中古マンションの築年数の価格への影響と高く売却するための対策

マンションは購入して住み始めた時から価格は下がり始めています。しかし、この価格の下落は一定に下がるものではありません。それならいつマンションを売却すれば高く売れるのでしょうか。

マンションの売却価格は、たくさんの要因から決まります。築年数であったり、周辺の環境であったり、競合物件の有無であったりとさまざまです。

ここでは、中古のマンションはどのくらいの時期での売却がよいのか。また、高く売るために気を付けるべきポイントを解説しています。マンションの売却を検討している人はぜひこの記事を参考に売却に備えて下さい。

中古マンションの場合は築6~15年の間が売り時

家の売却を行う時にはほとんどの人がどうすれば高く売れるかを考えると思います。そして、高く売るためには売る時期を見極めることが大切です。

一般的に中古のマンションは、築年数が経過するほど価格は下落します。そのため、築浅で売るのが一番高く売却できると言えます。しかし、売却時に利益が出た場合の税金の支払いは、そのマンションの所有期間が5年を超えると税率が下がり、税金の支払いを抑えられます。

そのため、税金の支払いや価格の値崩れを考えると、中古のマンションは築後6年から15年が売り時と言われています。そして、マンションの価格の下落は最初の数年と15年を超えた頃が急激に下落します。そのため、15年を超えるまでに売ることも高く売却するポイントとなります。

中古マンションを売り時に売却するメリット

中古マンションは売り時を見極めて売却することで、売却後に手元に残る金額が変わります。また、売りやすい時期を選ぶことも高値売却のポイントとなります。

譲渡所得税率が低くなる

不動産を売却すると売却代金を受け取ります。その代金からマンションを購入した時の費用や売却した時の費用を差し引いてプラスになると、税金の支払いが発生します。この際の税率は売却した年の1月1日を基準にして5年を超えているかどうかで変わります。

なお、税額は、売却代金から取得費と譲渡費用を控除した課税譲渡所得に税率を乗じて出されます。取得費には購入代金や購入時の税金、仲介手数料等が含まれます。また、譲渡費用は譲渡の際にかかった印紙代や仲介手数料等です。

所得税 復興特別所得税 住民税
短期譲渡所得 30% 0.63% 9% 39.63%
長期譲渡所得 15% 0.315% 5% 20.315%

5年以下の場合には短期譲渡所得となり、5年を超えると長期譲渡所得になります。例えば、不動産売却益が800万円の時のそれぞれの税額を比べてみましょう。

短期譲渡所得
800万円 × 39.63% = 317万400円
長期譲渡所得
800万円 × 20.315% =162万5,200円
317万400円 - 162万5,200円 = 154万5,200円

上記の計算でもわかるように、所有期間が5年を超えるか超えないかで同じ物件の売却でも154万5,200円も税金の支払い額が変わります。このように売却する時期を調整することで、税金の支払い額を減らせ売却後に手元に残る金額が増やせます。

築浅の物件は人気があるので早く売れやすい

中古のマンションなら新築に比べて購入費用が抑えられるため、最近では中古のマンションの購入を検討する人が増えています。そして、築浅(築5〜10年)の物件なら新築のものとさほど設備も変わらず、家の中の傷みも少ないため売りに出してもすぐに買い手が見つかることが多いようです。

また、中古マンションでは築11年から15年が一番多く流通しており、2002年から2006年を含むこの時期は、広くて安いマンションが多く供給された時期にあたります。そのため、間取りや広さを見てもお得感がありとても人気のある年数です。

そして、築11年を超える頃には新築時の価格の7割程度になっています。また、ディスポーザーやIHのキッチン、食洗器が普及し始めた頃なので設備的にも納得できるものが多いため、売りやすい年数となっています。

築古物件になると買い手が気にすること

築古のマンションの懸念材料は、引き渡し後の瑕疵(かし)に対するものが多いでしょう。瑕疵が見つかった時にどのような対応になっているかで売りやすくなるか高く売れるかが変わります。

10年を超えたあたりの中古マンションは瑕疵担保が気になる

品質確保促進法では、新築の建物を販売した事業者に対して10年間の瑕疵(かし)担保責任を負うことを定めています。しかし、中古マンションの場合には売主は個人となる場合が多く、その場合には瑕疵担保責任が契約の際に短縮されていたり、免責されたりすることがあります。

建物は10年を超える頃には水回り等に傷みや破損が目立ち始めます。そのため、築浅の物件を購入する時には気にする人も少ないですが、既存住宅瑕疵担保保険に加入しているかや、住宅診断が行われているか、耐震診断が行われているかなどを気にする買主が多くなります。

このように10年を超える物件の購入を検討している人たちは、建物の状況を気にしており、購入後、安全にどれくらい住めるかを考えています。そのため、これらの保険の加入や検査が行われていないと、それを理由に値引き交渉をしてくる場合があります。

築古物件を瑕疵担保免責で販売しても買い手からは敬遠される

いくら築古のマンションが安いと言っても、購入は住むためのものなので安全に住めることが前提になります。しかし、築20年から30年のマンションになると老朽化も進み、大規模修繕や建て替えに関する懸念もあります。そして、適切なメンテナンスが行われていないと、瑕疵(かし)が見つかる可能性も否めません。

しかし、築古のマンションでは、売買契約時に瑕疵担保責任を免責とする特約がある場合があります。その場合には、買主は売主に対して物件の引き渡し後に見つかった瑕疵(かし)に対して、修理のための費用の負担を請求できません。そのため、瑕疵担保責任を免責にして販売する時には、その分価格を安く設定して販売を行います。

しかし、買主にとったらいくら価格が安くなっていても、どのような瑕疵が発見されるかもわからず、その費用がどれくらいかかるかも予測が付かないため、購入対象から外される可能性が高くなります。

築浅物件の売却における特徴

築浅のマンションは買主も見つかりやすく高く売却できる可能性が高くなります。しかし、売却益に対する税金は高くなるので注意が必要です。

建物も新しいので比較的早く売却できる

中古のマンションを探している人は、予算を決めて物件を探しています。そして、同じ予算内であればできるだけきれいなマンションを購入したいと考えるのは当然のことでしょう。

築浅ならば外観も室内も傷みが少ないケースが多く、購入後のリフォーム費用が安く抑えられます。そして、築浅でも新築マンションに比べればかなり購入価格は抑えられます。そのため、中古であっても築浅はとても人気があり、売れやすい傾向にあります。

住宅設備も価値に含まれる

照明器具やエアコンなどは売却の際には撤去するのが一般的です。しかし、築浅の物件で購入時に揃えたものならそれほど傷んでいない場合があります。

そのような時には設置したまま売却することが可能です。もし、エアコンや照明器具が必要ないのであれば、買主に相談してみるとよいでしょう。買主が設備の状態を確認して設置したままの購入をのぞむのであれば、そのままで売却することでその分の価格交渉ができるでしょう。

期待するほど高く売却できない場合もある

新築時のマンションの価格には、建築した会社の利益や経費が含まれています。これを新築プレミアムといいマンションの価値に上乗せされているものです。そして、その価格はおおよそ価格の2割程度といわれています。そのため、新築のマンションは1日でも住むとその価値は2割は下がると言われています。

このように、少しの期間しか住んでいないマンションでも、考えているよりも売却価格は低くなることが多いです。よほどの好立地や条件のよいマンションでない限り、新築プレミアムの価格を考えた上での売却価格の設定が必要です。

所得税率が高い

マンションを売却すると購入価格以上に高く売れて利益が出る場合があります。マンション等の不動産の売却で出た利益を譲渡所得といい、譲渡所得には税金がかかります。

そして、この税額を出すときの税率はマンションの所有期間によって変わります。5年を超えているかどうかで税率が変わるのですが、年数は売却した年の1月1日で5年を超えているかどうかで数えます。

5年以下の場合には、課税譲渡所得額の39.63%の税金が発生します。また、5年を超えるとその税率は20.315%になります。そのため、築浅なら高値で売却できる可能性はあがりますが、その分、5年以内だと支払う税額が増えてしまいます。

中古マンションを上手に売却する方法

中古マンションの売却は依頼する不動産会社にかかっています。不動産会社をしっかりと見極めて選ぶことでスムーズに売却ができます。

一括査定サイトを利用して売却することがおすすめ

マンションの売却活動で初めに行うのが査定です。査定を行うことでマンションの価値を知ったり、価格相場を知ることができます。しかし、不動産会社が出す査定額は、不動産会社の持つ取引事例や顧客数などで大きな差がでる場合があります。

そのため、査定を依頼する時には、一括査定サイトを利用して複数の不動産会社に査定を依頼することが鉄則です。複数の査定額を比較することで、おのずと価格相場がわかります。そして、価格相場からかけ離れた査定額や高すぎる査定額を見抜くこともできます。

一括査定を利用するメリットとしては、自宅にいて簡単な入力で一度に複数の不動産会社に査定が依頼できるところです。不動産会社に出向いて査定を依頼する手間や時間がかかりません。また、物件情報を入力するので、その物件に合った不動産会社に査定が依頼できます。

このように一括査定を利用して、所有している地域のマンションの売却に適した不動産会社を選び、適正価格で販売することが、短期売却や高値売却につなげられる最善の方法です。

そして、査定を行った際には、気になる不動産会社には訪問査定を依頼して実際に担当者に会って話を聞いてみましょう。その時には査定の根拠を尋ねたり、高くうるためにはどうすればよいのかを聞くとよいでしょう。担当者の実績や知見を確かめることで、その後の売却活動がうまくいくかどうかも予測できるでしょう。

このように不動産会社を選ぶ時には、多くの不動産会社を比較し検討することでスムーズな売却へとつなげられます。

築古物件ならリフォームしたほうが買い手の印象が良い

マンションでも戸建てでも同じことが言えますが、適切なメンテナンスを行うことで快適な暮らしがおくれます。これは売却に備えてだけ考えるのではなく、毎日の生活のためにも必要なことです。もちろん、きちんとメンテナンスがされたマンションは、家を丁寧に扱っていることがわかり、きれいに保たれている場合が多く売れやすくなります。

一般的に5年を超えて10年目に差し掛かる頃には、所々、破損や汚れが出始めます。ここでメンテナンスをしておくと、きれいな状態を保てます。また、10年から15年になると水回りの不具合が出始めます。浴室やキッチン、トイレでは水漏れや腐食などが気になる時期です。この時期に点検を行っていくと、急に不具合が発生して困ることを避けられます。

そして、15年を超える頃には給排水管の寿命が近づきます。給排水管は自分では破損や汚れなどがチェックできない場所です。検査や点検を行って取り替えておくと安心です。

このようにそれぞれの寿命や取り替えの時期などを理解していると、その時期に合わせてメンテナンスが行えます。そして、メンテナンスの履歴があれば、売却時に有利になり、築年数による値引き幅も小さくできるでしょう。

また、水回りは特に買主にとっては気になる部分です。築古の場合には、不動産会社に相談してリフォームを検討してみるとよいでしょう。リフォームを行うことで、より多くの購入希望者が現れることもあります。

競合物件があるなら時期をずらしてみる

マンションを売却する場合には、どうしてもマンション内で他の物件の売却時期と重なってしまう場合があります。そうなると、購入希望者は当然、価格や物件の状況を比べて判断します。

所有している物件が競合する物件の条件よりも良ければ問題ありません。しかし、同じ広さなのに価格が安い、日当たりが良い等など競合物件の方が良い条件だと、比較されて値下げ交渉される恐れがあります。

そのため、安く買いたたかれないためには、売却活動自体を一度休止することも1つの方法です。そして、競合物件がなくなった頃に売り出すことで、余計な値引きの可能性が下がります。

中古マンションを売却するときは築年数は重要なポイント

マンションを売却する時には事前に知識を蓄えることで、より高く売れるように対策ができます。マンションは築年数が経過するほど価格が下がっていきます。そのため、どの時期に売るかも売却価格を上げる大きなポイントになります。

また、売却価格は選ぶ不動産会社でも大きく変わります。適切な不動産会社を選ぶことで、売れるためのアドバイスをしてもらえたり、税金対策についてもサポートしてもらえます。そのため、一括査定を利用して慎重に不動産会社を選ぶこともとても大切です。

マンションの売却時にはここで蓄えた知識を活かして、マンションの売却に合った不動産会社を選び高値売却を目指しましょう。