古家付きの土地は売却できない?更地にしないで買主を見つける方法

古家付きの土地は、マンションや築年数が浅い中古物件と比べて売却が難しいと言われています。

古家付きの土地を所有している場合、古家つきで売却すべきか、それとも家を解体し更地にして売却すべきか悩む人も多いのではないでしょうか。以前は古家は解体して、更地にして売却することが一般的でしたが、現在は古家付きでも売却が可能なケースが増えています。

この記事では、古家付きの土地の売却について、メリットやデメリット、ポイントなどをご紹介します。

古家付きの土地を持ち続けると税金で出費が増える

はじめに古家付きの土地を売らずに所有し続ける場合、どのようなことが起こるか知っておきましょう。

まず、不動産を所有している場合には、固定資産税と地域によっては都市計画税を納めなくてはなりません。これらの税金は、その土地に住んでおらず建物が空き家であっても支払う必要があります。つまり、不動産を所有し続けるということは、毎年税金を支払わなくてはならない義務があるということになります。

一方で、所有している不動産に家が建っている場合には、「住宅用地の特例」という特例があり、納める税金が安くなります。

小規模住宅用地(200平米以下)の場合、この特例によって納税する金額は固定資産税が1/6、都市計画税が1/3となります。このため土地を所有し続ける場合、空き家であっても土地に家が建っている状態の方が、税金が少なく済みました。

【住宅用地の特例による税金の軽減】

固定資産税 都市計画税
小規模住宅用地(住宅1戸につき200平米以下) 課税標準×1/6 課税標準×1/3
一般住宅用地(住宅1戸につき200平米超) 課税標準×1/3 課税標準×2/3

しかし、平成27年より、適正な管理がされていない空き家(特定空き家)と認定された場合、固定資産税・都市計画税の「住宅用地の特例」が適用されなくなります。

そのため、これまで住宅用地の特例に恩恵を受けていた古家付き土地も、活用するのか、売却するのか、または適切に古家の管理を行うかの選択を、早急に迫られる状況になっています

古家付きの土地をそのまま売却するメリット

古家付きの土地の売却方法・活用方法は幾つかの選択肢がありますが、ここからは古家付きでそのまま売却するケースについて考えていきたいと思います。

古家を解体せずにそのまま売却した場合、どのようなメリットがあるでしょうか。

解体して更地にする費用がかからない

古家付きでそのまま売却することのメリットの一つは、家の解体費用がかからない点です。

解体費用は、木造なのか、鉄筋コンクリート造なのかや、都会か地方かによっても異なります。一般的に木造住宅の解体費用は、2万円~5万円/坪が相場です。40坪前後の木造住宅であれば100万円前後となることが多いでしょう。

決して安い金額ではないため、古家を解体せずにそのまま売却できれば、大きな節約になります。

古家の瑕疵担保責任はなし

古家付きで土地を売却した場合、瑕疵担保責任がない点もメリットです。

瑕疵担保責任とは、不動産等の売買契約において、一般的に見つけることができない欠陥があった際に、売主が負わなければならない責任のことです。物件の場合には、売買のときにはわからなかった、雨漏りやシロアリの被害が見つかった場合などに適用されることがあります。

売却対象の土地に築20年以上の古家が付いている場合、この古家の瑕疵担保責任が不問になります。売却の際に隠れている瑕疵を探す必要がありません。

買主が住宅ローンを使って土地を購入できる

住宅ローンを使って土地を購入する場合、土地のみではなく、家つきの土地の方が住宅ローンが組みやすくなります。土地だけの購入の場合には、融資の制限が厳しく、手続きが煩雑になることが多く、古家がある方がスムーズにローン審査が降ります。

そのため、住宅ローンを使って土地を購入しようとしている買主の中には、古家付きの土地の方がよいと感じる人もおり、興味を持ってくれる購入希望者が増える可能性があります

古家付き土地が売却できない5つの理由

前項では、古家付きの土地を売却するメリットをご紹介しました。一方で、古家が付いていることで、土地の売却にデメリットも発生します。ここからは、古家付きの土地売却のデメリットを解説します。

解体費用が買主の負担になる

古家の解体をせずに売却できる点は、売主にとってはメリットでも買主にとってはデメリットになります。そのまま古家を活用する、住むことは多くありませんから、買主が解体費用を負担し、場合によっては水道の工事も発生する場合があります。

購入した土地に新しい家を建てようにも、古家がある場合は、すぐに建築ができない点も買主側にはデメリットに映ってしまうでしょう。

買主にとってデメリットになるということは、購入者がなかなか現れない可能性が高くなります。また、古家の解体費用分を土地の売買代金から値引き交渉されてしまうこともあります。このように、売主にとってもデメリットになるケースがあります。

土地に潜むリスクを調べられない

土地に古家が建っている場合、土地のリスクを容易に調べられない点も注意しておかなくてはなりません。

例えば、古家があるから調べられずに売却し、のちに売主も把握していない埋設物があったケースなどもあります。地盤調査や汚染調査も簡単にはできないでしょう。

地区20年以上の古家がある場合、建物の瑕疵担保責任はなくても、土地に対する瑕疵担保責任は発生するケースがあります。売却した土地に対して責任を問われることもあるのです。

古家付きでの売却を考えている場合、こういったリスクを無視して進めてしまうと、のちに自分の首を締めてしまうことになりかねません。

古家のせいで印象が悪い

長年放置されていた古家だと、建物の傷みが目立つので土地の印象も悪くなりがちです。また、雑草などが伸びていると輪をかけて廃れた印象が強くなってしまいます。

不動産売買は、印象面もとても大切です。その土地自体が価値ある不動産だったとしても、古家のせいで印象が悪く、買主がなかなか見つからない、安い値段をつけられてしまう、などということもあります。

新築が古家より狭くなってしまうから

古家付きの土地の場合、購入を検討する人は、その古家の大きさや日当たりの状態を見て、新しく建てる家のイメージをすることができます。

しかし、ここで注意しなければならないのが、法改正により、買主は古家よりも小さい家しか建てられない可能性があるということです。20年以上前の古家が建てられた時代から、建築基準法に定められている建ぺい率や容積率の基準が変わっているためです。

売却する側の売主もこの点に注意しておきましょう。買主側が取引の途中でこの事実に気づくことで、キャンセルが発生しトラブルに発展することもあります。

古家を解体しても新築が建てられない

売却したい古家付きの土地が、特に住宅地にある場合には、「再建築不可物件」に該当しないかの注意が必要です。再建築不可物件に該当すると、今現在立っている古家を解体したあとは、新しく家を建てることができません

再建築不可物件は、建築基準法で定められている「接道義務」を果たしていないと該当してしまいます。現在の建築基準法では、住宅を建てる土地は、「幅4m以上の道路に敷地が2m以上接地していなければならない」という決まりがあります。

古い時代に建てられた家の中には、この基準を満たしていないものも多々存在します。自分の不動産がこの再建築不可物件に該当するかどうかは、不動産がある自治体に確認をしましょう。もし、再建築不可物件に該当してしまう場合、その古家付きの土地を売却するのが困難になってしまう可能性があります。

古家付きの土地を売却するポイント

ここまで古家付きの土地の売却のメリット・デメリットをご紹介しました。メリットとデメリットを比較した上で、売却を進めると決意した場合、売却を成功させるためにはどのような点に気をつければよいでしょうか。

ここでは、古家付きの土地売却を行う際に、押さえておきたいポイントを4つご紹介します。

一括査定を使って相場に合った価格設定

古家付きの土地に限らず、不動産の売却時には、適切な価格設定が重要です。相場よりも低く価格設定してしまうと損をしてしまいますし、高すぎる価格設定を行えばいつまでも売れ残ってしまいます。

適切な価格設定を行うために、相場をきちんと把握してから売却活動を行いましょう。相場は、土地総合情報システムなど国が運営するサイトでも確認できます。

しかし、これらのサイトから確認できる情報は過去の取引情報のため、直近の相場を確認したい場合には、不動産の一括査定サイトを利用するのもおすすめです。

一括査定サイトなら、自分の土地と家の情報をインターネット上で入力するだけで、最新の情報を鑑みて、複数の不動産業者が査定額をつけてくれます。複数の査定結果を見比べることで、自分の不動産の相場も把握しやすいでしょう。

また、古家付きの土地の売却は難しいため、なかなか得意な不動産会社に出会うことが難しいです。しかし、一括査定サイトを使うと多くの不動産会社の中から、古家付き土地を売ることが得意な不動産会社を見つけることができ、売却活動がスムーズに進む可能性が上がるメリットもあります。

東京都の古家付き土地の相場

東京都の世田谷区や杉並区にある古家付きの土地がどれくらいの価格で売買されているか調べたところ、40坪〜50坪ほどの土地で、3,700万円〜1億円ほどで売りに出されていました。

東京の土地価格は近年上昇しており、また世田谷区は成城学園や浜田山などの高級旧宅街も含まれますので少々値段が高い印象もありますが、このデータからは、23区では古家がある土地でも数千万円で売買されていることがわかります。

地方や東京西部の場合はまた事情が異なります。自分の不動産の相場を知りたい場合には、先ほどご紹介した一括不動産サイトで査定を行ってみるとよいでしょう。サービスは無料ですので、売却を決めていない段階でも気軽に受けることができます。

担当と直に会って不動産会社を決める

不動産の売却を進める際には、不動産会社に仲介を依頼することになります。仲介を依頼する不動産会社はとても大切です。不動産会社を決める際には、担当営業の人と直接会ってから判断しましょう。

直接会うことで、その不動産会社が信頼できそうか、担当者が経験豊富で営業力の高い営業かを判断することができます。査定額に対して根拠のある説明ができるか、担当者の態度や印象を注意深く観察してみましょう。

売却までには時間がかかるものと覚悟

不動産売却において売り急ぐことはおすすめしません。焦って売り急いでしまうと値下げを行うなどして、損をしてしまうことが多くなります。

もともと需要が少ない古家付きの土地の場合、買主はすぐには見つからないと心得ておきましょう。売却の計画に余裕を持っておくとよいでしょう。

自分で古家をリフォームしない

古家がある場合、不動産をできるだけ魅力的に見せるためにリフォームを行いたい気持ちになりますが、リフォームは不要です。

古家の場合、大幅にやらないと資産価値は変わりませんし、リフォーム費用を売却価格に上乗せするとさらに売れにくくなってしまいます。

買主は土地を購入して新しい家を建築することを想定している人が多いため、土地だけが欲しい人にとっては、リフォームされた古家は意味がないものです。こういった理由から古家のリフォームは行わなくてよいでしょう。

古家付き土地が売却できない時の対策

残念ながら、古家付きの土地が、再建築不可物件に該当する場合や、需要がなく売却が見込めない場合もあります。こういった場合にも対策方法があります。古家つきの土地が売却できないときの3つの対策方法をご紹介します。

不動産会社に買取を依頼する

再建築不可物件など一筋縄ではいかない不動産の場合は、不動産会社に買い取ってもらうことも手です。

このような一般的に難があるとされる不動産を、リフォームやリノベーションをしてから売りに出す不動産会社が少しずつ増えています。特に東京23区など、人口が多い場所にある不動産であれば、買い取ってもらえる可能性が高くなるでしょう。

古さを活かして賃貸にする

一方で、田舎や景観のよい場所にある古家なら、賃貸としての需要が期待できます。古民家ブームに乗って、少なからず需要があるからです。

賃貸として貸し出す際に、ペットをOKにしたり、借主に対してリフォームの許可を出せば、さらに顧客が見つかりやすくなります。賃貸も仲介業者を挟んで行えば、不動産オーナーの負担はあまり大きくありません。

観光地が近いなら民泊施設

連日ニュースに取り上げられているように、日本に来る外国人観光客の数は年々増加しています。それに連動し、民泊の需要も高まっています。

もし、古家が観光地に近い場所や、観光需要がある都市の周辺にある場合、民泊として生まれ変わらせることも選択肢の一つです。年間の営業日数は180日以下、消防設備の設置が必要などの制約はありますが、管理は委託できますのでオーナーにあまり負担がかかりません。

日本の古い家に安く泊まってみたいという希望を持つ外国人もいるでしょう。立地面から向いている場合には、民泊を検討してもよいかもしれませんね。

古家付き土地の売却は一括査定から

古家付き土地の売却について、メリット・デメリット、売却時のポイントや売却以外の方法などを幅広くご紹介しました。

売ることが難しいと言われている古家付きの土地ですが、ポイントを抑えて売却や活用をすればしっかりとしたリターンを受け取ることも可能です。

売却を検討する場合には、ご紹介した通り一度一括査定サイトで査定を受けてみると良いでしょう。おおよそどれくらいの価格で売却できるかを把握することができ、戦略が立てやすくなります。