抵当権抹消手続きの必要書類の紹介|手続きをしないとデメリット

「住宅ローンを組んだときにローンを組んだ金融機関に抵当権を設定されたけど、ローンを完済したし抵当権は抹消されているはず」と勘違いしている人も多いです。

抵当権はローン完済しただけでは、抹消されていません。

抹消するために手続きが必要です。

この手続きが面倒だと後回しにすると、大変なことになってしまいます。

抵当権抹消のために必要な書類の紹介や紛失した場合のことなどを解説していきます。

抵当権とはなにか

抵当権は不動産を購入するために、金融機関で住宅ローンを組んだときに家と土地をその借金の担保として確保するためのものです。

住宅ローンの支払いができなくなった場合は、金融機関は裁判所に申し立てて強制的に不動産を競売し、売却代金から優先的にローンの代金を受け取ることができます。

抵当権が設定されると、不動産登記簿謄本にお金を借りた人や貸主、期日や金額が記載されます。

ローンを完済しても抵当権の抹消の義務はありません。

しかし抵当権を抹消していないと、新たなローンを組むことや不動産の売却を行うことができなくなります。

抵当権抹消登記に必要な書類

抵当権抹消登記にはいくつか必要な書類があります。

その書類がそろっていないと抵当権抹消ができません。必要な書類について説明します。

登記申請書

登記申請書は、法務局のホームページより申請書はダウンロードができます。また登記申請書の書式や記載例もホームページにあります。

法務局で取得する場合は1通1,000円で、インターネットでの取得の場合は1通465円です。

不動産によってはインターネットでの取得ができない場合があるので、法務局に確認しましょう。

また、登記申請書は細かいルールがあるため、下記の内容を確認しましょう。

<登記申請書の記入内容>

  • 登記すべき不動産の表示
  • 登記の目的
  • 原因
  • 権利者
  • 義務者
  • 添付情報
  • 申請年月日と申請する法務局
  • 申請人兼義務代理人
  • 登記免許税

記入したら、申請人が申請書に署名、捺印をしなければいけません。

登記識別情報または登記済証

登記識別情報または登記済証は、抵当権設定時に抵当権者に交付されるもので、住宅ローン完済時に金融機関から渡されます。

実際には、「抵当権設定契約証書」と呼ばれています。これを登記申請書に添付します。

 

登記識別情報:12桁の数字や記号の組み合わせで、登記済証に代わる新しいものです。

登記識別情報の12桁の番号を知っていることで、不動産の所有者と判断し、登記名義人を識別するものです。

 

登記済証:平成18年以前の不動産登記法の改正前まで法務局から交付されていたものです。

不動産について登記が完了したときに、登記所が登記名義人に交付する書面のことです。

登記原因証明情報

「登記原因証明情報」とは、住宅ローン完済時に金融機関から渡される登記をすることとなった事実や法律行為が記載された書面のことです。

「解除証書」「弁済証書」「放棄証書」とも言われています。

空欄があれば、自分で埋めなければならないこともあります。

 

解除証書:住宅ローンに保証会社を通すとき、登記原因証明情報は解除証書になります。

保証会社がはいることで、抵当権を設定するのは保証会社になります。

保証会社が金融機関から委託される形で、抵当権設定契約を結びます。

住宅ローンを金融機関に完済すると解除証書が発行されます。これは保証会社と結ばれた抵当権設定契約を解除されるということです。

 

弁済証書:保証会社を通さずに、直接金融機関で住宅ローンを組むときは登記原因証明情報は弁済証書になります。

住宅ローンを完済すると、弁済証書が発行されます。

抵当権者の委任状

債権者は金融機関で、金融機関に抵当権を抹消する権利があるので、抵当権を抹消する手続きをするためには委任状が必要になります。

金融機関から発行される委任状は債務者に抵当権を抹消する行為を委任するものです。

以前は委任状だけではなく、資格証明書の添付も必要でしたが、平成27月以降は抵当権者である金融機関の会社法人番号を記載した場合には、資格証明書の添付は不要です。

委任状には住宅ローンを組んだときの住民票上の住所を記入します。

住宅ローンを組んだときの住所とちがう住所を記入した場合、登記申請が認められません。

また自分で抵当権抹消登記申請を行うときは、金融機関の委任状が必要になります。

この場合は「金融機関が自分に抵当権抹消を委託した」ということを書き加えます。

必要書類を紛失した場合の対処方法

大切な書類だとわかっていても保管した場所がわからなくなり、紛失してしまうことがあるため、確認しておきましょう。

登記識別情報または登記済証の場合

権利証が発行されるのは登記したときの一度だけなので再発行はできないので下記のいずれかで対処します。

  • 司法書士が「本人確認情報」を作成する
  • 事前通知制度を利用する
  • 公証人による本人確認

司法書士が「本人確認情報」を作成する方法は、資格者である司法書士が作成した本人確認情報を提出してもらうと、法務局から登記名義であることが証明されます。

しかし司法書士への報酬として5~10万円の費用がかかってきます。

事前通知制度を利用するとは、不動産売却のときの登記申請において、権利書を提示できないことを説明すれば、登記所から登記名義の住所へ事前通知が届きます。

この通知は、本人限定受取郵便が利用され、さらに実印を押印する必要があるので、本人確認が可能になります。

法務局は印鑑照合して問題なければ、抵当権を抹消できます。

公証人による本人確認とは、公証役場で公証人の前で登記申請用の委託状に署名捺印をします。

公証人に本人確認は平日公証役場に行く必要があるので、平日に時間が作ることが難しい人は利用しにくい手続きです。

費用は数千円の手数料がかかってきます。

登記原因証明情報の場合

銀行が発行するものなので、紛失した場合は金融機関の再発行を依頼します。

まず銀行に電話をして紛失したことを伝え、再発行を依頼します。

銀行は履歴を見て、住宅ローンの利用や完済していることを確認します。

約1~2週間程度に銀行に再発行された書類が届くので、銀行から指示された印鑑を持って銀行に行き、書類を受け取ります。

抵当権者の委任状の場合

委任状には雛形がなく金融機関によって異なります。紛失した場合は金融機関に再発行してもらいます。

金融機関の印鑑証明が必要になることもあるので早めに連絡しましょう。

再発行に時間がかかるので、抵当権抹消の手続きを忘れてしまう可能性があります。

委任状は再発行が可能ですが、手続きも時間もかかるのでなるべく紛失しないようにしましょう。

抵当権抹消手続きには登録免許税がかかる

抵当権を解除するには、法務局で抵当権抹消登記を行う必要があり、登記する際の免許税を法務局へ納めなければなりません。

登録免許税は、不動産一つあたり1,000円かかります。

戸建ての建物と土地は別に課税されるので、建物の免許税1,000円 + 土地の免許税1,000円 = 2,000円の免許税になります。

登録免許税の支払いは、現金で直接法務局に支払うのではなく、該当する金額の収入印紙を購入し、提出する書類に添付して納付します。

抵当権抹消登記の手続きの仕方

抵当権抹消登記の手続きは自分で行うか、司法書士に依頼するか2つの方法があります。

それぞれメリットがあるので、説明します。

 自分で行う場合

費用を抑えたい場合は自分で抵当権抹消登記を行います。

登記の中でも抵当権抹消登記の手続きは簡単な方なので、必要書類を揃えれば法務局に申請するだけなので自分でも行うことが可能です。

自分で手続きをすれば登録免許税を含め約2,900円で済みます。

あらかじめ法務局に必要な書類のことを聞いておくと、スムーズに抵当権抹消登記が行えます。

抵当権抹消登記を自分で行うと、司法書士に依頼するより、かなりの費用を抑えることができます。

さらに司法書士に依頼すると個人情報の関係で、登記には不要な書類を書かされることがあり、時間と手間がかかります。

司法書士に依頼する場合

忙しくて時間のない人や手続きが面倒ならば司法書士に依頼します。

費用は18,000円ほどかかります。

自分で行うときより費用はかかりますが、面倒な書類作成を行ってくれるし、登記内容もチェックしてもらえます。抵当権抹消登記申請がすんでから、書類に不備があることがわかると、法務局に再び足を運び再提出しなければいけません。

さらに銀行から受け取った書類一式のなかに有効期限3カ月のものもあり、手続きに時間がかかると有効期限が過ぎて、再度書類を請求しなければいけません。

また前に不動産の所有者になってから、抵当権抹消登記をする間に氏名や住所が変わった場合には、抵当権抹消登記と併せて、住所変更登記を行う必要があり、その手続きも司法書士が行ってくれます。

抵当権抹消登記しないとどうなるか

ローンを完済しているのに、抵当権抹消登記をしないとさまざまなデメリットがあります。

新たにローンを組めない

住宅ローンを完済しても、登記簿上に抵当権が残っていると、抵当権があると思われ新たにローンを組むのが難しくなります。

ローンを組むことが難しいということは、所有している不動産を売却して新たに不動産を購入する計画を立てても、困難になります。

売却するときに不利になる

完済しても書類上は抵当権がついたままだと、ローンを完済された物件かどうか判断できず、信頼性も乏しくなります。

さらに売却するときに買主がローンを組めなくなるので、不利になり売却しづらくなります。

抵当権が残っていて、さらに売主がローンを完済していなかった場合、ローン支払いが滞ってしまった際に、その不動産が買主の意思に関係なく競売に出されてしまうことがあります。

こうしたリスクのある不動産の買主はなかなか見つかりません。

時間が経つと手続きが複雑になる

抵当権抹消登記の手続きを進めるために、住宅ローンを完済した時点で金融機関から書類が送られてきます。抵当権抹消の手続きに必要な書類には有効期限があるので、手続きを後回しにすると、その期限が切れてしまっている場合には再発行が必要となります。さらに金融機関の統合や合併、本店の移転、代表者の変更があったりすると、手続きが複雑になってしまいます。

まずは不動産売却でローンが完済できるかが重要

不動産を売却した売却代金で住宅ローンを返済できれば、抵当権を抹消することが可能です。

しかし、住宅ローンが売却代金より多い場合は、残りのローンを自分の資金で支払わないといけません。こうゆうことにならないためにも、まずは一括査定サイトで不動産がどのくらいで売却できるか調べてみましょう。

一括査定サイトは、短時間で複数の不動産会社から査定をしてもらえます。

査定を1社だけに頼ってしまうと、相場より安くで売却してしまう恐れがあります。

複数の不動産会社に査定してもらうことで、不動産の相場がわかります。複数の不動産会社に足を運ぶのは時間と労力がかかります。

一括査定サイトなら、スマホやパソコンを使って短時間で、査定を行ってもらえます。

その中から信頼できる不動産会社、また親切で説明が丁寧な営業マンがいるところを選ぶようにしましょう。

抵当権抹消登記の必要書類の準備と手続きは早めに行う

抵当権抹消登記は義務ではありません。

そのため、住宅ローンを完済しても手続きを後回しにしてしまう人もいます。

しかし、書類の中には有効期限が決まっているものもあります。

新たに不動産を購入したい、または不動産を売却したいときにスムーズに行うことができません。

住宅ローンを完済したら、法務局に相談して必要な書類の準備をしておきましょう。

手続きを自分で行うか司法書士に依頼するかは、よく調べてから決めましょう。

自分で行うと慣れないことなので、書類に不備が見つかると何回も法務局に通わなくていけません。

費用がかかっても司法書士だと書類のチェックなど行ってくれるので、自分で行うより時間も手間もかかりません。

どちらにせよ必要な書類は同じなので、すべてそろっているか、紛失している場合は再発行できるものはすぐにしてもらうように準備していれば、抵当権抹消登記をスムーズに行うことができます。