不動産売却の基礎知識

不動産の所有権移転登記にかかる費用はいくら?自分でもできる?諸経費など徹底解説します!

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この記事では、不動産取引の際に発生する「所有権移転登記(しょゆうけんいてんとうき)」について徹底解説していきます!どれくらいの費用がかかるのかも紹介していくので、きっと役に立つハズです。

通常の不動産取引をすると、不動産の代金とは別にさまざまな費用がかかりますが、その中に含まれる「登記」には手続きが必要で、費用がかかります

この、不動産を所有することを証明する仕組みである「登記」を行うことで「自分の所有」と認められ、家を建てたり賃貸にすることができるようになります。それでは早速見ていきましょう!

所有権移転登記にかかる費用の種類

所有権移転登記(しょゆうけんいてんとうき)」とは、不動産の所有者が変わったときに、新たな所有者情報を登録する手続きです。所有権の移転にはさまざまな原因があり、税率も異なります。

所有権移転登記にかかる費用は、大きく分けると以下3つがあります。

  1. 登録免許税
  2. 報酬費用(司法書士に依頼する場合)
  3. その他に掛かる雑費

登録免許税

所有権移転登記には、必ず「登録免許税」という税金が発生します。法務局で申請する際、登記申請書に「収入印紙」を貼り付けて納付します。

「登録免許税」は、所有権移転登記手続きを行う不動産の固定資産税評価額に税率をかけて算出されます。以下のステップに沿って計算してみましょう。

【STEP1】まずは固定資産評価額を調べる

固定資産評価額は、毎年4月ごろ送付される「固定資産税の納税通知書」か、不動産所在地の市町村役場で取得できる「固定資産税評価証明書」に記載されています。

それぞれ書式が異なるため、記載されている場所も違います。間違いなく「固定資産税評価額」であるかどうかよく確かめましょう

【STEP2】税率を調べる

登録免許税の税率は、移転登記の原因が「相続」なのか「相続以外」なのかによって税率が異なります。

●土地の登録免許税

所有権移転の原因 税率
売買 20/1000
相続 4/1000
贈与 20/1000

●建物の登録免許税

所有権移転の原因 税率 軽減税率
売買 20/1000 個人が居住用として取得し、要件を満たせば3/1000
相続 4/1000 なし
贈与 20/1000 なし

報酬費用(司法書士に依頼する場合)

不動産の所有権移転登記は「権利の登録」であり、誰にでもできることにはなっていますが非常に専門的で複雑であることから、法的手続きの専門家である司法書士が代行するのが一般的です

依頼する内容は、自分で書類を集めその後の登記手続きだけを、またそれらすべてを任せることも自由に決められます。報酬金額は以下を目安を考えてみてください

●司法書士報酬額基準(2003年3月末時点)

課税標準価格 基本報酬
①500万円以下 13,060円~16,260円
②1,000万円以下 15,480円~19,170円
③1,000万円以上 ②に、1,000万円ごとに2,420円~2,810円を足す
④1億円以上 ②に、1,000万円ごとに1,740円~2,130円を足す

2003年3月31日まで司法書士報酬額基準によって定められていましたが、現在は自由に設定できます。ただ、現実としては上記の表を元に設定されることが多いようです

依頼する司法書士が決まったら、具体的な費用を事前に見積もってもらうと良いでしょう。

③その他に掛かる雑費

不動産登記手続きの前提として、該当する不動産の現在の名義人や権利関係を確認するため、法務局で登記簿謄本(登記事項証明書)を取得して添付しなくてはなりません。

また登記申請書には印鑑証明書、住民票、固定資産評価証明書なども必要です。

登記簿謄本(登記事項証明書)取得費用 1通につき600円
印鑑証明書・住民票・固定資産評価証明書 1通につき300円

それ以外にも登記の内容によって別途必要となる書類もあります。

例えば相続による所有権移転登記なら、相続関係のわかる戸籍謄本一式が必要で、戸籍謄本は1通450円、除籍・原戸籍謄本は1通750円の取得手数料がかかります。

郵送で取り寄せる場合はさらに切手代と小為替の手数料もかかります。

所有権移転登記の手続きを自分でする場合の注意点


先ほど簡単に触れましたが、所有権移転登記は、本来は誰でも手続きできるものですが、ほとんどの場合は司法書士に依頼します。

司法書士報酬を節約するために自分で手続きすることも可能ですが、もともと法律にまつわる専門的な手続きなため、注意点がたくさんあります。それでは見ていきましょう。

  1. 自分で行うリスクについて
  2. 金融機関がNGを出す場合がある
  3. もし自分で所有権移転登記する場合

①自分で行うリスクについて

インターネットで所有権移転登記と検索したときに出てくる「申請が遅れ他人に割り込みで登記され土地を取られる」「申請ミスで所有権が移転できていなかった」といった失敗事例が紹介されていますが、デマです。所有権移転登記にはもともと登記事項証明書が必要なため、基本的にはそんなことはあり得ません。

しかし、法律の知識が必要な上に、初めての作業の場合、必要書類が何かを調べることから始めて、それらを一つずつ申請して取得し、登記申請書を作成するなど時間や手間は思った以上にかかります

また、登記申請する法務局の窓口は平日昼間しか開いていません。そのため、必要に応じて仕事を休んだり、遠方なら交通費もかかります。この「時間と手間」は、自分で所有権移転登記を行う上で大きなリスクと言えます。

②金融機関がNGを出す場合がある

自分で所有権移転登記することは法的には問題はありません。ただ、手慣れた専門家ではないため、先ほど説明した通り「時間と手間」は覚悟しましょう。当然、移転登記に時間がかかり着工が遅れることも十分あり得ます。

また専門家に任せないということは、理由はどうあれ「所有権を移転しない可能性」があり、住宅会社や金融機関にとっては融資取引に関して大きなリスクになります。専門家であれば手続きがスムーズなだけでなくその責任として所有権移転登記を間違いなく完了させますが、個人になると「融資だけ受けて所有権を移転しない」という可能性もあるからです。

そのため金融機関によっては、所有権移転登記手続きは「専門家に依頼する」ことを前提としている場合もあります。

③自分で所有権移転登記する場合

自分で所有権移転登記するときは、司法書士が行うときの手順と同じで、まず「①必要書類を揃え」、その後「②法務局へ申請」します。

①必要書類を揃える

所有権移転登記に必要な書類は以下です。

  • 登記申請書:法務局のホームページからダウンロードして作成するか、オンラインでそのまま申請することもできます。記載例もありますからじっくり確認しながら作成できます。
  • 収入印紙:登録免許税分の額面の収入印紙が必要です。書き直しもあり得ますから、貼り付けは申請書を法務局で確認してもらった後にしましょう。
  • 登記原因証明情報:売買契約書など「元の所有者と新しい所有者の合意の上で所有権を移転する」ことがわかる書類のことです。いつ、誰から誰に、どのような目的で、どの不動産が移動するのかが記載されていなくてはなりません。
  • 代理権限証明情報:当事者以外の誰かが手続きする場合に必要な「委任状」のことを言います。ネットで「登記 代理権限証明情報」などと検索して無料の書式を利用したり、法務局のホームページにある記載例を参考に作成します。もちろん自分で申請するときは不要です。
  • 印鑑証明:売買契約での所有権移転では、売主の印鑑証明が必要です。
  • 住所証明情報:新しく所有者となる人の住民票の写しのことです。
  • 登記識別情報または登記済証:登記識別情報とは登記が完了したことを通知する書類をいい、登記済証とはいわゆる権利書です。どちらも正式な所有者である事の証明になります。

②書類が揃ったら法務局へ提出

書類を揃えたら、それらを持って法務局の窓口に提出します。そのとき、書類の不足や印紙の貼る場所・貼り方などに不備がある可能性があるため、確認してもらいましょう。

問題なく受理されれば一週間ほどで登記事項証明書が発行されるので、それを受け取って手続きは終了です。

不動産の売却にかかる費用は不動産会社に相談してみよう!

不動産の売却には、所有権移転登記以外にもさまざまな費用がかかります。状況によっても異なるなど、非常に複雑なので、初めての人は全ての手続きを行うのは簡単ではありません。

  1. 専門的な知識を持ったプロへ相談することが大切
  2. 一括査定サイトを利用して最適な不動産会社を見つける

①専門的な知識を持ったプロへ相談することが大切

不動産売買には、不動産の状態によって一定の条件が追加されることもあります。

建物付き土地で、建物が非常に古く解体を前提としている場合、解体にかかる費用をどちらが負担するかは重要です。解体費用は木造で坪あたり3万円から4万円、鉄筋コンクリート造りで坪あたり6万円から8万円が目安とされ、木造一戸建てを解体すると100万円以上かかることも珍しくありません

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また境界が曖昧な土地の売買では、確定測量を行い境界を確定して引き渡す場合もあります。この場合、土地面積40坪、隣地所有者3名から4名で、国や自治体との境界(官民境界)が確定している場合で30万円から40万円程度の費用がかかるのが一般的です

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このように状況によってかかる費用の種類や金額はさまざまです。慣れない不動産の費用は、できるだけ不動産会社などの専門家に相談しましょう。費用に関して全て教えてくれますし、全く想定していなかった費用や手間も指摘してもらえます。スムーズに手続きを進めるために、賢く利用するのが良いでしょう!

一括査定サイトを利用して最適な不動産会社を見つける

不動産会社を探すときには「一括査定サイト」を利用すると良いでしょう!


不動産一括査定サイト』とは、あなたのように「マンションを売りたい」「家を売りたい」「土地を売りたい」と思っている方が、インターネット上で日本全国の不動産会社にまとめて査定依頼が無料でできるサイト(サービス)のことです。

一括査定サイトでは、不動産・土地情報などの情報を入力すると、サイト内に登録されている複数の不動産会社に無料で一括査定依頼ができます。サイト内に登録されてる不動産会社はどれも厳選されているので、その中から売却を依頼する仲介不動産会社を見つけましょう。

また、都心だけでなく、地方の不動産売却を検討している人でも、その場所の売却に適した不動産会社が自動的に選ばれ、その中から希望する不動産会社を選んで査定依頼ができるのも特徴なので、初めての方でも問題なく利用できますよ!

Q.どうして無料で利用できるの?

A.『不動産一括査定サービス』は、仲介となる不動産会社から紹介料をもらって運営しています。そのため、不動産を売りたいと考えている売主の方は無料で利用できるのです。本当に無料なので、安心して活用してみましょう。

できるだけ多くの不動産会社に接し、最適な不動産会社を見つけるために、一括査定サイトを必ず利用しましょう。

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[まとめ]不動産の所有権移転登記に掛かる費用相場を計算してみよう

不動産の所有権移転登記は、申請そのものにかかる費用とは別に、添付する書類の取得にも費用はかかります。登記は間違いなく完了しておかなければトラブルになることもあるため、費用や手間を考えてできるだけスムーズに行いたいものです。

所有権移転登記は司法書士に依頼するのが一般的ですが、所有者自身で行うこともできます。ただ専門的で状況によって用意すべき書類が変わることもあるため、まず不動産会社や専門家に相談するのがおすすめです。