不動産売却の基礎知識

マンション売却が初めてでも失敗ゼロ!流れから税金まで徹底解説

マンション売却など不動産売却において、知識を身に着けることはとても重要です。何故ならマンション売却の成功は、人によってゴールラインが異なるからです。

たとえば「高く売りたい」「できるだけ早く売りたい」「安くてもいいから売りたい」などゴールラインはさまざまです。

どのゴールラインも、達成するには自分のイメージに合わせて売ってくれる不動産会社を選び、自分自身も買い手に魅力的なマンションであると伝えなくてはなりません。

そのためには、マンション売却成功のためのポイントを押さえ、失敗しない対策を知ることが大切です。

よりよい条件で売り始められるよう、ここでは流れに沿ってポイントを解説します。

読み終わる頃には、何から始めればよいか・どんなゴールを設定するか、何となく想像できるようになるでしょう。

マンション売却で税金を支払うまでの流れ

全体的な流れは、次の8ステップです。

ステップ 概要 かかる期間
①事前準備 どんな売却をしたいか方向性を決め、マンションの相場を調べ、書類を用意する 1~2週間くらい
②不動産会社探し 複数の不動産会社に机上査定を依頼する 1~2週間くらい
③不動産会社への査定依頼 絞り込んだ複数の不動産会社に訪問査定を依頼する 1ヵ月くらい
④不動産会社との媒介契約 ここだと決めた不動産会社と契約 3~12ヵ月
⑤価格決定・売却活動 売り出し価格を決め内覧に対応する
⑥売買契約を結ぶ 契約に同意し合えた買主と契約を結ぶ
⑦マンションの引き渡し お互いに用意が完了した段階で、決められた期日に引き渡す
⑧確定申告 売却した翌年に確定申告を行い、必要があれば税を納める たとえば2019年に売却が完了したら、2020年2月~3月中の期日内に確定申告をする

事前準備として重視したいのが「売る理由の明確化」と「相場調査」です。

売る理由がはっきりしていれば、今後の売却方針がぶれません。売却活動を始めた後で値下げを要求された時も、不動産会社の担当者と相談しつつ、自分の意思を持って柔軟に対応できます。

また相場調査が重要なのは、周りのマンションよりも大幅に高いあるいは安い希望売却額をつけたことで、売れ残ってしまうのを防ぐためです。

希望売却額の設定を間違えて中古マンションが長く売れ残ってしまうと、購入希望者はそれだけで「何かよくない理由があるのでは?」と警戒してしまいます。

すると売れ残りの悪循環が始まり、どんどん購入希望者の数が減ってしまうのです。

では、売る理由を明確にしつつ、適切な相場を調べるためにはどうすればよいのでしょうか。

売却方法を仲介か買取かで悩んでいる人は、不動産買取での売却を成功させるために大切なこと|後悔しないためにも合わせて読んでおくと参考になるでしょう。

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マンション売却価格の相場と調べ方

事前準備として、まずは似たようなマンションがいくらで売れているか、相場を調査してみましょう。

過去の売却実績は国や業界団体のサイトで確認

不動産情報を調べられるサイトはいくつかありますが、特に情報が正確な国が運営する「土地総合情報システム」や業界団体が運営する「Reins Market Information」を使うことをおすすめします。

土地総合情報システム 不動産取引の当事者へのアンケートを元に作成された、取引価格情報の公表をしているサイト
Reins Market Information REINSという国土交通大臣が指定した不動産流通機構が保有する情報を、不動産会社だけでなく一般の人が閲覧できるようにしたサイト

この2つのサイトは取引の時期や不動産の種類、路線や駅名、住所などから町名まで絞り込み、実際の売却額を調べることが出来ます。

土地総合情報システムでは、不動産の種類と地域を選んだうえで過去のデータを元に取引価格について統計データを示してくれます。

「土地取引価格の概況」というリンクをクリックすると、相場より高いか低いかを「中央値」というデータの真ん中にくる数値から調べられます。

Reins Market Informationでは、細かい間取りや築年数などの条件を元に、取引情報を散布図でチェック可能です。

散布図はデータのばらつきや複数の値の関係性を目で見てチェックできるため、近隣との比較を通して相場把握がしやすくなります。

最新の相場の把握には一括査定

土地総合情報システムとReins Market Informationの弱点は、過去のデータであるということです。

これは相場を調べる際の参考になりますが、今の情勢に合わせた売却額とはまた異なります。

そこで活用したいのが一括査定サイトです。

時には100万円以上違う

マンションを査定する方法にはさまざまなものがあり、中でも代表的な査定方法は次の2つです。

  • 取引事例比較法:似ている条件のマンションと比較して査定する方法
  • 原価法:今の時点でもう一度同じマンションを建てた場合を想定し査定する方法

不動産会社が違っても、査定方法については公益財団法人である不動産流通推進センターが定めたマニュアルに準拠していることがほとんどです。

しかし、比較対象の選び方やマンションの評価点は、不動産会社の担当者の判断に委ねられます。

そのため、不動産会社ごとに査定額に違いが出てしまうのです。

さらに不動産会社側も「この人は一括査定を利用して依頼をしてくれた」と知っています。

最初からライバルがいる可能性が高いため、自分の会社を選んでもらうためにわざと査定額を高く提示してくる場合もあります。

結果的に、査定価格に大きな差が生じることもあるのです。

査定不能と言われることもある

不動産会社に依頼したとしても、その会社がマンションのある地域を担当していないケースがあります。

またあまりに古い家だと、売却のめどが立たずに断られてしまうかもしれません。こうした場合、不動産会社からは査定不能と言われてしまいます。

複数の会社に一括査定依頼をすることで、違う会社に次々と依頼する手間を省き、できるだけ早く相場を把握できます。

中古マンション売却を早く進めたい人ほど、時間に余裕を持てるよう、一括査定サイトを活用していきましょう。

どの一括査定サイトに依頼すべきか迷っている人は不動産売却一括査定サイト10社を比較!選び方も紹介をチェックしてみましょう。実績のある主要サイトについて、選ぶときの注意ポイントも含めて解説しています。

マンション売却の事例を紹介

実際に、マンション売却の事例をレインズで調べてみました。

事例 売却額
首都圏で築15年3LDKのマンションの場合 1㎡あたり97万円
専有面積:80~100㎡
7,760万~9,700万円
地方で築15年3LDKのマンションの場合 1㎡あたり30万円
専有面積:80~100㎡
2,400万~3,000万円

どうしても都心部の方が、需要があるため価格は高くなりがちです。また築年数が経つほど、基本的に価格は低くなる傾向にあります。

しかしあくまで傾向であり、マンションごとに価値は異なります。

そのため不動産会社から個別に価値を判断してもらえる査定が、マンション売却の成功において重要になるのです。

経済動向からマンション売却の将来性

マンション市場では、新築・中古に限らず価格は上昇傾向にあります。

日本では新築物件が重要視されがちですが、近年の新築マンションは非常に高額なケースが増えつつあり、安価で購入でき選択肢も豊富な中古マンションも人気が高まっています。

そのため東京オリンピック前の2019年現時点では、マンション売却に向いた状況と言えるでしょう。

しかし東京オリンピック後、選手村の跡地がマンションとして大量に供給されると予想されています。

需要より供給量が増えれば、安くしないと売れない可能性が高まり、マンションの価値が下がるかもしれません。

一方で消費税増税が行われると、企業から個人へ売却される新築マンションに比べ、消費税がかからない中古マンションはお得に見えます。

高額売却を目指すのであれば、オリンピック前かつ消費税増税後の方が魅力的に見えやすく、売却しやすい時期と予想されます。

今後のマンションの価格予想については2019年マンション価格の今後を知りたい|高騰や下落の原因でも詳しく解説しています。「マンションをいつ売るべきか」という悩みを持つ方は、合わせてチェックしておくと良いでしょう。

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おすすめの一括査定サイト3選

サイト名 利用者数 対象エリア 提携会社数 同時依頼数
イエウール 1,000万人 全国 1,700社 6件
イエイ 400万人以上 全国 1,700社以上 6件
リビンマッチ 440万人 全国 1,400社 6件

イエウール:全国1,700社以上に対応

地方・地域密着型の中小規模不動産業者にも対応しているので、都市部以外に所在しているマンションや一戸建てなどの不動産を売却したい人におすすめです。

利用者数 1,000万人
対象エリア 全国
提携会社数 1,700社
同時依頼数 6社
取引件数 非公開
顧客満足度 98%
運営会社 株式会社Speee (Speee, Inc.)

サイト内では一戸建てや土地など、物件の種類別に売却手順の説明も掲載されています。しつこい勧誘があったなど、評判の悪い不動産会社は登録から外されているので安心です。

イエイ:お断り代行サービスを提供

大手不動産会社だけでなく、地域に密着した地方に強い不動産会社への査定も一括で依頼できます。

利用者数 400万人以上
対象エリア 全国
提携会社数 1,700社
同時依頼数 6件
取引件数 1,000件以上
顧客満足度 97%
運営会社 セカイエ株式会社

都心部だけでなく、地方の物件を売却したい人にもおすすめです。また、査定を依頼した不動産会社からの営業連絡を断りたい際に、代わりに断ってくれる「お断り代行」サービスがあるため、営業電話を断りにくい人におすすめです。

なお、依頼先の不動産会社は自分で選べる仕組みとなっています。

リビンマッチ:利用したいサイト第1位

都道府県別に、このサイトに登録している不動産会社の情報をあらかじめ調べることができ、その中から売却査定実績の多い不動産会社を選べることが特徴です。

利用者数 440万人
対象エリア 全国
提携会社数 1,400社
同時依頼数 6件
取引件数 14万件(年間)
顧客満足度 98%
運営会社 リビン・テクノロジーズ株式会社

全国展開しているような大手の不動産業者ではなく、どちらかと言えば地域に密着した中小規模の不動産会社の登録が多いので、相続などによる地方の不動産の売却を考えている人におすすめです。

マンションの売却で使う書類の一覧

マンション売却では、書類は大きく分けて「必須の書類」と「任意(あれば用意したい)書類」に分かれます。

中には不動産会社が用意してくれる書類もあるため、何を用意すればいいか依頼先の不動産会社に相談することをおすすめします。

必須の書類
自分で用意しなくてはいけないもの 登記済み権利書または登記識別情報
登記簿謄本または登記事項証明書
物件の間取りが分かる図面
設備の仕様書
建築設計図書・工事記録書(リフォームした場合)
固定資産税納税通知書および固定資産税評価証明書
マンションの管理規約・維持関係書類
本人確認書類
実印
印鑑証明書
住民票
銀行口座の通帳
ローン残高証明書
不動産会社が用意してくれるもの マンションを引き渡す際の売買契約書
今回売買するマンションに対する重要事項説明書

あれば用意したい任意の書類は、次の通りです。

あれば用意したい任意の書類 耐震診断報告書
アスベスト使用調査報告書
地番調査報告書・住宅性能報告書・既存住宅性能評価書
マンション購入時のパンフレットやチラシ
マンション購入時の売買契約書・重要事項説明書

これらの必要書類のうち、紛失に注意したいのが「登記済み権利書または登記識別情報」です。

法務局からマンションを購入した際に発行される所有者を示す書類であり、再発行できません。

そのため紛失した場合は「不動産の所有者は間違いなく自分だ」ということを、公的に証明する必要があります。

また設備の仕様書がどこにあるか分からない、紛失してしまった、など書類の不備が重なると、手続きに時間がかかります。

必要なタイミングになってから慌てないように、事前準備の段階で必要書類が揃えられるか確認しておくとよいでしょう。

より詳しい情報については不動産売買に必要な書類の取得方法とは|期間や実費まで紹介でも解説しています。こちらでは手続きにかかる時間や必要費用についても解説しているため、すでに書類を用意する段階にきている方におすすめです。

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マンション売却で不動産会社を選ぶ5つのポイント

マンション売却で不動産会社選びが重要と言われるのは、あなたが選んだ会社を通して売却活動が行われるためです。買主に対し魅力的なアピールを行ってくれる会社を選んだ方が、あなたにとってメリットがあります。

どんなポイントを押さえればよいか、5つにまとめました。

一括査定サイトで優良な不動産会社を絞り込み

ついつい価格や会社の比較にこだわりがちですが、一括査定サイトを使うことでエリアを担当している不動産会社を簡単に調べられます。

相場を調べる方法で述べたように、不動産会社ごとに担当できるエリアは異なります。

一括査定サイトでは入力された住所情報に応じ、エリア別に不動産会社を自動で絞り込んでくれます。

そのため、わざわざ近所にある不動産会社を探す手間がかかりません

また一括査定サイトに登録されている不動産会社は、宣伝広告費を支払うことでサイト側に情報を掲載してもらいます。

宣伝広告費は査定依頼数が増えるほど高くなるため、一括査定サイトにとっては、査定依頼が多く来る優良な不動産会社を集めた方が儲かります。

したがって、一括査定サイトを使うことで、査定がたくさん寄せられるような不動産会社に自動的に依頼ができるのです。

マンションの売却が得意分野か

マンションを多く売買している不動産会社の方が、買主になってくれそうな人を知っている可能性が高く、マンションのスピーディーな売却に繋がりやすいです。

買ってくれそうな人が多い状況なら、希望価格で売却できるかもしれません。

また中古マンションを多く扱っている不動産会社で、特に近隣エリアをメインにしている会社だと、マンションならではの手続きや管理組合への説明にも慣れています。

その不動産会社がマンションを得意分野としているかどうかは、その会社のホームページなどで扱う不動産をチェックして、エリアでの販売実績や平均売却期間を比べることで分かります。

ホームページがない場合は、店頭のチラシをチェックしてどんな物件が多いか見るのも効果的です。

信頼性は免許番号と行政処分で判断

免許番号とは、宅地建物取引業の免許を取得した際に、不動産会社の運営形態によって与えられる免許です。免許番号は「免許権者(免許を与えた人)」と更新回数、免許番号の順に掲載されています。

  • 国土交通大臣:複数の都道府県にまたがって運営される会社の場合与えられる免許
  • 都道府県知事:1つの都道府県でのみ運営する会社の場合に与えられる免許

たとえば「国土交通大臣(4)1234」であれば、国土交通大臣が免許を与えてから4回更新を受けたということが分かります。

免許の更新は現在5年に1回と決められているため、更新回数が多いほどその会社は長く続いていると判断できます。

この免許番号を該当する宅地建物取引業者名簿で確認すると、これまでに行政処分を受けていないか、他にどんな事業を行っているかなどが分かります。

国土交通大臣より免許を受けている会社なら、ネット上でも確認可能です。

ただしこのチェック方法は、あくまで参考程度にしておくのがよいでしょう。

なぜなら行政処分を受けた不動産会社が経営を続けることは難しく、残っている方が稀だからです。

利用者のリアルな口コミや評判

不動産会社に実際に依頼した知人や友人がいれば、その人に話を聞いてみましょう。

どんな対応を受けたか、何をしておいたら良かったかなど、リアルな評判は聞いておいて損はありません。

デリケートな質問のため、売却額などは直接聞かず、あくまでも不動産会社の対応に注目するのがポイントです。

一方で不動産情報サイトやネット掲示板などの口コミは、基本的に信頼しない方が賢明です。

宣伝を目的に書かれていることが多く、信ぴょう性が薄かったり、悪口に特化していたり、本当の情報なのか判断が付きません。

もしネット上の口コミをチェックするのなら、よい口コミと悪い口コミ、双方に目を通しておくことをおすすめします。

話が通じて納得のできる説明があるか

一括査定サイトを利用した後、メールや電話、手紙といった形で査定金額が提示されます。

この時、詳しい説明をしてくれる会社もあれば、そうでない会社もあります。

全体を通じ、マンション売却に関する納得のいく説明をしてくれるかどうかで見極めましょう。

しかし初めて売却を経験する人は、どんな説明ならよいか判断が付かない可能性が高いです。

そこで、次の3つのポイントに絞って、査定をしてくれる担当者の反応をチェックすることをおすすめします。

  • 査定額の具体的な説明があるか
  • どんな宣伝をする予定か
  • 今の段階で見つかる悪い情報やデメリットを教えてくれるか

査定額や宣伝に対し、具体的なプランがその段階で無いようであれば、販売が長期化するかもしれません。

早めに売りたい人ほど、初心者にとっても分かりやすい説明をしてくれる相手を選びましょう。

また現段階でデメリットやそれに応じた対処法を伝えてくれるなら、熱意をもってマンション売却に向き合ってくれていると分かります。

たとえ査定額が低くても、値下げが少なくて済むかもしれません。

媒介契約は急がない

不動産会社と売買に関してどの程度依頼するかを決める契約を、媒介契約と言います。

もし査定の段階で勧められたら「他社の話を聞いてから決める」と答えましょう。

無理強いをしてくるような不動産会社なら、避けた方がよいかもしれません。

担当者と馬が合わず、連絡を取り合うことが苦痛になれば、それだけで販売活動に影響が出ます。

じっくり3~5社を比較して、担当者単位で比較すると良いです。

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正確なマンションの売却価格は訪問査定

一括査定サイトでは「机上査定」と「訪問査定」のどちらかで依頼できます。

より具体的にマンションの売却を検討している人は、訪問査定がおすすめとされますが、その理由は査定方法の違いにあります。

訪問査定と机上査定の違い

訪問査定と机上査定の違いは、不動産会社の担当者が直接現地に行くか行かないか、という点です。

  • 訪問査定:担当者が現地に赴いて状況を見たうえで行う査定
  • 机上査定:データのみで行われる簡易的な査定

2つの査定において、住所やマンションの専有面積の広さ、近隣の物件の成約事例などは変わりません。

一方で訪問査定では部屋の間取りや周辺の環境など、目で見ないと分からない情報も含まれます。

そのため机上査定より訪問査定の方が、売却価格を決める際の参考になります。

訪問査定のチェックポイント

訪問査定までの流れは、次のようになります。

  • 一括査定サイトで机上査定を依頼
  • 机上査定に納得した業者に訪問査定を依頼
  • 訪問査定を受ける
  • 結果をもらう

訪問査定は部屋の広さにもよりますが、およそ1~2時間で完了します。

その後、周辺地域の情報収集や比較検討、計算を踏まえて行うため、査定額が出るまで1週間は必要です。

訪問査定前に用意したいもの

現実的な査定額を出してもらうためにも、できるだけ詳しい情報を伝える準備をしましょう。

少なくとも次のような情報をそろえておくと、不動産会社の担当者に親切です。

  • 購入時の売買契約書など
  • ローン残高の有無が分かる書類
  • リフォームの有無を示す書類
  • 近隣住民とのトラブルの有無
  • 設備の不具合の有無

また「○○という理由でマンションを売りたい」「安くてもいいから早く売りたい」など、方向性を伝えるとその事情も加味した販売計画を立ててもらえます。

早く売るなら○○万円まで安くした方がいいなど、具体的なアドバイスがもらえるのです。

訪問査定のデメリット

訪問査定のデメリットは、家に不動産会社の担当者が訪れることそのものです。

普通に生活していても「プライベートな場所だし見られたくない」と考える人は当然いるでしょう。

しかし見せない部分があると不具合を疑われるケースもあるため、事前にある程度の整理整頓や掃除は必要です。

また個別に対応する必要があるため、訪問査定を依頼した数だけ日時調整をしなくてはなりません。

ネット上で完結する机上査定に比べると、どうしても手間や時間がかかってしまいます。

訪問査定のメリット

たとえば「リフォームが必要」「設備に損傷がある」と分かれば、机上査定より査定額が低くなるかもしれません。

一方で「室内はリフォーム済みで綺麗」「日当たりが良く日中暖房がいらない」といった査定にプラスになることが分かると、査定額がアップします。

つまり査定額へ現状を反映させることで、売却価格を具体的に決めることができ、なおかつどんなところを不動産会社が評価したか分かります。

今後の売却に直接つながる訪問査定の方が、信頼度の面でも評価が高いのです。

一括査定サイトは数多く、選ぶのに迷っている方は不動産売却一括査定サイト10社を比較!選び方も紹介をチェックしましょう。実績のある10社の特徴のほか、一括査定サイト選びについても詳しく解説しています。

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不動産会社と結ぶ契約の種類と特徴

この不動産会社に売却活動を依頼しよう、と決めたら、売却活動の範囲を決める「媒介契約」を結びます。

売買契約は、いうなれば不動産会社と依頼人であるあなたが、お互いに約束する決まり事です。

全部で3つの種類があり、次のような特徴と違いがあります。

一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
特徴 複数の会社に依頼でき、自分でも活動できる契約 1社にだけ売却活動を依頼し、自分でも活動できる契約 全ての活動を1社に依頼する契約
契約できる会社の数 何社とでも契約できる 1社としか契約できない 1社としか契約できない
自分でも契約者を見つけられるかどうか × ×
REINSへの登録義務 なし(依頼はできる) 契約から7日間以内 契約から5日以内
業務報告義務 なし(依頼はできる) 契約後、2週間に1回以上 契約後、1週間に1回以上
契約期間 無制限(行政指導上は3ヵ月) 3ヵ月 3ヵ月

どの契約がよいかは一概には言えません。

そこでそれぞれの契約について、メリット・デメリットを解説します。見比べつつ、自分の不動産がよりゴールラインに近くなる契約はどれか、考えてみましょう。

複数社と契約を結べる一般媒介契約

デメリットから見た方が分かりやすいため、まずは一般媒介契約の3つのデメリットを解説します。

  • 不動産会社から受けられるサービスが減りやすい
  • 売却活動が積極的に行われないことがある
  • 不動産会社の契約数に応じて個別対応の時間が増える

不動産会社は仲介手数料を収入源とするため、複数の会社と契約できる一般媒介契約だとあまり積極的に売却活動をしてくれないことがあります。

また不動産会社が提供するサービスは、その会社と契約するからこそ受けられるものが大半で、一般媒介契約だとそのサービスが削られやすいのです。

一方で、メリットは次の2つです。

  • 不動産の意図的な売却を防げる
  • 不動産会社同士の競争で売値が高まる

不動産会社側が、自分で利益を独占するために囲い込みという意図的な売り方をすることがあります。

これは買主と売主双方を一社が仲介し、両方の仲介手数料をもらうというものです。

不動産会社主体の売却となり、売主側の意図が反映されない恐れがあります。

しかし一般媒介契約では複数の会社に依頼してあるため、そもそも囲い込みが成立しません。

売主主体で売却を進めたい場合や不動産会社同士をより比較したい場合には、一般媒介契約が向いていると言えるでしょう。

業務報告がある専任媒介契約

専任媒介契約は「1社のみとの契約だが自分でも買主を探せる」という、一般媒介契約と専属専任媒介契約両方の特徴を併せ持つ契約です。デメリットは次の3つが挙げられます。

  • 依頼先の担当者次第で売れ行きが変わる
  • 次の会社にすぐ依頼できない
  • 囲い込みが起きる恐れがある

1社のみと契約するため、担当者の力量が低いとなかなか売却活動が進まない恐れがあります。自分でも買主を探せるものの、囲い込みによって売却先がコントロールされてしまうかもしれません。

一方、メリットには、次の2つが挙げられます。

  • 不動産会社から特典サービスが受けられる
  • 1社だけと取引するから楽

最大のメリットは、不動産売買に関する手続きが楽になるということです。1社だけと連絡を取り合えばよく、さらに専任媒介契約で仲介手数料が手に入る確率が高いことから、不動産会社側もサービスなど便宜を図ってくれます。

売却相手に制限がかかる専属専任媒介契約

専属専任媒介契約は、不動産会社1社のみに売却活動を委ねるため、自分で買主を見つけることはできません。その特徴を踏まえて、次のようなデメリットがあります。

  • 手数料の確保を見込んで囲い込みされる
  • 不動産会社が本当に信頼できるか分からない

1社からの情報しか入らないため、初めてマンション売却を依頼する人にとっては、十分売却活動をしてくれているか分かりません。

そのため悪質な不動産会社に依頼してしまうと、なかなか売れない可能性もあります。反対にメリットは、以下の2つです。

  • 手厚い売却活動が期待できる
  • 積極的に売却活動に関わらなくて済む

特に忙しい人や、できるだけ早く売る必要がない人にとっては、専属専任媒介契約によるメリットが大きくなります。やり取りが煩雑化するのを防ぎたい人にも、向いている契約と言えます。

不動産会社側は、仲介手数料が手に入る可能性が高い専任媒介契約や専属専任媒介契約をおすすめしてきます。

迷った場合は自分自身が「1社とだけ契約してやる気を出してもらおう」と行動する方が得意か、複数の会社と取引して「できるだけ高く売ろう」と行動する方が得意かで選ぶとよいでしょう。

一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
特徴 複数の会社に依頼でき、自分でも買主が探せる契約 1社のみに依頼し、自分でも買主が探せる契約 売却活動の全てを1社に委ねる契約
メリット ・不動産の意図的な売却を防げる
・不動産会社同士の競争で売値が高まる
・不動産会社から特典サービスが受けられる
・1社だけと取引するから楽
・手厚い売却活動が期待できる
・積極的に売却活動に関わらなくて済む
デメリット ・不動産会社から受けられるサービスが減りやすい
・売却活動が積極的に行われないことがある
・個別対応の時間が増える
・依頼先の担当者次第で売れ行きが変わる
・次の会社にすぐ依頼できない
・囲い込みが起きる恐れがある
・手数料の確保を見込んで囲い込みされる
・不動産会社が本当に信頼できるか分からない

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マンションの売却活動開始前に確認しておくこと

媒介契約が結べたら、いよいよ売却活動が始まります。効果的な売却活動を進めるためにも3つの「確認しておくこと」を押さえましょう。

戦略的な価格と値下げ幅の決定

売却を焦らずに進めるには、マンションの価格を戦略的に決めることが重要です。

場合によっては、長期的にマンションが売れないこともあり、値下げを余儀なくされる可能性も考えられます。

しかしあまりに値下げしすぎると、損をするのは自分自身です。

  • 相場に見合った売却額を決める
  • 3ヵ月は様子を見ておく
  • 値下げ幅は50万円前後と小さくする
  • 最低価格を担当者と相談しておく

こうしたポイントを押さえて、自分のマンションに合う値下げ幅と売却計画を立てておきましょう。

インスペクションでマンションに付加価値

インスペクションとは、簡単に言えば「今、建物はどんな状況か?」を専門家が判断する調査を言います。

欧米では一般的に行われており、日本でも中古マンションに付加価値をつけるために広く行われるようになりました。

  • 今の状況が第三者視点で証明される
  • 売却時に他の中古マンションより安心感を与えられる
  • 買主の購入後のリフォーム計画が立てやすくなる

たとえばインスペクションを受けたことで、入居後にどんなトラブルが発生しうるか明確になります。

そのトラブルを回避する対応を売主であるあなたが的確にできるだけでなく、今後暮らす買主にとっては安心要素となります。

訪問査定前に受けておくと、今の状況がより正確に評価できるため、査定額に対しその結果が反映されることもあります。

他の中古マンションと差別化を図るには、受けて損はないでしょう。

不動産会社の作成広告の確認

不動産会社の宣伝方法には、次のようなものが挙げられます。

  • レインズへの登録
  • 住宅情報誌やフリーペーパーへの掲載
  • ネット上の不動産サイトへの掲載
  • 店頭でのチラシ掲載

こうした広告の作成は担当者が請け負いますが、自分のマンションを売るための大事な広告です。

必ず、人目に触れる前に自分でも次のチェックポイントに沿って確認しておきましょう。

チェックポイント 理由
写真が多く掲載されている 視覚情報が多い方が、安心感があるから
見栄えのよい写真を掲載している方がより高評価
物件のマイナスポイントも一緒に分かる 設備や構造、条件などの文字情報も詳しく掲載されていると高評価
スマートフォン対応のサイトに掲載してもらえるか 近年はスマートフォンで不動産情報を探す人の方が多いため

この他にも中古マンションの築年数の価格への影響と高く売却するための対策から、高く売るためにしておきたいことが分かります。

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内覧で好印象を与えるマンションの見せ方

売却活動において、売主が力を入れておきたい活動が内覧です。

不動産会社の担当者に案内を依頼することもありますが、室内をどうコーディネートするかは売主自身に委ねられます。好印象になるポイントを押さえておきましょう。

部屋は明るく照明の色にまでこだわる

部屋の照明は白色で、明るい方が室内が広く見えます。

部屋の狭さがマイナスポイントになりそうな家なら、照明を思い切って新しいものにするのも1つの方法です。

また内覧者にとって、よい印象を与えるアイテムがあります。

それはスリッパとメジャーです。

玄関から室内用のスリッパと、ベランダなど外へ出る用のスリッパも用意しておくとよいでしょう。

メジャーがあると、冷蔵庫など家具について具体的に検討できるので喜ばれます。

部屋の掃除は臭い対策まで

部屋の掃除は特に汚れやすいキッチンやトイレ、風呂を中心に、臭い対策もしておくと効果的です。

最低限掃除しておきたい場所と注目ポイントを、表にまとめました。

場所 注目ポイント
キッチン ・排水溝やコンロ回りをチェック
・換気扇のファンも掃除
トイレ ・タンクの水垢
・クロスや床の汚れ
風呂 ・浴槽の表面やその裏側
・鏡の水垢を掃除する
・生活感が薄くなるようにする
床・壁 ・綺麗に拭き掃除、掃き掃除をする
・喫煙者なら、クロスの取り換えは徹底する
・白やベージュなど清潔感のある色にまとめる
臭い対策 ・窓を開けておく
・真冬や真夏はエアコンで換気しておく
・普段出入りしない家は消臭剤を使う

もしこれらの掃除が難しそうなら、あらかじめハウスクリーニング業者に依頼しておきましょう。

自分の価値観ではなく、内覧者が買いたくなるような部屋を目指すことが大切です。

整理整頓をして見た目の広さを確保

事前に整理整頓や不用品処分を行って、室内の見た目の広さとオープンにできる場所を確保しておきましょう。

住み替えを前提にしている場合、まだ暮らしている状況で購入希望者を迎えることがあるかもしれません。

不要なものなどが多い押し入れや衣類をしまうクローゼットなど、プライベートな空間はできれば見せたくないものです。

しかし内覧者の視点からすれば、「売主が見せたくない場所」は「不具合がある場所」かもしれない、と想像してしまいがちです。

基本的には全てチェックできるように片づけ、どうしても開けられない場所は理由を含めて不動産会社の担当者に念押ししておきましょう。

質問には答えて内覧者の不安を払拭

パンフレットや図面、管理規約集を用意して内覧者からの質問に備えることが大切です。

住んできたあなたが気にしていなかったような情報や条件を、特に重視している場合もあります。

また不動産会社の担当者にとって、こうした資料はマンションごとのルール説明や間取りの解説にうってつけです。

担当者がすぐに質問に答えてくれれば、内覧者は不安も少なくなり、安心して室内を見学できます。

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所有しているマンションを早く・高く売るコツ

ここまで解説した内容を効率よくこなすことに加え、早く・高く売るためには次の4つのポイントを押さえましょう。

【必ず使うべき】一括査定サイトを利用

不動産会社の選び方の章で解説した5つのポイントを含め、自分の目的に合う不動産会社を決めるためにも、一括査定サイトは重要です。

  • 売却価格の相場把握
  • 適切な価格設定
  • 近隣の不動産会社のピックアップ

特に頼りになる不動産会社がない場合、初めて売却をする際、一括査定サイトで探しておくと時間的にも効率がよいと言えます。

今現在の相場を把握することで、販売計画を具体的に立てられるのも強みです。

また一括査定サイトでは「メールのみでやり取りしたい」という希望も叶えられます。

ネット上の匿名性を生かして、中古マンションの査定を受けることもできるのです。

わずらわしい営業の電話が嫌な人にとっては、一括査定サイトを使うことでそうしたストレスからも解放されます。

3ヶ月以上の売却活動期間を設ける

中古マンションの売却に失敗する理由として、売却期間不足が挙げられます。

中古マンションを納得のいく価格で売るには、3ヵ月以上の売却活動期間を設けましょう。

不動産売却はスムーズに進んだ場合でも3~4ヶ月かかるため、たとえば10月に売れることを目標とするなら、最低でも7月には動き出す必要があります。

特に高く売りたい人は、十分な売却期間を設けて、納得のいく買主を探していきましょう。

売却活動前にメンテナンスをしておく

購入希望者にとって水回りなど、設備面は非常に気になるポイントです。

何故なら、万が一リフォームが必要になった場合にお金がかかりやすく、時には数百万円もの出費が購入後に必要となるからです。

設備面の不具合は瑕疵と呼ばれ、購入後決められた期間内なら売主に対し賠償責任を求められます。

せっかく高く売れても、賠償金で手元に残るお金がゼロになる可能性もあるのです。

メンテナンスにかかる期間を見越して、売却活動前に行っておくと内覧までに間に合わせることが出来るでしょう。

売却時期は3月を狙う

高く売るには、買主側が焦る時期を狙うのも1つの手です。特に日本は4月からは学校もスタートするため、3月中に就職や進学で引っ越しをする人がぐっと増えます。

つまり引っ越しを考える時期から売り始めれば、買主の目に止まりやすくなるのです。最初に不動産売却の流れを解説しましたが、それを反対に考えてみましょう。

  • 10月から11月:物件情報を集めて相場を調べる
  • 12月から2月:内覧や条件交渉
  • 3月:引っ越しを済ませる

こう考えると、3月に決着をつけたい層に中古マンションを売り込むにはなら、10月から遅くとも12月までには売却活動を開始するのがおすすめです。

売主との交渉に備えたい方は不動産売却の交渉ポイント|物件を高く売る方法について解説も参考になるでしょう。

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マンション売却時にかかる費用・税金

中古マンションを売った際、手元に残るお金を計算するには、下記の式を活用します。

売却価格 -(仲介手数料 + 印紙税 + 登録免許税(登記費用)+ ローン返済 + 税金)= 手元に残るお金

この式に関わる費用は、必ず発生する費用や場合によって発生する費用によって成り立ちます。

【必ず発生する費用】

  • 仲介手数料
  • 印紙税(印紙代)
  • 登録免許税(所有権移転登記・抵当権抹消登記)
  • 譲渡所得税

【場合によって発生する費用】

  • 司法書士の依頼費用
  • 測量費/解体費など
  • 振込手数料

ではそれぞれの費用について、所有から5年経過したマンションを4,000万円で売却したとして、詳しく解説します。

仲介手数料

仲介手数料は中古マンションの売却を依頼した不動産会社に対して支払う費用で、売却活動に対する成功報酬です。ここまで解説してきたように、さまざまな手続きを代行してもらう費用にもなります。

ただし、不動産会社が自由に決めてよいわけではありません。法律上のルールに沿って、上限や権利が発生するタイミングが決まっています。

仲介手数料の上限を求める計算式 売買価格 × 3%+6万円(消費税別)(400万円以上の場合)
権利が発生するタイミング 売買契約が成立した時
仲介手数料の下限 法律上、0円であっても問題はない

たとえば4,000万円で中古マンションを売却した際は「4,000万円×3%+6万円=126万円」が仲介手数料の上限金額です。

印紙税(印紙代)

印紙税は国へ納める税金の1つです。不動産売買をはじめお金のやり取りは、契約書や領収書への信頼によって成り立ちます。

その信頼を法律がバックアップする代わりに、国へ納めます。売却金額に応じて税金が決まっており、不動産売買の際は2019年5月時点で次のように決められています。

売却金額 本則税金 軽減税率
100万円を超え500万円以下のもの 2,000円 1,000円
500万円を超え1千万円以下のもの 1万円 5,000円
1千万円を超え5千万円以下のもの 2万円 1万円
5千万を超え1億円以下のもの 6万円 3万円
1送園を超え5億円以下のもの 10万円 5万円

中古マンションを売却した際は、売主と買主の間で交わす売買契約書に収入印紙を貼り付けて印鑑を押せば納税したことになります。

ただし厳密に言うと、売買契約書の原本が必要なのは買主だけです。

売主側は今後売った不動産を所有するわけではないので、買主の持つ売買契約書のコピーでもよいのです。

すると買主側だけが収入印紙を支払う、ということもあります。

登録免許税(所有権移転登記・抵当権抹消登記)

登録免許税は国へ納める税金の1つで、不動産の所有権が変わる所有権移転登記など登記手続きを行った際に発生します。

ここでいう登記手続きとは、その不動産が確実に自分のもの、売却したなら買主のものと公に証明するための手続きを指します。

  • 抵当権抹消登記:設定した抵当権を外して売れる状態にする
  • 所有権移転登記:持ち主を売主から買主に移す

中古マンションの売却では上記の2つの登記が必要ですが、売主であるあなたが支払うのは抵当権抹消登記のみです。

所有権移転登記については、買主が全額負担します。

抵当権抹消登記の費用

抵当権抹消登記は、不動産1つに対し1,000円と決まっています。

中古マンションであれば、建物と敷地権で2,000円を支払うのが一般的です。ただし敷地権が複数あるなら、それに応じて1,000円が加算されます。

住所変更登記が必要な場合は売主の負担

所有権移転登記をする際、あなたがすでに新しい住居に引っ越してる可能性もあります。

すると登記上の現所有者の住所が異なるため、住所変更登記をしなくてはいけません。

この費用も抵当権抹消登記の時と同様、不動産1つに対し1,000円です。

たとえば住所移転登記が必要となった場合、建物と敷地権を1つずつ所有しているのなら、登録免許税は合計で4,000円となります。

譲渡所得税

譲渡所得税とは、不動産売却で利益が出た場合のみ発生する税金です。

譲渡所得税を支払うべきか計算する計算式は、次の通りです。

譲渡所得 = 譲渡価格(売却額)-(取得費+譲渡費用)- 特別控除額

では実際に、ここまで例に挙げてきた4,000万円で中古マンションの売却に成功したケースで計算してみましょう。

解説 計算
譲渡価格 マンションを売却した金額 4,000万円
取得費 購入した時の費用の合計-所有期間中の減価償却費を差し引いた金額

分からない場合は「譲渡価格×5%」

▲2,500万円((購入金額5,000万円-(償却限度額500万円×5年))
譲渡費用 仲介手数料や印紙税、リフォーム、クリーニング代など売るのにかかった費用 ▲127万4,000円(仲介手数料+印紙税+登録免許税)
特別控除額 不動産、特にマイホームを売る際に使用できる特例、条件に当てはまれば活用できる

【よく使われる特例】
・3,000万円の特別控除の特例
・10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例
・特定の居住用財産の買い替え特例

▲3,000万円(3,000万円の特別控除の特例に適応)
-1,627万4,000円

結果、この例では譲渡所得はかからないと分かりました。反対にプラスとなれば、その時点で税金が発生します。

譲渡所得税を計算する

たとえば譲渡所得が500万円に発生した場合、税金がいくらかかるか求めます。この時、鍵となるのが売却した中古マンションを何年所有していたかです。

所有期間 税率 所得税 住民税 合計
売った年の1月1日で5年以上 長期譲渡所得 15% 5% 20%
売った年の1月1日で5年以下 短期譲渡所得 30% 9% 39%
2037年までは所得税の税率に復興所得税(2.1%)が上乗せされます

表の通り、売った年の1月1日で所有してから5年が経過していれば、長期譲渡所得に当てはまります。その場合は「500万円×20%=100万円」が譲渡所得税と分かります。

確定申告は必須

不動産売却をした翌年、確定申告は必須の手続きです。何故かというと、支払う税金を示すためにも、税金を支払わなくてよいことを証明するためにも、確定申告が条件となるからです。

また不動産売却に関わる法律上のお得な制度を使う条件にも、確定申告が含まれます。

たとえ購入価格より安く売れたとしても、その損を他の収入と相殺する制度などもあるため、条件に応じて制度を使えるよう申請しつつ、確定申告も済ませるのがベストです。

売却益や確定申告についての詳しい情報は不動産売却益とは?計算方法や確定申告の流れを解説でも解説しています。確定申告に備えて用意を始めたい人には不動産売却は確定申告不要?知らなきゃ損する申告しないデメリットもおすすめです。

司法書士の依頼費用

売主が司法書士を利用するのは、たとえば「抵当権抹消登記をしてほしい」「土地の名義が自分のものではない」といったケースが当てはまります。

抵当権抹消登記はすでに抹消済みなら必要ないので、司法書士の依頼費用が発生しないこともよくあります。

抵当権抹消登記を依頼するのなら、司法書士費用は1~3万円程度です。登録免許税を含めても、4万円を超えない程度でしょう。

売主の氏名や住所を変更する際も、同じくらいの費用で済みます。抵当権を外せるようなら、早めに依頼しておくとよいでしょう。

ハウスクリーニング費用

ハウスクリーニングは、専門の業者に依頼して家の中を掃除してもらうサービスのことです。

頑固な汚れがある中古マンションや、浴室を徹底的に掃除してほしい場合などに依頼すると、見た目も良くなり内覧や訪問査定において効果的です。

依頼する業者によって費用は異なりますが、空室状態で依頼すると部屋の広さに応じて次のような費用が掛かります。

部屋の広さ 料金目安
1DK、LDK 2万5,000~5万3,460円
2DK、2LDK 3万~7万5,000円
3DK、3LDK 5万~10万円
4DK、4LDK、100㎡以上 基本的に要見積もり

もし引っ越し前で、室内に荷物がある状態で依頼した場合は、料金目安に2~5割プラスされることがほとんどです。

空室状態の方が掃除がスピーディーであること、荷物があると荷物に汚れが付かないようカバーが必要なことなどが理由として挙げられます。

振込手数料

不動産の取引が成立すると、買主から売主へ代金が振り込まれます。

この時、金融機関に対し発生する振込手数料は「売主負担」か「買主負担」のどちらかになります。

何故かというと、一般的な売買契約書においては振込手数料の負担者の明確な決まりがないためです。

したがって、どちらが負担するかは不動産会社と買主、売主、三者の取り決めによって異なります。

  • 売主負担:売主が振込を希望する場合や費用を自分で振り込むケース
  • 買主負担:買主が振り込みを希望する場合や不動産会社が買主負担とするケース

民法上は「売主・買主とも特に意思表示がない」状況であれば債務者である買主の負担と決められています。

しかし、買主が現金支払いを希望すればこれは当てはまりません。

よって「振り込みを希望する人」に対して振込手数料の負担を求める場合もあります。

不動産会社に対して、あらかじめ聞いておくとよいでしょう。

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よくあるマンション売却のQ&A

マンション売却前に「どうしたらいい?」と悩みがちな疑問を、最後にQ&A方式でまとめて解決しておきましょう。

不動産会社は大手と中小のどちらがよい?

大手と中小というくくりではなく不動産会社の選び方で解説したように、売りたいマンションにとって不動産会社が合っているかどうかが重要です。

でもどちらがよいかは気になる人も多いため、メリット・デメリットで比較してみましょう。

大手不動産会社 中小不動産会社
メリット ・大手だからこその広い流通
・全国規模で購入者を探せる
・宣伝範囲が広い
・人の目に止まる可能性が高い
・地元の買主に詳しい
・過去の取引データからより堅実な査定をしてくれる
・予想売却期間も精度が高い
デメリット ・人の出入りが激しく担当者が変わる可能性がある
・「この地域だから欲しい」という購入者は少ない
・親身になってもらえないことがある
・情報量が少ない
・大手より宣伝力が劣る

中古マンションの売却は、どれだけそのマンションの特性を理解し、購入の可能性が高い買い手に働きかけられるかにかかっています。

そのため大手でも中小でも、販売戦略が合うのなら問題は少ないでしょう。

傾向は都市部と地方で変わる

ただし傾向として「都市部は大手の方が有利」とされます。理由として、都市部は中古マンションの流通数が多いため、中小不動産会社だと情報が埋もれやすく、買い手の目に止まらない可能性があるからです。

一方で狭くて築年数が古いマンションの場合、大手に依頼すると早く売ろうと値下げを迫られることもあります。

少しでも早く売りたいのなら問題はありませんが、高く売りたい場合はミスマッチと言えるでしょう。

ローンが残っているとマンションは売却できない?

ローンが残っているマンションでも、条件をクリアできれば売却可能です。

  • 方法1:「ローン残高を一括返済」したうえで「抵当権抹消登記」を行う
  • 方法2:「金融機関に承諾」してもらったうえで「任意売却」を行う

抵当権とは、ローンを貸している金融機関が、返済が滞った場合にマンションを売却することでその残高を解消する権利であり、ローンが完済された後に手続きをしないと外れません。

抵当権が残っているマンションは、突然取り上げられる恐れがあると見なされ売れないのです。

任意売却という方法は、住宅ローンを貸している金融機関に承諾してもらい、売却金をローン返済に充てる売却方法です。

あくまでも返済したいが経済的事情で困難な人の救済手段のため、誰でも自由に使えるわけではありません。

住宅ローンが残っていて、かつ現状だと一括返済が難しい場合は、それも含めて不動産会社に相談しておくと良いでしょう。

確定申告を忘れたけど大丈夫?

速やかに、かつ自主的に税務署へ相談しましょう

確定申告をし忘れていた期間は税金を支払っていないことになるため、支払いが遅れたことに対して次の2つの税金がかかる恐れがあるためです。

  • 無申告課税:期限内に申告しなかったことへの罰金
  • 延滞税:支払うべき税金を払っていなかったことへの罰金

また確定申告は、中古マンション売却に関する特例や税金の控除における必須条件でもあります。

確定申告をしていなかったために特例が受けられず、反対に税金が発生してしまう可能性もあるのです。

マンション売却に関する税金についてはマンション売却に発生する税金とは?種類と節税方法を解説。でも詳しく解説しています。

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マンション売却のため一括査定から始めよう

中古マンションを自分の目的に合わせて売るには、相性のよい不動産会社を見つけるためにも、早めの行動が肝心です。

まずは売却する理由を明確にし、相場をチェックしたら不動産会社を探すためにも、一括査定サイトを利用しましょう。

売却活動を早く進めたい人は、一括査定サイトを利用するところから始めても問題はありません。

複数の一括査定サイトに同じ情報を入力してみて、出てくる不動産会社がどんな会社か見ておくのもおすすめです。

一括査定サイトごとに特徴があるため、あるサイトでは不動産会社が見つからなかったエリアでも、別のサイトでは査定依頼が出来る会社数が見つかることもあります。

中古マンションが売れやすいシーズンに間に合わせるためにも、まずは一括査定サイトで不動産会社探しから始めてみませんか。

また、一括査定サイトについて詳しく知りたい・比較したいという場合は下記の記事を参考にしてください。

参考:【2019年最新】不動産一括査定50サイトをジャンル別に比較!