不動産売却の確定申告の必要書類とは?事前に用意して期限前に提出

不動産売却後は確定申告のため必要書類の用意

不動産売却をしたら確定申告をする必要があります。給与所得の人にとって確定申告は未経験の場合が多く、申告の時期が近づいてくると不安が募ります。

確定申告には必要な書類が多く、ギリギリに準備を始めると申告期限までに提出が間に合わない可能性があります。そこでこの記事では、不動産売却時の確定申告に必要な書類の詳細と、確定申告の仕方についてまとめました。余裕をもって準備をするための参考にして下さい。

不動産売却をするとなぜ確定申告が必要?

給与所得だけなら年末調整によって、確定申告の必要はありませんが、不動産売却をして利益があると、確定申告をして税金を払わなければなりません。利益は譲渡所得と呼ばれ、税金は以下の式で計算されます。

譲渡所得=譲渡収入金額-(取得費+譲渡費用)

支払う税金=(譲渡所得-特別控除)×税率

  • 譲渡収入金額:不動産の売却価格
  • 取得費:売却した不動産を取得するためにかかった費用
  • 譲渡費用:不動産売却の時に支払った仲介手数料などの費用

特別控除は、条件を満たしていたら支払う税金を節約できる制度です。不動産売却で利益がでると、譲渡所得がいくらなのかの申告や、特別控除を使うために確定申告が必要になります。

また損失が出た場合は、確定申告はしなくても良いのですが、申告によって節税出来る方法があるので、損をしないために不動産売却では確定申告が必要なのです。

不動産売却の確定申告の必要書類とは

譲渡所得の申告や特別控除を受けるため、不動産売却後は確定申告のために、必要な書類をあらかじめ準備しておかなくてはなりません。用意する書類は大きく分けて7種類あります。

  1. 個人事業主用の確定申告書B様式
  2. 分離課税用の申告書
  3. 譲渡所得の内訳書
  4. 不動産登記簿謄本
  5. 売却した不動産の取得に関する書類
  6. 不動産を売却した時の売買契約書や経費の書類
  7. 特別控除を受けるための書類

それぞれの書類について、入手方法などを含めて詳しくご紹介します。

税務署か国税庁のHPで入手できる3種類の必要書類

まずは、確定申告のために税務署か国税庁のHPから、

書類 用途
個人事業主用の確定申告書B様式 譲渡所得や納税額を記入
分離課税用の申告書 給与所得などの課税と不動産や株の利益に対する分離課税を算出、納税額を決定
譲渡所得の内訳書 売却をした不動産の情報(面積や売却額など)を記入するための書類

を入手します。税務署なら例年1月半ば以降から配布をしています。これらの書類は入手しなくても、国税庁のHPにある確定申告書等作成コーナーを利用すると、ネット上だけで書類作成ができます。

譲渡所得の計算に必要な3種類の書類

確定申告で不動産売却を行った証拠や、譲渡所得を計算するために使った数字の証拠として、さまざまな添付資料が要求されます。以下で紹介する書類は、事前に手元に準備できるものです。確定申告にも必要な書類ですので、大切に保管しておきましょう。

法務局で取得する登記簿謄本

自分が所有していた不動産を売却したことを示すために、登記簿謄本を用意します。添付するのは登記簿謄本のコピーでも問題はなく、新たに用意をするのなら、売却した土地や建物を管轄する法務局に行けば、1通600円で発行することができます。

売却した不動産の取得費がわかる書類

取得費の証拠として、取得したときの売買契約書とその領収書を用意しましょう。取得費は計上するほど、譲渡所得を低く見積もれて税金を安くできるので、取得費に含められる以下の内容がわかる書類があれば、探し出してください。

  • 取得した時に支払った印紙税、登録免許税、不動産所得税
  • 仲介手数料
  • 整地や解体にかかった費用
  • 測量費
  • 設備の代金
  • 改良費

書類のコピーさえあれば、確定申告で取得費として計上できます。取得費を証明できるものが何も残っていなければ、「譲渡収入金額×5%」で取得費は計算されます。

不動産の譲渡収入金額や譲渡費用がわかる書類

売却のために不動産会社などとやり取りした時に作成した書類で、譲渡をした証明や譲渡収入金額や譲渡費用の証拠として使われます。該当する書類は、

  • 売買契約書やその領収書
  • 仲介手数料の領収書
  • 売却のための測量や解体の費用がわかるもの
  • 登記のため支払った税金や司法書士への報酬
  • 負担をした印紙税
  • 資産価値を上げるために行ったリフォームなどの領収書
  • 不動産売却後の土地や建物の全部事項証明書

譲渡費用の領収書は、取得費と同様に計上するほど節税につながるので、該当するものは全て確定申告で必要となります。各書類は不動産を売却する段階で受け取っています。確定申告まで大切に保管をしておいてください。

税金の控除を受けるために必要な書類

控除を使えば不動産売却で発生する税金を、100万円単位で減らすこともできます。税金を減らすことができる制度と必要な書類を紹介するので、使える制度がある場合、上記で紹介してきた書類に追加で書類を用意してください。

減税できる制度 確定申告に追加で必要な書類
5,000万円控除する公共事業による不動産売却 公共事業用資産の買取り等の申出証明書や買取り等の証明書
3,000万円控除するマイホームの売却 追加で必要な書類なし
2,000万円控除する再開発による土地売却 特定土地区画整理事業等のために土地等の買取りがあったことを証する書類
1,500万円控除する建設や宅地造成での土地売却 特定住宅地造成事業等のために土地等の買取りがあったことを証する書類
1,000万円控除する平成21、22年取得の土地売却 追加で必要な書類なし
800万円控除する農地のばいきゃく 農地保有の合理化等のために譲渡したことを証明する書類
相続した不動産の売却で取得費加算の特例 相続税の計算明細書

相続税の申告書のコピー

不動産売却で損失がある時の損益通算と繰越控除 売却した不動産の借入金残高証明書

譲渡損失の金額の計算に関わる明細書

繰越する譲渡損失の金額の計算書

不動産売却で確定申告をする方法

必要書類が準備できたら、実際に確定申告を行います。確定申告は自分で行うか税理士に頼むかの2つの方法から選ぶことができます。

確定申告を自分で行う場合

確定申告を自分で行えば、税理士報酬を節約することができます。不動産売却の確定申告も、きちんと調べて行えば難しくないので、自分でも十分に行うことができます。

自分で確定申告を行う場合の流れは、

  1. 使える控除がないか確認
  2. 税務署もしくはネット上で必要書類を揃える
  3. 確定申告書を作成
  4. 確定申告書を提出

紙の書類を入手して確定申告をする場合は、税金の計算間違いに注意してください。不動産を所有していた期間で税率が変わったり、取得費の計算で手間取ったりします。国税庁のHPにある確定申告書等作成コーナーを使えば、計算は自動でしてくれるからおすすめです。

確定申告の提出方法は税務署の窓口へ持参、郵送、インターネット- e-Taxで電子申告のいずれかになります。税務署は確定申告の時期は大変混むので、確定申告を提出する日は時間に余裕を持ったスケジュールを組みましょう。郵送の場合は、確定申告最終日の消印が押されていれば、期限内の提出として扱ってもらうことができます。

自分で確定申告を行う場合、国税庁のHPにある記載例がわかりやすいので、参考にすると良いです。

参考:確定申告の記入例

確定申告を税理士に依頼する場合

自分でやる時間がない、または不動産の譲渡所得が高額な場合、税理士に依頼をすることもできます。税理士は専門家なので、ミスなく確実に確定申告を行いたいときに依頼すると良いでしょう。税理士費用の相場は10万円前後となっています。

また、自治体が主催する確定申告会場や役所で、税理士が確定申告の無料相談をしている場合があります。しかし、無料の場合には、順番が回ってくるまで時間がかかってしまうことや、イレギュラーなケースなどに柔軟に対応してもらえないことがあるので注意が必要です。

確定申告の必要書類に関する問い合わせ先

確定申告が初めての場合、書類の書き方について複雑で難しく感じてしまいます。書類の準備や書き方に悩んでしまった場合に、問い合わせができる場所を紹介します。

不動産売却を依頼した不動産会社

一括査定などで見つけた優良な不動産会社なら、担当は簡単な確定申告の説明もしてくれます。売却の時に作成した書類が、どこまで必要なのかを聞いてみましょう。

確定申告の作成を税理士に依頼する予定なら、相談をすると提携している税理士の紹介もしてくれます。一から税理士を探すより、不動産売却の確定申告になれた税理士に出会え、利用できる控除の申告し忘れも起きないでしょう。

国税庁のサイトのQ&A

確定申告の時期はとにかく税務署が混雑するので、まずは国税庁のHPから答えを探してしまう方が早いです。確定申告において多いお問い合わせについて、Q&A形式でまとめられています。

最初にこちらから確認をすることをお勧めします。

参考:国税庁 確定申告Q&A

所轄の税務署に確認する

確定申告の込み入った質問については、税務署に行けば丁寧に教えてもらうことができます。先ほどのHPのQ&Aでもわからないことがあれば、税務署に確認をしましょう。

ただ、先述の通り、確定申告の時期はとても混み合っているので、時間に余裕を持って税務署にいくことをお勧めします。また、所轄の税務署は国税庁のHPから検索することが可能です。

参考:国税庁 税務署の確認

③ヘルプデスクに問い合わせをする

税務署にいくことができない場合などには、確定申告のヘルプデスクも設けられていますので、以下に問い合わせすることも可能です。尚、あくまで確定申告のヘルプデスクで税務相談はできませんので、お気をつけください。

電話番号:0570‐01-5901

平日9:00〜20:00の間、電話での問い合わせが可能です。

余裕を持って確定申告の必要書類を用意しよう

不動産売却をすると、確定申告には複数の書類が必要です。書類を探し出したり申請が必要だったりするので、できるだけ余裕を持って書類を準備しましょう。不動産の売却活動を始めた時から、確定申告のことを見越して書類が準備できていればベストです。

不動産売却で利益が出ても損失が出ても、確定申告をすれば税金で損をすることはありません。確定申告が必要なのにしないでいると、追加で税金を支払うことになってしまいます。しっかり情報収集して必要書類を準備し、提出時期がきたら早めに終わらせてしまいましょう。