

価格設定の仕方次第でも売却期間や売却価格にも影響します。

このように事前にどのように不動産会社を選べばよいのかや価格の設定の仕方を知っているだけで、土地の売却を成功させる可能性をより高くすることができます。

土地の売却を検討しているのなら、ここでの知識を活かしてより高値でスムーズに売却できるように備えましょう。

また、一括査定サイトについて詳しく知りたい・比較したいという場合は下記の記事を参考にしてください。

参考:【2019年最新】不動産一括査定50サイトをジャンル別に比較!