土地売却

土地売却時に支払う税金に適用される特別控除を解説

土地や建物などの不動産を売却したことで利益が出た場合、税金を支払わなくてはなりません。大きな利益が出てしまった場合、納めなくてはならない税金も高額になってしまいます。

納税自体は必ず行わなくてはなりませんが、不動産売却時に支払う税金には、いくつかの節税方法があります。この記事では、知っていると得することができる土地売却時の特別控除について解説します。

あわせて、マイホームや事業用不動産の特別控除についても紹介します。

不動産売却時には特別控除をうまく活用して、節税を行いましょう。

特別控除で最大納税額をゼロにできる

まずは不動産売却時の特別控除の中でも、代表的なものである「3,000万円の特別控除」についてご紹介します。

この特別控除は、マイホームの売却時に条件を満たせば、課税される売却益(=課税譲渡所得)のうち3,000万円分を控除することができるというものです。

簡単に言えば、条件を満たせば3000万円以下の利益であれば、税金を納める必要がないということですね。

適用条件は、居住用財産(マイホーム)であること、居住しなくなってから3年後の年末までに売却、建物解体の場合には、解体から1年以内に土地の売却契約を締結すること、などです。

例えば、この「3,000万円の特別控除」が適用される場合、以下の場合の税金(課税譲渡所得税)はいくらになるでしょうか。計算してみたいと思います。

  • 譲渡所得(売却益)が1,900万円
  • 所有期間が5年以上

まず、計算式に当てはめて、課税譲渡所得(利益のうち税金がかかる部分)を算出します。計算式は以下のようになります。

▼計算式

・課税譲渡所得 = 売却価格 -(取得費 + 譲渡費用)- 特別控除(3000万円の特別控除)

<計算式内の用語の意味>
課税譲渡所得:売却益(譲渡所得)のうち税金がかかる部分
売却価格:売却時に支払われた価格
取得費:その不動産を取得する時にかかった金額・購入額
譲渡費用:不動産売却のためにかかった費用。不動産会社への仲介手数料など
譲渡所得税:譲渡所得にかかる税金

また、譲渡所得税は以下の計算式で算出します。先ほど算出した課税譲渡所得に定められた税率をかけて計算します。

▼計算式

・譲渡所得税 = 課税譲渡所得 × 税率(長期譲渡 or 短期譲渡)

先ほどの条件に計算式を当てはめてみると、(取得費 + 譲渡費用)の部分を考慮する必要もなく、3,000万円の特別控除で課税譲渡所得は0円となります。

・1,900万円 – 3,000万円 = 0円

そのため、この場合もちろん譲渡所得税も0円です。この控除が適用される場合、1,900万円の利益であれば、税金は0円になるということです。

・課税譲渡所得(0円)× 長期譲渡の税率(20.315%)=0円

受けられる特別控除は条件によって異なりますが、この特別控除があることで、マイホームの売却価格が3,000万円以下になる場合には、課税所得税がかからないケースが多いでしょう。

もともとマイホームだった土地を売却した場合

先ほどは代表的な不動産売却時の特別控除として、3,000万円の特別控除についてご紹介しました。それでは、売却したものを「もともとマイホームだった土地」に限定する場合、どのような控除が使えるのでしょうか。

3,000万円の特別控除

前項でご紹介した、3,000万円の特別控除は、マイホーム(物件)を売却した場合に所有期間関係なく受けられる控除です。

しかし、住んでいたマイホームを取り壊した土地を売却した場合でも、次の2つの要件満たせば3,000万円の特別控除がを受けることが可能です。

  • その敷地の譲渡契約が、家屋を取り壊した日から1年以内に締結され、かつ、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。
  • 家屋を取り壊してから譲渡契約を締結した日まで、その敷地を貸駐車場などその他の用に供していないこと。

10年超所有軽減税率の特例

3,000万円の特別控除を利用しても、譲渡所得が上回ってしまい課税が必要になる場合には、取り壊したマイホームの所有期間を確認してみましょう。所有期間が10年を超えている場合、税率が優遇されます。この特例は、「所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例」と呼ばれます。

具体的な内容としては、所有期間が10年超の場合、6,000万円以下の部分の税率が下がる仕組みなっています。

<課税譲渡所得が6,000万円超>

6,000万円以下の部分 6,000万円超の部分
所得税   10.21% 所得税   15.315%
住民税   4% 住民税    5%
合計  14.21% 合計  20.315%

ここまで大きな利益が出るケースは少ないですが、覚えておくと良いでしょう。

特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

これまで、不動産売却によって利益が出た場合の控除をご紹介しましたが、売却によって譲渡所得がある場合よりも、赤字になるケースも多いのではないでしょうか。

不動産売却で赤字になった場合は、譲渡をした年に他の所得との損益通算することができる制度があります。さらに、損益通算を行っても控除しきれなかった譲渡損失は、譲渡の年の翌年以後3年内に繰り越して控除が可能です。

これらの控除を受けるためには、売却によって赤字が出た場合でも、確定申告が必要になりますので注意が必要です。

マイホームの土地売却以外で受けられる特別控除

マイホームの土地以外の土地の売却でも受けることができる特別控除があります。ここでは5つの特別控除をご紹介します。

収用等により土地建物を売ったときの特例

土地の売却において、その土地を公共事業のために土地を売却した場合は、5000万円の控除を受けることができます。(譲渡所得から最高 5,000万円までの特別控除を差し引く特例)

特例を受けるためには、以下の条件に当てはまる必要があります。

  • 売った土地建物は固定資産であること
  • その年に公共事業のために売った資産の全部について収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例を受けていない
  • 買取り等の申出があった日から6か月を経過した日までに土地建物を売却
  • 公共事業の施行者から最初に買取りの申し出を受けた者が譲渡(相続又は遺贈により資産を取得した者を含む)

再開発による土地売却で2000万円控除

再開発によって、土地を売却した場合にも売主への特別控除が設けられています。

土地区画事業や住宅整備事業、市街地再開発事業のためであることが条件で、国、地方公共団体、独立行政法人都市再生機構などへ不動産を売却した場合、譲渡所得から2,000万円の控除を受けることが可能です。

特定住宅地造成事業による土地売却で1500万円控除

土地を、住宅や宅地の造成を行う「特定住宅造成事業」などのために売却した場合、1,500万円までの控除を受けることができます。売却先は地方公共団体などです。

控除額の上限は1,500万円となっており、2つ以上の土地を売却した場合でも控除額は変わりません。

特定期間に購入した土地の売却で1000万円控除

特定期間に購入した土地の売却で受けることができる特別控除があります。それが、「平成21年及び平成22年に取得した土地等を譲渡したときの1,000万円の特別控除」です。

その名の通り、平成21年又は平成22年に取得した土地等を5年を超えて所有したのちに譲渡した場合に、譲渡所得の金額から1,000万円まで控除を受けることができる控除です。

平成20年にリーマンショックが起こったことを起因に、不動産の流通が冷え込んだことで生まれた特例です。

農地保有の合理化のための農地売却なら800万円の控除

通常、個人が農地を売却して利益が出た場合には、税金がかかります。しかし、農業委員会のあっせんにより農地を地域の農家などに売却した場合は、800万円までの控除が受けられる仕組みがあります。

農地保有の合理化とは、零細な農地の状態をより効率的に行うことができるようにすることを指します。具体的には、農地をまとめ、拡大し、農業が効率的に行われることを意図しています。

相続した土地を売却する時に受けられる特別控除

売却したい土地が、相続した土地だという場合もあるでしょう。ここでは、相続した土地の売却時に受けられる特別控除をご紹介します。

相続財産を譲渡した場合の取得費の特例

相続した不動産(土地・建物)を一定期間内に譲渡した場合、相続税額のうち一定金額を譲渡資産の取得費に加算できる特例があります。

特例を受けるための条件は、相続によって財産を取得した者であること、そして相続税が課税されていることです。特例が該当する売却の期間は、相続税の申告期限の翌日から3年以内に譲渡を行うことです。

3,000万円の特別控除(相続空き家)

誰も住んでいない土地と空き家を相続した場合、3,000万円の特別控除を受けることができるケースがあります。この特例を、被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例と言います。

控除を受けるには、1981年5月31日以前に建築された家屋であり、耐震改修して売却するか、解体して更地で売却すること、2019年12月31日までの間に売却すること、など、一定の要件を満たす必要があります。

不動産投資で受けられる特例(特定事業用資産の買換え特例)

利益を得るために所有や利用される不動産を事業用不動産と言います。店舗が入って家賃収入を得ることができるビルや、投資用のマンションなども該当します。

このような事業用資産に該当する不動産の売却では、「特定事業用資産の買換え特例」を受けることができるケースがあります。事業用不動産を売却し、一定期間のうちに別の事業用不動産を購入する場合に、譲渡益にかかる80%の税金を将来に繰り延べることができる特例です。

この特例を受けることができる条件は以下です。

  • 不動産は売却・購入ともに事業用である
  • 売却する年の1月1日時点で、売却する不動産の所有が10年を超えている
  • 売却の前年〜翌年の間に別の不動産を購入する
  • 購入する不動産は、購入から1年以内に事業に使うこと

特別控除を受ける時の注意点

ここでは、特別控除の利用にあたって気をつけたい2つのポイントをご紹介します。

一定の要件を満たす必要がある

当たり前ですが、特別控除を受けるためには、それぞれの必要要件を満たさなければいけません。ご紹介したひとつひとつの特例を見ていただいたらわかるように、控除を受けられる条件は、その特別控除によって細かく異なります。

「該当しているのに気づかなかった…」なんてことが起ってしまわないように、不動産売却を考え始めた際に、該当する控除がないか調べておくことをおすすめします。

また、売却する不動産の状況によっては、2つ以上の特別控除が該当する場合があります。その場合、2つの控除は同時に使うことができるのかをチェックしましょう。もしどちらかしか使えない場合には、どちらの控除を利用した方が節税効果が高いのか、しっかり見比べて判断してください。

確定申告を行う

特別控除を受ける際には、必ず確定申告を行う必要があります。不動産売却で利益が出た場合には、控除を受ける受けない以前に確定申告が必要ですが、損が出た場合も繰越控除の特例を使うことができますので確定申告を行うことをおすすめします。

確定申告は、不動産売却の翌年の確定申告の時期(2月16日〜3月15日)に行います。申告時には、必要な書類を準備して正確に情報を記載し、税務署に提出しなければなりません。

また、特別控除それぞれに必要な資料を添付する必要があります。どの特別控除を受けるかで、必要書類は異なりますので、あらかじめ調べて準備しておきましょう。書類に不備がある場合には、税務署から問い合わせが入る場合があります。

もし、どのような準備を行えば良いのかわからない場合には、毎年確定申告の時期に自治体が設置する税理士の無料相談コーナーなどで相談することをおすすめします。

自治体によってはこのような相談コーナーがない場合もありますので、その場合には早い時期に税務署に行って相談を行いましょう。毎年確定申告の時期は、税務署はとても混雑します。早め早めに準備をしておきましょう。

損をしないために売却時に気をつけること

ここまで土地の売却時などに利用できる特別控除を解説してきました。控除を活用することで節税を心がけることも重要ですが、損をしないために売却のタイミングでも気をつけておきたいポイントがあります。

土地の売却時には相場を把握しておく

土地の売却を考え始めた段階で、自分の土地の相場価格を把握しておくことが重要です。近年は土地の価格が上昇しています。相場を把握していないと、土地を安く売って損をしてしまうことがあります。また、相場よりも高い値段設定で売り出してしまうと、いつまでも書い手がつかず売れ残ってしまいます。

ある程度の土地の相場を把握しておくことで、こういった事態を防ぐことができます。

相場を把握する方法

土地の相場を把握する方法としておすすめなのが、一斉査定サイトを利用する方法です。一括査定サイトでは売却したい土地の情報を一度入力するだけで、複数の不動産業者から査定結果を受け取ることができます。複数の査定を見比べることでおおよその相場を把握することが可能です。

また、一括査定を受けることで、仲介を依頼する不動産業者の選定にも役立つというメリットもあります。複数の不動産業者の対応を見比べることもでき、自分にあった不動産業者を選ぶことができます。

一括査定サイトの利用は、基本的に無料です。土地の売却をスタートさせる際には、最初に一括査定サイトを利用することから始めましょう。

おすすめの一括査定サイト3選

サイト名 利用者数 対象エリア 提携会社数 同時依頼数
イエウール 1,000万人 全国 1,700社 6件
イエイ 400万人以上 全国 1,700社以上 6件
リビンマッチ 440万人 全国 1,400社 6件

イエウール:全国1,700社以上に対応

地方・地域密着型の中小規模不動産業者にも対応しているので、都市部以外に所在しているマンションや一戸建てなどの不動産を売却したい人におすすめです。

利用者数 1,000万人
対象エリア 全国
提携会社数 1,700社
同時依頼数 6社
取引件数 非公開
顧客満足度 98%
運営会社 株式会社Speee (Speee, Inc.)

サイト内では一戸建てや土地など、物件の種類別に売却手順の説明も掲載されています。しつこい勧誘があったなど、評判の悪い不動産会社は登録から外されているので安心です。

イエイ:お断り代行サービスを提供

大手不動産会社だけでなく、地域に密着した地方に強い不動産会社への査定も一括で依頼できます。

利用者数 400万人以上
対象エリア 全国
提携会社数 1,700社
同時依頼数 6件
取引件数 1,000件以上
顧客満足度 97%
運営会社 セカイエ株式会社

都心部だけでなく、地方の物件を売却したい人にもおすすめです。また、査定を依頼した不動産会社からの営業連絡を断りたい際に、代わりに断ってくれる「お断り代行」サービスがあるため、営業電話を断りにくい人におすすめです。

なお、依頼先の不動産会社は自分で選べる仕組みとなっています。

リビンマッチ:利用したいサイト第1位

都道府県別に、このサイトに登録している不動産会社の情報をあらかじめ調べることができ、その中から売却査定実績の多い不動産会社を選べることが特徴です。

利用者数 440万人
対象エリア 全国
提携会社数 1,400社
同時依頼数 6件
取引件数 14万件(年間)
顧客満足度 98%
運営会社 リビン・テクノロジーズ株式会社

全国展開しているような大手の不動産業者ではなく、どちらかと言えば地域に密着した中小規模の不動産会社の登録が多いので、相続などによる地方の不動産の売却を考えている人におすすめです。

不動産売却にはさまざまな特別控除がある

ここまで、不動産売却の特別控除について紹介しました。

不動産売却はそれ自体が大きなお金の取引が発生することが多く、利益が大きいと納めなくてはならない税金も大きな額になってしまいます。そのため、控除や節税の知識がないままに進めるのは大きな損につながってしまうことがあります

普段はあまり意識することのない知識であることから、不動産売却に関する税金問題については多くの人が難しく感じ、敬遠しがちです。しかし、自分の大切な財産を守るためにも、しっかり必要な知識をつけることをおすすめします。

また、一括査定サイトについて詳しく知りたい・比較したいという場合は下記の記事を参考にしてください。

参考:【2019年最新】不動産一括査定50サイトをジャンル別に比較!