田舎の両親から古い家を相続したけれど、住まないので手放したい。一方で、古い家はどうやって売って良いのかわからない…現役世代の方の中には、このような問題を抱えている人もいるのではないでしょうか。
古い家だと売れないと最初から諦めている人もいるでしょう。確かに、不動産の価値は年月とともに下がっていく傾向があります。しかし、古い家でもポイントを抑えれば売却の可能性をあげることができます。
古い家を売却するためのポイントや情報方法を解説します。
古い家が売れない3つの原因

家が売れない場合、必ず理由があります。ここでは、古い家が売れないときの代表的な理由を3つ紹介します。
古い家を売る価格設定が高い
不動産の売却時、価格設定はとても重要です。売り出し価格が適正価格からずれてしまっている場合、なかなか買い手は現れません。
売り主が”売りたいと思っている価格”で家を売り出している場合は、なかなか買い手がつかないケースが多くなります。相場や過去の似た物件の取引事例を参考にし、根拠のある価格設定を心がけましょう。
また、不動産会社に任せて売りに出している場合でも、相場とずれた価格設定をしている可能性があります。売り出してからしばらくたっても家が売れない場合には、今一度価格を見直してみることをおすすめします。
家が古いため複数の問題を抱えている
家は長い年月が経つと老朽化します。古い家は複数の問題を抱えていることが多く、それらの問題によって買い手が見つからないというケースがあります。
例えば、1981年以前に建てられた家は、古い耐震基準に沿って建てられているケースがあるため、買い手からは不人気です。耐震基準は1981年に変更され、現在の耐震基準で建てられた家は震度6~7の地震に耐えられるのに対し、旧耐震基準で建てられた家は震度5までの地震にしか耐えられないようになっています。
日本は地震大国のため、耐震問題は重要なポイントです。耐震基準が古い時期に建てられて、補強が行われていない場合には、買い主から敬遠されやすく売却は困難になりがちです。
その他にも古い家は、水道管の規格が古く劣化している、最新の建築基準法から外れた容積率や建ぺい率で建てられている、隣家との土地の境界が曖昧なままなどの問題を抱えているケースがあります。
古い家をスムーズに売却したい場合、これらの問題を解消しなければならない場合があります。
売りたい家の立地でニーズがない
古い家が売れない場合、そもそもその家が建っている場所の立地が悪く、ニーズがないというケースもあります。
例えば、田舎で駅や買い物ができる施設から遠く、車がないと生活がしにくい場合は、ニーズが多い物件とは言えません。田舎で交通の便が悪い土地に建っている中古住宅の売却は、苦戦を強いられる<>ケースが多くなっています。
他にも、日照条件が悪い、騒音があるなどの場合は、交通の便が良くても人気がなく、売却に時間がかかってしまうことがあります。
適正価格で売るため一括査定を活用しよう

家の古さにかかわらず、価格設定が間違っていると、不動産はなかなか買い手が見つかりません。適正価格で売却を行うためには、複数の不動産仲介業者から家の査定を受け、査定額を比較して相場を知ることが重要です。
しかし、複数の不動産会社に個別で査定を依頼すると、とても手間がかかってしまいます。そこでおすすめなのがネット上で簡単に、複数の不動産業者に査定を依頼できる一括査定です。
最新の売りたい古い家の相場がわかる
一括査定サイトを利用すると、一度の情報入力で、複数の不動産会社に査定依頼を出すことができます。
複数の査定結果を見比べることで、売りたい家の相場を把握することができます。相場を把握することで、適正な価格で家を売り出すことが可能になり、安く売却して損をしたり、高く値段をつけて長い間売れ残ることを避けることが可能になります。
また、一括査定サイトの利用は無料です。そのため、まだ売却を悩んでいる段階でも、気軽に査定を受けることができる点もメリットと言えるでしょう。
厳選された不動産会社で営業が信頼できる
一括査定サイト経由で査定を依頼できる不動産会社は、査定サイトによって厳選されている場合がほとんどです。そのため、悪徳な業者に出会う可能性も低いでしょう。
また、実際に売却活動を始める際には、査定をしてくれた不動産会社の中から、媒介契約を結ぶ不動産会社を選ぶことになります。
その際、一括査定によって複数の不動産会社に査定を依頼し対応を見比べることで、もっとも対応の良い不動産会社を選ぶことができます。
不動産会社は、価格の相談にのってくれる、需要がない立地でもセールポイントを検討してくれる、買主を探しやすい契約の種類を説明してくれるなど、親身に対応してくれる会社を選びましょう。また、印象が良く、営業力のある担当営業に依頼することも大切なポイントです。
大手以外の不動産会社も探せる
一括査定サイトでは、大手の不動産会社だけではなく、地元に強い中小の不動産会社から査定を受けることができます。
不動産売却は必ずしも大手だから安心、というわけではありません。地元に顧客を多く抱え、その土地の特色を熟知している中小の不動産会社の方が売却がスムーズにいくケースがあります。
一括査定を利用すると、売却したい物件にあった不動産会社から査定を受けることができます。自分で探していたら見落としてしまうような、地元に強い不動産会社と出会うことができる点は大きなメリットです。
おすすめの一括査定サイト3選
サイト名 | 利用者数 | 対象エリア | 提携会社数 | 同時依頼数 |
イエウール | 1,000万人 | 全国 | 1,700社 | 6件 |
イエイ | 400万人以上 | 全国 | 1,700社以上 | 6件 |
リビンマッチ | 440万人 | 全国 | 1,400社 | 6件 |
イエウール:全国1,700社以上に対応
地方・地域密着型の中小規模不動産業者にも対応しているので、都市部以外に所在しているマンションや一戸建てなどの不動産を売却したい人におすすめです。
利用者数 | 1,000万人 |
対象エリア | 全国 |
提携会社数 | 1,700社 |
同時依頼数 | 6社 |
取引件数 | 非公開 |
顧客満足度 | 98% |
運営会社 | 株式会社Speee (Speee, Inc.) |
サイト内では一戸建てや土地など、物件の種類別に売却手順の説明も掲載されています。しつこい勧誘があったなど、評判の悪い不動産会社は登録から外されているので安心です。
イエイ:お断り代行サービスを提供
大手不動産会社だけでなく、地域に密着した地方に強い不動産会社への査定も一括で依頼できます。
利用者数 | 400万人以上 |
対象エリア | 全国 |
提携会社数 | 1,700社 |
同時依頼数 | 6件 |
取引件数 | 1,000件以上 |
顧客満足度 | 97% |
運営会社 | セカイエ株式会社 |
都心部だけでなく、地方の物件を売却したい人にもおすすめです。また、査定を依頼した不動産会社からの営業連絡を断りたい際に、代わりに断ってくれる「お断り代行」サービスがあるため、営業電話を断りにくい人におすすめです。
なお、依頼先の不動産会社は自分で選べる仕組みとなっています。
リビンマッチ:利用したいサイト第1位
都道府県別に、このサイトに登録している不動産会社の情報をあらかじめ調べることができ、その中から売却査定実績の多い不動産会社を選べることが特徴です。
利用者数 | 440万人 |
対象エリア | 全国 |
提携会社数 | 1,400社 |
同時依頼数 | 6件 |
取引件数 | 14万件(年間) |
顧客満足度 | 98% |
運営会社 | リビン・テクノロジーズ株式会社 |
全国展開しているような大手の不動産業者ではなく、どちらかと言えば地域に密着した中小規模の不動産会社の登録が多いので、相続などによる地方の不動産の売却を考えている人におすすめです。
売るための不動産会社の種類の幅を広げる

一般的に、古い家は築浅な家と比べて売却が難しい傾向があります。
しかし、専門の不動産会社を利用することで、古い家の売却可能性をあげることができます。ここでは、買取専門の不動産会社に依頼する方法と、古い家専門の不動産会社に依頼する方法をご紹介します。
買取専門の不動産会社に依頼をする
不動産を売却する際には、一般的に「仲介」の方法をとる人が大多数です。仲介は、不動産会社に間に入ってもらい、買い主を探してもらう方法です。一方で、不動産を売却する方法には「買取」というものもあります。買取は、その名の通り不動産会社に物件を買い取ってもらう方法です。
買取の場合、不動産会社との交渉が成立すれば、時間をかけて買い主探しを行わずに済み、たとえ家が古く傷んだままでも引き渡すことができます。
必ず売りたい場合や、すぐに現金化したい場合には、買取が適しています。デメリットは、仲介で買い主を探しをして売却するケースよりも売却価格は下がる傾向にあります。
家が古く、買い主探しが難航すると事前にわかっている場合、買取専門の不動産会社で買い取ってもらうという選択肢を選ぶのも良いでしょう。
古い家を専門に売る不動産会社を使う
近年、古民家ブームが続いています。古い家の風合いを利用して飲食店や民泊として再利用するケースも増えています。このようなブームも後押しして、古い家を専門に扱う不動産会社が増えています。売却したい家が風合いのある家であれば、このような古い家専門の不動産会社に相談してみましょう。
これらの不動産会社には、古い家を売るためのノウハウがあります。古い家を古民家として売り出すための相談に乗ってもらうことができるでしょう。
古い家が付いた土地として売りに出す

古い家を売却したくてもなかなか買い主が見つからないとき、家を売るのではなく、「古い家がついた土地」として売り出すという方法もあります。
売却したい物件が住宅地にある場合、古い家を壊して新しい家を建てることを前提にした買い主が見つかる可能性があります。
買い主は新しく建てる家のイメージができる
古い家が建っている場合、家を建てるための土地を探している買い主にとってもメリットとなる場合があります。例えば、新しく建てる家のイメージがしやすくなるというメリットがあります。
実際に家を建てたときの日当たりの状態や、間取り、騒音の状態、隣家との距離設定など、すでに古い家が建っている場合の方が、鮮明にイメージができます。購入後のイメージがしやすいと買い主の購買意欲が上がりやすく、家の売却に良い影響を与えます。
このように、あえて古い家を残したまま土地として売却を進めても良いでしょう。
解体して売るより費用の負担が少ない
古い家を残したまま土地として売却する場合、家を解体しなくて良いというメリットもあります。家の解体は、100万円単位で費用がかかるため、解体しない場合は費用の節約につながります。
さらに、家を解体して土地だけになった場合、翌年まで売却できずに持ち越すと、納税しなくてはならない固定資産税や都市計画税の額が増額されてしまいます。
土地はその上に建物が建っている場合、固定資産税が最大6分の1、都市計画税が最大で3分の1に軽減されています。
古い家を壊してしまうと、建物部分の税金は節約できても、土地部分の軽減措置がなくなるため、結果として支払う税金が増えてしまうのです。
このように、古い家を解体すると出費が増えてしまう可能性があるため、古い家を残したまま土地を売却した方が経済的にお得な場合があります。
安い価格設定をするから買い主が見つかりやすい
古い家付きの土地として売る際、売却を成功させるためには、価格を安めに設定することがおすすめです。買い主が解体費用を負担することを想定し、売却の価格を低めに設定するように不動産会社からもアドバイスを受ける場合が多いでしょう。
実際の価値よりも安めの価格で売却する場合、買い主が見つかりやすくなります。家の状態次第で、リノベーションして住む人もいるため、古い家がある土地は、当初想定していた以上にニーズがあったというケースもあります。
いつまでも売れないなら無償譲渡を検討

ここまで古い家の売却方法について、いくつかのポイントをご紹介してきましたが、ポイントを抑えて売却活動を行っていても、残念ながら買い手が見つからないこともあります。
売却したい家がいつまでも売れないときには、どのようにしたら良いでしょうか。
古い家がいつまでも売れないと経済負担
不動産を所有していると、毎年税金を納めなくてはなりません。税金以外にも、維持管理で費用がかかる場合もあります。所有し続けているといつまでも出費が発生してしまうことになります。
また、家が建っている場合、その土地の固定資産税や土地計画税が軽減されています。しかし、建っている空き家の傷みが酷く周囲に迷惑や危険があると判断されてしまった場合、空き家対策特別措置法によって、税金の軽減措置がなくなります。
古い家をいつまでも放置していると、払わなくてはならない税金が増えてしまうこともあるのです。
このように、住んでいない古い家がある場合、長く所有することはデメリットの方が大きいため、早めに対策を打つ必要があります。
無償譲渡なら仲介手数料がかからない
古い家がなかなか売却できない場合、無償譲渡という方法で手放すという手段もあります。
無償譲渡の場合、一般的な中古物件の売買のときのように不動産会社が間に入らずに、手続き全般を自分たちで行うことになります。
そのため、不動産会社に支払う仲介手数料がかからないというメリットがあります。もちろん、譲渡の手続きに関わる費用(登記費用など)は必要ですが、仲介手数料が不要なため費用を抑えて古い家を手放すことが可能となるのです。
無償譲渡は隣家から相談
無償譲渡を考えている場合、仲介を依頼しないので、譲渡先をどのように見つけていいか悩む人もいるでしょう。このような場合、まず最初に隣の家に相談することをおすすめします。
隣の家であれば、駐車場にする、家の増築など、利用方法を検討しやすく、譲渡を検討してもらえる可能性が高いでしょう。
苦労して譲渡先を見つけた後にお隣さんに引越しの報告をしたところ、「声をかけて欲しかった!」と言われることがあるかもしれません。まずは隣の家から声をかけてみてはいかがでしょうか。
全国に希望者を募るため空き家バンクに登録
譲渡先を探す際、空き家バンクに登録するという方法があります。空き家バンクは各自治体が運営しており、家を探している人と手放したい人のマッチングのためのサポートをしてくれるサービスです。
最終的な契約の交渉は当事者同士で行わなくてはなりませんが、自治体によっては、買い主の内見へ同行するなど手厚いサポートが行われています。
古い家がある地域の自治体に、こういったサービスがあれば利用しない手はありません。
古い家をそのまま売るならまず一括査定サイトの利用を

古い家を売却するときのポイントや、無償譲渡について紹介しました。
ここ最近は、古民家ブームが起こっており、古い家の再利用が注目されています。古い家だからと言って、最初から売却を諦めるのはとてももったいないことです。
ぜひご紹介したポイントを抑えて売却を進めて見てください。まずは、古い家の売却を考え始めたタイミングで無料の一括査定からスタートさせることがおすすめです。
一括査定で相場を把握してから古い家の売却の戦略を考え、賢く売却活動を進めていきましょう。
また、一括査定サイトについて詳しく知りたい・比較したいという場合は下記の記事を参考にしてください。
参考:【2019年最新】不動産一括査定50サイトをジャンル別に比較!